250ccクラスの大型ボディを採用し、125ccクラスの枠を超えた、圧倒的なゆとりのあるスペースと快適性を確保した豪華原二スクーターがキムコのダウンタウン125i。上陸したての1台を早速試乗、高級感あふれるその造りと快適な走りを堪能してきたぞ!
クラス随一の圧倒的な存在感と高級感が光る!
国内の125ccクラスはスポーツモデルの人気が高まってきたが、販売台数で見れば主役はスクーター。
峠道でこそ輝く!? 新型「KATANA」試乗インプレッション!
操作が簡単で取得の容易な小型AT免許で乗れ、税金や保険も安く、原付一種(50cc)のような二段階右折や2人乗り禁止、法定速度30km/hという制約にとらわれないなど、日常の足に有利な条件が揃っているのが普及の理由だ。
ただ、250cc以上のスクーターと比べると、コンパクトな車体や乗り味、装備類に物足りなさを感じるのも事実。
そんな1クラス上のラグジュアリーさを求めるライダーに応えるのがキムコのダウンタウン125iだ。
兄弟モデルのダウンタウン350と共通の車体ゆえ、サイズは国内250スクーターと同等で、ピンク色のナンバープレートが不自然に思える。
高級感もホンダのPCXと互角以上で、存在感は圧倒的と言っていい。
とはいえ、装備重量178kgで最高出力14・3PSという数値を見ると「交通の流れに乗れるのか?」と心配にもなるだろう。
今回の試乗コースの国道と都道は交通量が多く、アンダーパスもオーバーパスもあるが、走り始めて5分で不安は消えた。
エンジン特性と変速設定が車重と常用速度域に併せて巧みに設定されていたからだ。
ゼロ発進は約3000回転で遠心クラッチが繋がりはじめ、全開加速では7500回転近辺をキープしたまま80km/hまではスムーズに加速する。
最高速は100km/h程度だが、原付二種の法定速度は60km/h。実用上は充分だ。
市街地では6000回転台を常用するので最初は若干せわしさを感じたが、不快な振動もなく、吸排気音も抑えられているので、いつの間にか気にならなくなった。
さすがにタンデム+上り坂では余裕がなくなるが、失速して他車の邪魔になるようなことはない。
逆に車格の大きさ、重さが安定性に寄与し、クルージングは実に快適。ライディングポジションがゆったりしているうえ、スクリーンが視界を遮らないので開放感も高い。
ノーマル状態ではリアサスペンションが硬めだが、ダイレクトな操縦性よりも市街地での乗り心地を優先するなら、スプリングのイニシャルを弱めにセットしてやればいい。
堂々とした車格、安定性の高い乗り味、ABSや豪華装備など、125ccスクーターの概念を超えるキャラクターのダウンタウン125i。
経済性と実用性、所有感に優れる唯一無二のスクーターだ。
SPECIFICATION
全長×全幅×全高2250×780×1345mm
ホイールベース1553mm
最低地上高/シート高NA/810mm
車両重量178kg
エンジン形式水冷4ストOHC4バルブ単気筒
総排気量124.8cc
ボア×ストローク/圧縮比NA
最高出力14.3PS/9000rpm
最大トルク1.1kg-m/7000rpm
燃料供給方式/燃料タンク容量FI/12.5L
キャスター角/トレールNA
変速機形式CVT
ブレーキ形式 前・後φ260mmディスク・φ240mmディスク
タイヤサイズ前・後120/80-14・150/70-13
RIDING POSITION 身長:176cm・体重:62kg
タンデムでもまったく窮屈さを感じさせない余裕あるポジション。
シート高は810mmと高めの部類だが、フロアボード後部の絞り込みによって足を開かず真っ直ぐに降ろせるので、車格から想像するより足着き性は良好。
DETAILS
兄貴分の350そのままと言うべきボディは、125ccクラスの常識を覆すサイズで、250ccスクーターと並んでも引けを取ることはない。
この大きさが居住性の高さとリラックスしたゆとりあるポジションを可能にしているのだ。
ボディカラーは全3色をラインアップ。
ゆったりした広い座面がこのダウンタウンの大きな魅力のひとつ。
クッション性もよく、乗り心地の快適さでは群を抜く。
鋭く尖った目つきが印象的なフロントマスク。
イタリア人デザイナーが手掛けただけあって、欧州メーカーの雰囲気も感じさせる。
盗難抑止効果の高いシャッターキーを採用。
トランクオープンなどもこのキーを回して行うようになっている。
ステラの「私も乗ってみました」
さすがにボディは大きくて、身長163cmの私だと足つきは微妙でしたが、大きなボディの効果絶大で、走り出せばとても快適。
シートのフィット感も絶妙で、長く乗っても腰が疲れなくて、とてもゆったり運転できたし、視界もかなり広く開けていて、ちょっとゼイタク気分を味わえます。
広いシートとシートを囲うようなレイアウトのグラブバーのおかげでタンデムの乗り心地も最高。
大きなボディのメリットを改めて実感しました。
[ アルバムはオリジナルサイトでご覧ください ]
PHOTO:南 孝幸 TEXT:太田安治、木川田ステラ、本誌編集部
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