トヨタはラリーを制するために耐久性や軽量化を極めた
市販車ベースのマシンで競い合うレースで勝つために、レギュレーションの範囲内でより有利に戦えるようモディファイされた市販車=ホモロゲーションモデルをピックアップする企画の第2弾。今度は日産車以外のホモロゲーションモデルにスポットを当ててみよう。
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1)トヨタ・セリカGT‐FOUR RC(ST185)
トヨタのホモロゲーションモデルといえば、セリカGT‐FOUR。1991年に登場した、セリカGT-FOUR RC(ST185)は、世界限定5000台(日本国内は1800台)。ラリーで戦うことを考えて、耐久性のあるメタルタービンと水冷式インタークーラーなどを装備した。
WRCでは、1992年から3年連続でドライバーズタイトルを獲得し、1993年、1994年にはマニュファクチャラーズタイトルも連覇。WRCでは通算16勝を記録し、グループA時代のトヨタのラリーカーで、もっとも活躍した名車だった。車名の「RC」とは、「ラリー・コンペティション」の略。
2)トヨタ・セリカGT-FOUR WRC仕様(ST205)
1993年にデビューした6代目セリカは、GT-FOURとともに特別限定車WRC仕様も発表。ベースのGT-FOURにも、専用のアルミボンネットや255馬力にチューニングされた(従来比30馬力アップ)3SGターボ(ターボとインタークーラーが容量アップ)が搭載され、専用ホイール、専用ブレーキ、専用サスペンションが与えられていた。
TTEと共同開発された、グループAホモロゲーションベース車の「WRC仕様」は、専用大型スポイラー、フードエアスクープ、インタークーラースプレー、ラリーカーのベースボディカラー、スーパーホワイトIIを設定。世界限定2500台、そのうち国内が2100台で販売された。
3)トヨタGRヤリス
今年登場したばかりのGRヤリスも、WRCを「勝ち抜く」ために生まれたホモロゲーションモデル。TNGAの思想に基づくスポーツ4WDプラットフォームを採用し、軽量コンパクトでパワフルな1.6リッター直列3気筒直噴インタークーラー付きターボ、G16E-GTS型エンジンを搭載(200kW=272馬力、370N・m=37.7kgf・m)。
インタークーラースプレーがついているのもひとつの目玉で、ルーフはフォージドカーボン、ボンネットとドアパネルはアルミ製。ある意味、最新最強のホモロゲーションモデルといえる存在だ。
国産車で最強をほしいままにしていたGT-Rの上を行く存在も登場
4)三菱ギャランVR-4
ギャランVR-4は、WRCがグループBからグループAで戦うことになった1987年にデビュー。ターゲットはもちろんWRCで、新開発の4G63ターボエンジン(当時は「サイクロン」と呼ばれていた)を搭載。ランエボI~IXまでに搭載された、三菱の名機4G63ターボを最初に積んだのがこのギャランVR-4だった。
ビスカスカップリング式センターデフ付きのフルタイム4WDで、4WSやABSなど、当時としてはハイテク満載の一台だった。競技ユーザー向けのVR-4R(限定100台)や、さらに40kgの軽量化を図ったVR-4 RSなども用意された。
後期型は240馬力にまでチューニングされ、トルクバンドが広く、4WDということもあり加速性能は抜群。直線も速かったが、ブレーキもプアで、アンダーステアも強かった……。WRCでは1989年の1000湖ラリーとRACラリーで優勝している。そして特筆できるのは、1991年の筑波9時間耐久で、ギャランVR-4が、R32GT-Rを下して優勝していること! N1耐久で29戦28勝しているGT-Rに、唯一の黒星をつけたのが、じつはギャランVR-4だった。
5)三菱ランサーエボリューションI
ギャランVR-4でWRCに参戦していた三菱ワークスが、WRCで勝つにはもっとコンパクトなボディが必要だと気付き、ランサーGSR1800に、ギャランVR-4のエンジンとドライブトレインをそっくり移植したホモロゲーションモデルが、初代ランエボ=ランサーエボリューションI。当初ホモロゲをクリアするために、限定2500台で販売されたが、3日で完売となり、さらに2500台が追加された。
モータースーツベース車のRSのパワーウエイトレシオは、4.68kg/馬力と、国産車最強最速を誇ったR32GT-Rの上を行く存在だった。しかし、フロントヘビーでタイヤのキャパシティが小さく、ブレーキ容量も不足だったので、サーキットを得意とするようなクルマではなかった。WRCでの最高位は2位だが、ここからランエボ伝説がスタートした。
6)三菱GTO
GTO=「Gran Turismo Omologato」(伊)の略で、「ホモロゲートミートバージョン」という意味を持つ。その割にベースはセダンのディアマンテで、お世辞にもスポーツカーとしての素姓がいいとはいえない……。しかし、けっこうな意欲作で、エンジンはトルクフルなV6ターボの6G27型。
アルミ製4ポット異径対向ピストンブレーキキャリパーやドイツ・ゲトラグ社製の5速MT(中期型から6速化)を搭載している。また、高張力鋼製のドライブシャフトといった装備は、国産車ではGTOが初めて採用している。
さらに、1994年のマイナーチェンジでは、軽量モデルの「MR」を追加。ブレーキ冷却導風板をMRに標準化し、レース用のAPロッキード製6ポットブレーキのオプションに設定! リヤハイブリッドLSDもオプションに。4WDのハイパワーモデルで、動力性能は抜群だったし、空力面や重心高では、R32GT-Rよりも有利だった。N1耐久レースでは、クラス1で、GT-Rへの唯一の対抗馬として気を吐いていたが、ポールポジションは取れても未勝利で終わってしまった(最高位は2位)。
7)マツダ・ファミリア 4WD DOHCターボ GT-X
1985年に登場したファミリア 4WD DOHCターボ GT-Xは、意外に衝撃的な一台だった。このファミリア 4WD DOHCターボ GT-Xは、なんといっても、国産初のフルタイム4WD。いまでは珍しくない、フルタイム4WDだが、この6代目ファミリアは、フルタイム4WD+DOHC+ターボという、当時の“全部乗せ”仕様のクルマ。1090kgの車体に、140馬力のターボエンジン+4WDという組み合わせで、サーキットでもゼロヨンでも、一時、国産最速といわれたほど!
WRCには「マツダ 323 4WD」という車名でエントリーして、1987年、1989年のスウェディッシュ ラリーと、1989年のニュージーランド ラリーで優勝。車高を30ミリほど調整できる、ハイトコントロールサスペンションというオマケもついていた。
8)スバル・レガシィRS typeRA
スバルのホモロゲーションモデルといえば、レガシィRS typeRA。STI最初の限定車で、吸気ポート段差修正(手作業)や、クランク、強化コンロッド、強化メタルなどを採用。ギヤ比が15:1から13:1にクイック化するバリアブルレシオのパワステやスポーツサスペンション、駆動系のバランス取りなどが施された。当初は月産50台。
「RA」とは 、スバルが初代レガシィで挑戦した10万km世界速度記録の「記録挑戦=RECORD ATTEMPT 」の意味が込められている。WRCでは、1993年のニュージーランド・ラリーで優勝。そのあと、WRCのステージはインプレッサに譲るわけだが、インプレッサWRXは、シリーズを通しWRCを制するためのホモロゲーションモデルそのもので、ライバルの三菱ランエボシリーズと長きにわたって激闘を繰り広げることになる。
・番外編 ホンダ
二輪にはホモロゲーションモデルがたくさんあるホンダだが、四輪ではレースに勝つための特別な仕様というのはほとんどない。各種タイプRシリーズやS2000、S660など、かなり本格的なスポーツカーだが、特定のレースカテゴリーにターゲットを絞ったクルマとは言い難い。
強いて言えば、2005年に出てきた「NSX-R GT」がそれにあたるが、生産台数がたったの5台。市販されたのが1台だけで、価格は破格の5000万円。SUPER GTにエントリーする為の割り切ったホモロゲーションモデルで、市販したとは言い難く、少なくとも量産車ではない。ちょんまげといわれた「リヤハッチガーニッシュ」が一番の特徴だった。
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みんなのコメント
ただ市販するため、規制の為に性能を絞って売ってたGT-Rと精一杯性能を上げて出してきた車の差は
何度も見せつけられた
特にチューニングの許容度は羨ましかった