5月20~21日、ドイツ・ニュルブルクリンクで開催された第51回ADACトタルエナジーズ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間)。スバルテクニカインターナショナル(STI)は、新たにFA24型水平対向2.4リットル直噴ターボエンジンを搭載した114号車スバルWRX(井口卓人/山内英輝/カルロ・ヴァン・ダム/ティム・シュリック組)で決勝レースに出走し、総合80位/クラス2位で完走を果たした。
2009年にスタートしたSTI独自プロジェクトのSTI NBR CHALLENGE(ニュルブルクリンク・チャレンジ)。14年目を迎えた今年はベース車両をWRX S4にスイッチした新型『SUBARU WRX NBR CHALLENGE 2023』でSP4Tクラス(排気量2.0~2.6リットルのターボ車)にエントリーし、決勝レースではトラブルに見舞われながらも、チームスタッフの懸命な修復作業によってリスタートしクラス2位でチェッカーを受けた。
「原因が解明できない」新車のトラブルに悩むSTI、エンジンに爆弾を抱えたままニュル24時間本番へ
■レース前半は小トラブルに見舞われながらもクラストップを走行
晴天に恵まれた5月20日(土)のニュルブルクリンク。井口卓人が乗り込んだ114号車スバルWRXは現地16時過ぎ、グループ3隊列のフロントロウ/総合85番手からレースを開始した。井口は快調な出だしで、スタートから1時間後にはポジションを総合74位まで上げる力走を見せる。
その後も井口は順調に走行を続け、フォーメーションラップを含め9周を完了し46番手でピットイン。ヴァン・ダムにステアリングを託す。そのヴァン・ダムは1スティントとなる8周の内6周もの間GT4マシンとバトルを繰り広げた。なかなか前には出られなかったものの、無事にスティントを終え総合50番手でピットイン。今度はシュリックにドライバーを交代した。
このあたりからコースのところどころでクラッシュが発生するようになり、トラック内はより危険な状態へと変化していく。そんななか、シュリックとの無線交信にトラブルが発生し、ドライバーからの情報が途切れてしまう。情報が伝えられないながらも、シュリックは無事に予定周回数でマシンをピットへ戻し、山内へとマシンを託す。この時点で114号車は24周を完了し、総合46番手(SP4Tクラス首位)にまで順位を上げていた。
山内のスティントではドライバーからの無線が不通となるトラブルは解消されたものの、反対にチームからの交信が途絶えてしまうトラブルが発生。さらにコース上ではイエロー区間やコード60(時速60kmで走行しなければならない区間)が設定されていたため、スティント中のほとんどの時間でクリアラップを取れず、無線に発生するノイズに耐えながら荒れるニュルブルクリンクを走ることとなった。しかし山内は冷静なドライブで総合44番手に順位を上げるとともに、無事にマシンをピットへ届け井口へとバトンを繋いだ。
■無線の不具合に続き、発電機にもトラブル
ふたたび井口が乗り込んで2周をラップした時点で、オルタネーターが焼きつきを起こし、発電できない状態となっていることが判明する。井口はチームの指示によりシフトチェンジをスティックシフトに変更、無線交信も最小限にとどめ節電走行でピットへ戻る。ガレージへと戻ったスバルWRXは故障したオルタネーターから煙を上げている状態だった。チームは10分で部品を交換したものの合計で15分間のロス、総合順位を66番手に下げてしまう。
コースに戻ったマシンは調子を取り戻し、井口、ヴァン・ダム、シュリックと順調にスティントを重ねて総合順位を56番手にまで戻すことに成功する。しかし午前2時にドライバーを山内へと交代し開始したスティントでふたたび電気系のトラブルが発生。チームはオルタネーターを再度交換し、同じタイミングでブレーキローターおよびキャリパーも交換。ロスを最小限にとどめてマシンを再度コースへと送り出した。
■足回りパーツのトラブルによりウォールにヒット。エンジンを含めた総交換作業へ
その後マシンは夜のニュルブルクリンクを順調に走行し76周を完了、総合順位を51位まで上げていた。夜が明けた現地6時ごろ、残り2周でピットインを控えていたヴァン・ダム駆るスバルWRXに異変が生じる。突然「何かに引っ張られるように」挙動を乱し、直後に左リヤをウォールにヒットさせてしまう。ヴァン・ダムはダメージを負ったマシンをスロー走行でピットへと戻した。
チームは、マシンの不可解な挙動の原因をスタビライザーバーを取り付けているブラケットの取り付けボルトの欠損と特定し、サスペンションパーツの交換作業を行う。しかしレース開始から14時間を経過していたマシンは、サスペンションパーツに加えてエンジンやデフ、ステアリングラックとタイロッド部分にも不具合が出ていることが判明する。チームは長い修復作業を覚悟し、トラブルが起きているパーツの総交換を敢行した。
その後、チームは4時間半の修復作業を行い、11時過ぎにマシンをコースへと送り出すことに成功した。ふたたびスバルWRXに乗り込んだヴァン・ダムは総合101番手からスパートをかけていく。続いてマシンに乗り込んだシュリックのアウトラップには、タイヤパンクチャーが発生し再ピットインを余儀なくされるも、シュリックは総合順位を上げるため力走を披露。88番手まで順位を上げることに成功する。
最終スティントはヴァン・ダムが担当し、一時は15周離されたSP4Tトップの車両を追い上げていったが逆転までは叶わず。SUBARU WRX NBR CHALLENGE 2023は総合80位/SP4Tクラス2位でチェッカーを受けた。
「新エンジン、新車での出場となりましたが、トラブルも多く、スバルファンの皆さまのご期待どおりの結果にはなりませんでした」と語るのは、スバルチームの辰己英治総監督。
「改めてニュルブルクリンクは難しいレースだということを痛感しました。それでもドライバーたちやメカニック、エンジニアの皆が全力で対処してくれ、最後にチェッカーフラッグを受けられたことには感謝します」
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何台中かな(笑)