■日本やアメリカ市場では絶滅危惧種となったワゴン
人の気持ちは移ろいやすいもの。だからこそ、次々に新しいトレンドが生まれ、古いものは消え去ってゆく。日本市場におけるクルマのジャンルでいえば、「ステーションワゴン」が、そうした消えてゆくトレンドといえるだろう。
見かけたら思わずうっとりしちゃう!? 美しすぎるステーションワゴン5選
かつての日本車には、ほとんどのセダンにバリエーションとしてステーションワゴンが用意されていた。「クラウン」にもステーションワゴンがあったし、スカイラインのステーションワゴン版とでも呼べる「ステージア」の人気は高く、スバルの看板車種は「レガシィ ツーリングワゴン」であった。
ところが気がつけば、その多くのステーションワゴンは姿を消し、現在残っている車種は、トヨタは「カローラツーリング」と「プリウスα」、スバルの「レヴォーグ」、マツダ「マツダ6」、ホンダは「シャトル」と「ジェイド」があるが後者はもうすぐ終売予定だ。あとは商用バンくらいしか、このボディタイプは販売されなくなっている。
では、いったいなぜ、そうした事態に陥ったのだろうか。
そのヒントとなるのが欧州市場だ。かの地では、今もセダンのバリエーションとして数多くのステーションワゴンが存在している。
一方、アメリカ市場も日本と同様にステーションワゴンは絶滅危惧種になっている。日本とアメリカがダメで、欧州はOK。そこにある違いとはなんなのだろうか。
考えられる理由は、アウトバーンという存在だ。アウトバーンはドイツの高速道路のことで、一部の区間は一応「速度無制限」で、いくらでもスピードを出してよい。
最近では、アウトバーンでも速度制限区間が増えているとはいえ、それでも制限は130・/hなどで、現状の日本やアメリカなどよりも高速だ。
実際に筆者がアウトバーンの速度無制限区間を走った経験でいえば、速いクルマで150km/hから180km/h、普通のクルマが120km/hから140km/hほどで流れている。無制限といっても、皆が皆200km/hも300km/hも出しているわけではないのだが、確実に日本やアメリカなどよりも速度は高い。
いっぽう、制限速度区間になると、速度が一気に下がる。まさに急ブレーキ。そして解除になると一気に速度があがる。アクセルペダルを本当に床まで踏みしめないと流れに乗れないほどの急加速を見せるのだ。
パワーやトルクがあり、なおかつブレーキ性能の高いクルマがドイツ車に多いのも理解できる走行環境ともいえる。
また、欧州はEU圏内であれば、国から国の移動も非常に簡単だ。パスポートチェックのない国境も多い。そのためドイツ車以外のフランスブランドやイタリアブランドのクルマがアウトバーンを走る姿も数多くみられた。
そうした高速移動をおこなう上で、ステーションワゴンは非常に便利な存在だ。セダンと同様の空気抵抗係数(Cd値)で、セダンよりも荷物をより多く搭載できる。
SUVやミニバンは、空気抵抗が大きく重心も高いので、セダンやステーションワゴンほど高速走行が得意ではない。実際に、180km/h以上でSUVやミニバンを運転することを想像してみてほしい。きっと、SUVよりもステーションワゴンを選ぶ人の気持ちもわかるはずだ。
そういう意味で、欧州にはステーションワゴンを必要とする環境が存在する。だからこそ、今なおステーションワゴンのニーズがあり、それに応えて自動車メーカーが販売しているのだ。
■同じ「ワゴン」タイプでもドイツ・プレミアムスリーで呼び名が違う
面白いことに、ステーションワゴンの呼び方にも違いがある。
メルセデス・ベンツは王道的に「ステーションワゴン」と呼ぶが、BMWは「ツーリング」、アウディは「アバント」と呼ぶ。
これはBMWの場合、ステーションワゴンの源流が1960年代後半から販売した「2002シリーズ(通称マルニ)」の2ドアハッチバックモデルの「ツーリング」にあり、そのスポーティな伝統を大切にする姿勢の表れだ。
アウディは単なる荷物運搬車ではなく、フランス語で「前進」を意味するAVANTを使うことで、ステーションワゴンにアウディ独自のデザイン哲学と最先端技術を込めていることを表現しているのだ。
※ ※ ※
一方、日本やアメリカでは、欧州ほどの高い速度での走行性能が求められないことが大きい。
そうとなれば、室内空間が広くて便利なSUVやミニバンのほうが売れるのは道理だ。また、クルマを走らせる基本的な技術が高まったことで、SUVやミニバンでもかつてよりも高い高速走行性能が実現できるようになったのも理由のひとつだろう。
きちんと高速を走れるのであれば、室内は広いSUVやミニバンのほうが良いと考える人が多いのだから、ステーションワゴンを選ぶ理由がない。
さらにいえば、直近10年ほどは、世界中でSUVがブームになっていた。走行性能が上がり、高速道路の移動も以前ほど苦にならなくなったのもあるだろう。
また、新しいクルマのボディタイプとして、注目度が高まったという側面もある。モータリゼーションが到来して、人々が初めてのクルマを購入してきた中国は、まさしくそういう風潮だ。
「最初の1台目は、王道的なセダンを買う。次も同じではつまらないから、目新しいSUVがほしい」というわけだ。
実利的な理由もなく、さらにSUVという新しいトレンドも到来した。その結果、現在の日本やアメリカからステーションワゴンが消えていった理由といえるだろう。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
三重県の「北勢バイパス」、2024年度内に四日市の中心部まで開通! 通勤ラッシュの緩和にも期待。 【道路のニュース】
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
どうしてもSUVやミニバンには手が出ない。
走行性能が高く、荷物もかなり入る
国産もレクサス辺りがステーションワゴンを出すと
かなり売れると思う