■ちょっと前までたくさんあった、大排気量NAセダンを振り返る
近年、欧州車から採用が拡大した小排気量のターボエンジン、いわゆる「ダウンサイジングターボ」は、国産車にも定着しつつあります。
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動力性能をキープしつつ燃費や環境性能が向上し、気筒数を減らすことで軽量コンパクト化や、部品点数の削減によるコストダウンが可能とあって、爆発的に普及しました。
たとえば、かつての2リッターエンジンは1.5リッターターボへ、3.5リッターエンジンは2リッターターボへと置き換わり、なかでもミドルクラス以上のセダンは、世界的にも2リッターターボが主流になりつつあります。
一方で、少し前の国産セダンでは、自然吸気エンジンを搭載したモデルが多数存在。そこで、往年の大排気量かつスポーティなセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
●スバル「レガシィB4 3.0R」
2003年に登場した4代目レガシィは、ボディサイズが拡大され3ナンバーサイズ化されたことや、等長エキゾーストマニホールドの採用により、スバルの水平対向エンジン独特の排気音が消えたことで、新世代のレガシィとして話題となりました。
4代目では先代から引き続きターボモデルがメインでしたが、エンジンの改良により上質さは大きく進化。その上質さをさらに高めたのが、追加ラインナップされた「3.0R」です。
最高出力250馬力を発揮する3リッター水平対向6気筒エンジンを搭載する、2リッター4気筒ターボエンジン搭載車とは異なるエレガントかつパワフルな走りが可能でした。
さらに2004年には、専用チューニングのビルシュタイン製ショックアブソーバーや、専用の外装パーツ、18インチホイールを装備する「3.0R Spec B」を発売。
トランスミッションは当初、6速MTのみで走りを重視していましたが、後に5速ATを追加し、幅広いユーザーに大排気量の自然吸気エンジンの魅力をアピールしました。
●ホンダ「レジェンド」
1985年に登場したホンダ初代「レジェンド」は、国内外でフラッグシップとなる高級セダンとして開発されました。
そして、2004年に発売された4代目では、それまでの280馬力自主規制値を日本車で初めて超えた最高出力300馬力を発揮する、新開発の3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載。
さらにトピックスとして、ドライブトレインに4輪の駆動力を制御することで高いコーナリング性能を発揮する、世界初となる4WDシステム「SH-AWD(スーパーハンドリングAWD)」を採用しています。
SH-AWDの機能は、カーブの内側と外側それぞれのタイヤの駆動力だけでなく、前後の駆動力を最適に制御し、タイヤのグリップ力を最大限に保つことで、カーブのターンインから脱出までをスムーズかつスピーディにおこなえるというものです。
4代目レジェンドのハイパワーなエンジンとSH-AWDは高く評価され、現行モデルのレジェンドや「NSX」にも受け継がれています。
■賛否両論あったスカイラインとは!?
●日産「スカイライン 350GT」
2001年に発売された日産11代目「スカイライン」は、従来まで搭載してきた直列6気筒エンジンからV型6気筒エンジンにスイッチし、グローバルに展開する高級セダンを目指して開発されました。
当初、エンジンは「セドリック/グロリア」の2.5リッターと3リッターを改良したもので、縦置きフロントミッドシップに搭載。
しかし、古くからのスカイラインファンからは、V型エンジンと空力性能を重視した曲線的なボディデザインは「これはスカイラインではない」など、賛否両論がありました。
ファンには不評だったV型6気筒化でしたが、2002年になると「エルグランド」用の3.5リッターV型6気筒をチューニングしたエンジンと、パドルシフトによる変速が可能な「エクストロイドCVT」を組み合わせ、専用の味付けのサスペンションやブレーキなどを備えた「350GT-8」を追加ラインナップ。
さらに、2003年になると6速MTも選べる「350GT」シリーズが登場し、かつてのスポーティさを取り戻しました。
最高出力272馬力の出力によって、ゆっくりとジェントルに走らせることや、6速MTを介してスポーティに走ることも可能となっています。
※ ※ ※
大排気量自然吸気ならではの魅力というと、低速からリニアに立ち上がるトルク感や、アクセルに対するエンジンレスポンスの鋭さなどがあります。
近年のターボエンジンもターボラグが抑え込まれて、かつてのようなストレスを感じることがありませんが、やはり自然吸気の反応にはわずかに及ばない部分もあります。
そうなると、かつての大排気量自然吸気車を選びたくなりますが、新車登録(初度登録)から13年を超えたクルマは、自動車税や重量税が懲罰的に加算されるため、古い大排気量車に手が出しづらいのが現状です。
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