現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 瞬間最大風速は圧巻! 「ハイソカー」を世に根付かせた「ソアラ」の偉大さ

ここから本文です

瞬間最大風速は圧巻! 「ハイソカー」を世に根付かせた「ソアラ」の偉大さ

掲載 更新 21
瞬間最大風速は圧巻! 「ハイソカー」を世に根付かせた「ソアラ」の偉大さ

洗練された上級クーペにクルマ好きの誰もが憧れた

 ソアラ。何度あらためて発音してみても、何とも優雅でステキ過ぎると思える車名である。まして今は何かと平穏に過ごすことが大変な時代だから、空を眺めながら「ああ、あの雲になりたいなぁ」などとしばしば考えたりもするが、まさしく上級グライダーの意味をもつソアラなら、あの空を飛んでいる気分になれるのかも……と思わせられる。

日本の熱気が最高潮だった80's! 夢の跡が感じられる「エモい」国産車5台

 ……と、筆者の独り言はさておき、ともかくソアラはいい時代に生まれたいいクルマだったことは間違いない。とくに初代とそのコンセプトを受け継いだ2代目までは国内をターゲットにしていたこともあり、そのことで身近な(今の感覚からすれば車両価格も)、またはそのちょっと上をいく存在として、心から憧れることのできるクルマでもあった。

輸入高級クーペにも負けない質感を与えられた初代

 初代が登場したのは1981年2月。その直前の’81年11月に開催された大阪国際オートショーに“EX-8”として登場したのが初出だった。デビューすればトヨタのフラッグシップモデルとなり、それまでのクラウンのハードトップ(’79年の登場した6代目クラウンにはまだ2ドアハードトップが用意されていた)に匹敵する高級パーソナルカー、またはセダンなどのバリエーションを持たない高級スペシャルティカー、そういう位置づけとなるクルマだった。

 スタイリングはオーソドックスな3ボックスのノッチバッククーペ。BMW6シリーズ、メルセデス・ベンツSLCなども同じノッチバッククーペだったことから、デビュー前から“トヨタ版633CSi”などとも言われた。いずれにしても当時のトヨタ車のデザイン流儀に則った、わずかにウェッジのかかった直線基調のクリーンなスタイリングは、高級車としては虚飾を廃したもの。

 それとキャビンを横から見たときに、A/B/Cピラー間を6:4(他社は7:3だとトヨタは説明していた)の比率とし、各ピラーを上に延長させるとある1点に集約されるデザインは、2代目にも踏襲されたソアラのアイデンティティだった。

 インテリアではエレクトロニックディスプレイメーターと呼ばれる、いわゆるデジタルメーターが売り。国産車では初採用(いすゞ・ピアッツァの登場は少しあとの同年6月)だった。

“未体験ゾーンへ。”のキャッチコピーどおり、当時“ニッパチGT”と呼ばれた、5M-GEU型の直列6気筒DOHCの2759ccエンジン(170ps/24.0kg-m)は、“日本のGT史上、最強を誇るツインカムエンジン”(カタログの文面より)だった。もう1タイプ、新世代の6気筒の1G系のツインカム(1G-EU型)を用意したほか、’81年7月にはM-TEU型、2Lターボが登場している。日本車初の4輪ベンチレーテッドディスクブレーキの採用(GT系ほか)、まだ“70”の時代だったがミシュランXVSタイヤの採用などもポイントだ。さらに’85年になると、トップモデルのエンジンが3Lの6M-GEU型(190ps/26.5kg-m)となり、さらに性能向上を果たした。

出力アップした3リッターターボを搭載した2代目

 一方で1986年1月に登場した2代目は、キープコンセプトながら、すべてが洗練されたクルマへと進化を果たした。スタイリングはすべてのガラスに3次曲面ガラスを採用、球体イメージのフラッシュサーフェスキャノピーを基本としたものに。

 イージーアクセスドアと呼ばれた4リンク式のヒンジを用い、ドアを前方に移動させながら上方を大きく開く方式を採用することで、狭い場所での乗降を向上させるドアとしたことなど、地味ではあったが意欲的なアイデアだった。

 サスペンションは、4輪ダブルウイッシュボーンに。さらに、世界初を謳うトヨタ電子制御エアサスペンション=TEMSの投入も注目された。NOMAL AUTOと SPORT AUTOの2モードをもち、それぞれのモード内でダンパーの減衰力を自動で可変させる機能も搭載されている。タイヤにはピレリとの共同開発という60タイヤ(215/60R15 90H)などが設定された。

 エンジンではフラッグシップの3Lツインカム24バルブにインタークーラー付きターボが装着され、この7M-GTEU型はネット230ps/33.0kg-mと一段と性能を高めたほか、2Lではツインカム24バルブ・空冷インタークーラー付きツインターボの1G-GTEU型(ネット185ps/24.5kg-m)が設定された。7M-GTEU型はのちにハイオク仕様化で240ps/35.0kg−mへとさらに性能を上げた。

 インテリアでは、メーターに世界初の虚像標示方式となるスペースビジョンメーター採用をはじめ、トヨタエレクトロマルチビジョンには、専用カセットテープにより車両の新機構の取説、全国高速道路情報などの表示機能を追加。エアコン、オーディオなどの操作が可能なタッチパネル(マルチコントロールパネル)も、世界初の装備として搭載した。

 3代目以降は、レクサス車ありきのハイブローなキャラクターになっていった。だが、日本市場を前提に開発された1、2世代は、さすがトヨタらしい、とにかく日本のクルマ好きに100%響く内容、スペックでまとめられたクルマだった。

こんな記事も読まれています

【編集部員が体験してきました】アバルト・ドライビング・アカデミー2024 忘れられない1日に
【編集部員が体験してきました】アバルト・ドライビング・アカデミー2024 忘れられない1日に
AUTOCAR JAPAN
充電中にどこ行く? 新サービス「EVごはん」開始…待ち時間に立ち寄れるお店情報
充電中にどこ行く? 新サービス「EVごはん」開始…待ち時間に立ち寄れるお店情報
レスポンス
お米を運んで東北から北関東をぐるり1周! トラックドライバーの仕事に2日間密着した!!
お米を運んで東北から北関東をぐるり1周! トラックドライバーの仕事に2日間密着した!!
WEB CARTOP
「デコチャリ」に「デコバン」に「デコSUV」なんてのもマジでいた! デコトラに刺激を受けた昭和の意外な「デコ車」たち
「デコチャリ」に「デコバン」に「デコSUV」なんてのもマジでいた! デコトラに刺激を受けた昭和の意外な「デコ車」たち
WEB CARTOP
ヤマハのスクーター『NMAX』に「ターボ」登場!? 新型のキモは新技術の「電子制御CVT」
ヤマハのスクーター『NMAX』に「ターボ」登場!? 新型のキモは新技術の「電子制御CVT」
レスポンス
横浜ゴム、2024年パイクスピーク参戦車両にADVANタイヤを供給。3年連続の総合優勝を狙う
横浜ゴム、2024年パイクスピーク参戦車両にADVANタイヤを供給。3年連続の総合優勝を狙う
AUTOSPORT web
フェルスタッペン、幼少期はアロンソのファンだった?「カートに乗っていた頃、彼を応援していたんだ」
フェルスタッペン、幼少期はアロンソのファンだった?「カートに乗っていた頃、彼を応援していたんだ」
motorsport.com 日本版
「ボンネットの閉め方」間違っていませんか?「丁寧なつもり」は逆に危険! クルマが壊れてしまう可能性も…
「ボンネットの閉め方」間違っていませんか?「丁寧なつもり」は逆に危険! クルマが壊れてしまう可能性も…
くるまのニュース
イタリア最古のメーカー発「最新なのに旧車の味わい」のバイクとは? モト・グッツィがこだわる“Vツインエンジン”の魅力は何か
イタリア最古のメーカー発「最新なのに旧車の味わい」のバイクとは? モト・グッツィがこだわる“Vツインエンジン”の魅力は何か
VAGUE
1050馬力のハイブリッドトラック、ゴルフボールに着想のディンプルが空気抵抗を低減…中国長城汽車が発表
1050馬力のハイブリッドトラック、ゴルフボールに着想のディンプルが空気抵抗を低減…中国長城汽車が発表
レスポンス
スカイグループとアウトモビリ・ピニンファリーナがハイパーカー 「Battista Cinquantacinque」と「B95」を公開
スカイグループとアウトモビリ・ピニンファリーナがハイパーカー 「Battista Cinquantacinque」と「B95」を公開
@DIME
F1ドライバーでも、ル・マン挑戦は一筋縄ではいかない? オジェ、挑戦を大歓迎も「簡単じゃないぞ!」
F1ドライバーでも、ル・マン挑戦は一筋縄ではいかない? オジェ、挑戦を大歓迎も「簡単じゃないぞ!」
motorsport.com 日本版
日本限定30台!メルセデス・マイバッハから特別仕様車「S 580 Night Edition」が登場
日本限定30台!メルセデス・マイバッハから特別仕様車「S 580 Night Edition」が登場
@DIME
<新連載>[サウンドシステム設計論]超基本形の「パッシブシステム」を組んでライトに楽しむ!
<新連載>[サウンドシステム設計論]超基本形の「パッシブシステム」を組んでライトに楽しむ!
レスポンス
マクラーレン、LMDhマシンでのル・マン参戦計画が現実的に。規則延長で“余裕”生まれる「あとはタイミング次第」
マクラーレン、LMDhマシンでのル・マン参戦計画が現実的に。規則延長で“余裕”生まれる「あとはタイミング次第」
motorsport.com 日本版
ミラノ デザイン ウィーク2024リポート──自動車ブランドが描き出すモビリティの未来とは?|CAR
ミラノ デザイン ウィーク2024リポート──自動車ブランドが描き出すモビリティの未来とは?|CAR
OPENERS
約230万円! トヨタ新型「スポーツコンパクトカー」発表! 6速MTのみの「“ガチガチ”モデル」に熱視線! 「超良心価格」の声も
約230万円! トヨタ新型「スポーツコンパクトカー」発表! 6速MTのみの「“ガチガチ”モデル」に熱視線! 「超良心価格」の声も
くるまのニュース
BMW新型「M2」欧州登場! 3リッター直6エンジンは20馬力アップの480馬力の強心臓に進化
BMW新型「M2」欧州登場! 3リッター直6エンジンは20馬力アップの480馬力の強心臓に進化
VAGUE

みんなのコメント

21件
  • それまでこんな車が存在したことがなかったからな。
    大排気量エンジンに2ドアのクーペのみのボディー、内装もシンプルでスッキリしたダッシュボードに針の無いデジタルメーター、軽く触れるだけで快適な空間へと変えるフルオートエアコンなど、贅沢の極みだった。
    毎年のように改良を繰り返して最新の技術を投入していたのも人気のひとつだった。
    あんな車は二度と出てこないだろう。
  • あれだけの人気車種だったのが3代目にレクサス銘になった瞬間、見たこともない醜いボディ与えられて爆死。

    あのブローアップは凄かった。一夜にして「いらない子」に大変身だもんね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

630.0661.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.0798.0万円

中古車を検索
ソアラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

630.0661.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.0798.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村