現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > そもそもノアヴォクと闘う気はない! まもなく発売のステップワゴンの「弱気」さが呼び込む勝機

ここから本文です

そもそもノアヴォクと闘う気はない! まもなく発売のステップワゴンの「弱気」さが呼び込む勝機

掲載 34
そもそもノアヴォクと闘う気はない! まもなく発売のステップワゴンの「弱気」さが呼び込む勝機

 この記事をまとめると

■新型ステップワゴンが新型のノア&ヴォクシーに優っている点を予想

先代の面影ナシ! わくわくゲートも廃止! 原点回帰を目指した新型ステップワゴンの全容を初公開

■ノア&ヴォクシーは死角がないほどの仕上がりで売り上げも好調だという

■新型ステップワゴンはホンダ独自の視点作られているところが評価に値する

 新型ステップワゴンは新型ノア&ヴォクシーへの刺客になり得るか

 ヴォクシー&ノアは、先代型の時点で基本設計が古く、すべてを刷新しないと進化させるのが困難だった。現状維持に留めるマイナーチェンジか、それとも思い切ったフルモデルチェンジかの二者択一だ。

 トヨタは後者を選んだ。先代ヴォクシー&ノアにエスクァイアも加えた3姉妹車は、2015年に1カ月平均で1万7000台以上も登録されている。2021年のヤリスシリーズ(ヤリス+ヤリスクロス+GRヤリス)と同等だ。フルモデルチェンジが迫った2021年でも、ヴォクシー系3姉妹車の登録台数は、1カ月平均で1万台を上まわった。

 しかも今のトヨタの売れ筋は、ヤリス、ルーミー、ヤリスクロスなどが中心でコンパクト化が進んだ。売れ筋価格帯が300~370万円で堅調に売られるヴォクシー&ノアは、国内の基幹車種だから、すべてを刷新するフルモデルチェンジに踏み切った。先代型に比べると、エンジン、ハイブリッドシステム、プラットフォーム、安全装備、運転支援など、大半の機能が新しくなっている。

 その代わり莫大な開発費用を投入したから、失敗は許されない。そこでとくに安全装備、快適装備、運転支援機能に力を入れた。大量に保有される先代ヴォクシー/ノア/エスクァイアのユーザーが、「ここまで進化したなら新型に乗り替えたい」と思わせるミニバンに仕上げている。

 いわば退路を断った渾身の力作だから、ステップワゴンとヴォクシー&ノアのライバル同士を総合的に比べると、後者の勝る点が多い。

 しかも、ステップワゴンの開発者は「ミニバンを購入するお客様の70%は、存在感の強いフロントマスクなどオラオラ系の外観を好む。そこでステップワゴンは、残りの30%をねらって、リラックスできる雰囲気に仕上げた」としている。ヴォクシー&ノアとの真っ向勝負を避けるため、最初から腰が引けているのだ。

 そしてリラックスできる雰囲気を重視するなら、外観の穏やかなエアをしっかり作り込む必要があるのに、安全装備のブラインドスポットインフォメーション(後方の並走車両を検知して知らせる機能)やオットマンなどは、オラオラ系に近付けたスパーダでないと装着できない。車両のコンセプトと、グレードや装備の間に矛盾も生じている。

 ホンダ独自の思想がステップワゴンには溢れている

 これでは最初から販売面の勝負は付いているが、ステップワゴンにも優れたところはある。まず、エアの装備は正直言って貧弱なものの、「威張ったオラオラ系のフロントマスクは嫌い」という人には、ステップワゴンが好まれる。今のミニバンは、アルファードを含めて迫力が重視されるから、ステップワゴンの外観は貴重だ。

 ステップワゴンは穏やかなフロントマスクに合わせて、ボディの側面も水平基調でスッキリと仕上げたから、視界も優れている。運転席に座って前方を見ると、インパネの上面はヴォクシー&ノアよりもデコボコが少なく、前方が一層見やすい。側方視界も良く、水平基調だからボディの四隅の位置もわかりやすい。総じて運転がしやすいはずだ。

 ステップワゴンは、開発に際してクルマ酔いの研究も行い、2/3列目シートに座る同乗者の気分にも配慮した。水平基調のボディで同乗者にとっても周囲が見やすく、1/2列目は背もたれの形状を工夫して視覚的な圧迫感も抑えた。車両のコンセプトと同様、リラックスできる明るい雰囲気の車内は、ヴォクシー&ノアとは異なるステップワゴンならではの魅力だ。

 同様の考え方に基づいて、ステップワゴンは居住性も優れている。身長170cmの大人6名が乗車した時、2列目に座る乗員の膝先空間を握りコブシふたつ分に調節すると、3列目の膝先空間は、ヴォクシー&ノアは握りコブシひとつ半だ。そこがステップワゴンならふたつ分を確保できる。また、ステップワゴンの3列目は、座面を20mm厚くしたから、座り心地にボリューム感も伴う。

 ハイブリッドも、ステップワゴンのe:HEVに注目したい。エンジンは主に発電機を作動させ、駆動はモーターが受け持つから、加速が滑らかで瞬発力も強い。

 したがって車内の広さ、リラックスできる馴染みやすい雰囲気、優れた視界、ハイブリッドの滑らかな走りなどを重視するユーザーは、ステップワゴンを積極的に検討すると良い。このクルマ作りは、家族で使うファミリーカーの本質も突いている。

こんな記事も読まれています

[新型フリード]最速3カ月納車!? フリードのために書き下ろしたミセスの新曲が激アツ
[新型フリード]最速3カ月納車!? フリードのために書き下ろしたミセスの新曲が激アツ
ベストカーWeb
日産『ムラーノ』が11年ぶりフルモデルチェンジへ! 日本市場復活はどうなる?
日産『ムラーノ』が11年ぶりフルモデルチェンジへ! 日本市場復活はどうなる?
レスポンス
ラリー・ポーランドが開幕。スーパーSSでヒョンデが1-2発進、勝田貴元は4番手/WRCデイ1
ラリー・ポーランドが開幕。スーパーSSでヒョンデが1-2発進、勝田貴元は4番手/WRCデイ1
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツCLEにブランド唯一のカブリオレモデルを追加発売
メルセデス・ベンツCLEにブランド唯一のカブリオレモデルを追加発売
Auto Prove
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「日本型ライドシェア開始から3ヶ月~都市・地方の展望と課題~」
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「日本型ライドシェア開始から3ヶ月~都市・地方の展望と課題~」
レスポンス
ハスクバーナ2025年モデルのエンデューロマシン国内導入発表 2スト含め計6機種
ハスクバーナ2025年モデルのエンデューロマシン国内導入発表 2スト含め計6機種
バイクのニュース
スズキが“新”「ハスラー」公開! 精悍すぎる「黒顔」に上質内装採用! めちゃタフ仕様追加の「超人気モデル」に未だ反響多数
スズキが“新”「ハスラー」公開! 精悍すぎる「黒顔」に上質内装採用! めちゃタフ仕様追加の「超人気モデル」に未だ反響多数
くるまのニュース
日産エクストレイルについて解説! VCターボエンジンと進化したプロパイロット搭載で話題のSUVとは
日産エクストレイルについて解説! VCターボエンジンと進化したプロパイロット搭載で話題のSUVとは
WEB CARTOP
メルセデス・ベンツの新世代2ドアクーペのCLEクーペに高性能バージョンの「メルセデスAMG CLE53 4MATIC+クーペ」を設定
メルセデス・ベンツの新世代2ドアクーペのCLEクーペに高性能バージョンの「メルセデスAMG CLE53 4MATIC+クーペ」を設定
カー・アンド・ドライバー
ミッドシップの新スポーツカー、ホンダ NS-Xとは[driver 1989年3-20号より]
ミッドシップの新スポーツカー、ホンダ NS-Xとは[driver 1989年3-20号より]
driver@web
エネチェンジの不正会計処理、「隠蔽認められず」も城口CEOに不適切な言動 調査委員会が報告書
エネチェンジの不正会計処理、「隠蔽認められず」も城口CEOに不適切な言動 調査委員会が報告書
日刊自動車新聞
【未来予想図】VW製クーペルックSUV 次世代T-Rocはこうなる 新型VW T-Rocの未来予想図とその初期情報をお届け!
【未来予想図】VW製クーペルックSUV 次世代T-Rocはこうなる 新型VW T-Rocの未来予想図とその初期情報をお届け!
AutoBild Japan
【ホンダ フリード 新型】e:HEVを初搭載、2タイプ設定で価格は250万8000円から
【ホンダ フリード 新型】e:HEVを初搭載、2タイプ設定で価格は250万8000円から
レスポンス
圏央道「成田空港東IC」実現なるか!? 空港”大規模拡張”に合わせ「新ターミナル直結」千葉県が国へ協力要望
圏央道「成田空港東IC」実現なるか!? 空港”大規模拡張”に合わせ「新ターミナル直結」千葉県が国へ協力要望
くるまのニュース
“鉄の女たち”が無念の撤退。クラッシュ後に搬送されたサラ・ボビーの回復を優先/スパ24時間
“鉄の女たち”が無念の撤退。クラッシュ後に搬送されたサラ・ボビーの回復を優先/スパ24時間
AUTOSPORT web
ホンダ 3台目のフリード登場 コンパクトミニバンは見た目と使い勝手を熟成
ホンダ 3台目のフリード登場 コンパクトミニバンは見た目と使い勝手を熟成
Auto Prove
ALCANTARA®の革新的ラグジュアリー、第18回北京モーターショーに出展
ALCANTARA®の革新的ラグジュアリー、第18回北京モーターショーに出展
カー・アンド・ドライバー
タクシー運転士が「怖いおじさん」だったのは昔の話! それでも「マイナスイメージ」を抱かれ気味な理由とは
タクシー運転士が「怖いおじさん」だったのは昔の話! それでも「マイナスイメージ」を抱かれ気味な理由とは
WEB CARTOP

みんなのコメント

34件
  • 実際ステップワゴンとノアヴォクの相見積もり取る人ってどれくらいいるんだろ?

    ホンダ好きならステップワゴン一択だし、煽り運転メインのトヨキチならノアヴォクになるし。
  • 新型ステップ見ないなー思ったらまだ販売されてなかった
    新型ノアよく見るなと思ったら先代だった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

305.4346.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.8534.9万円

中古車を検索
ステップワゴンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

305.4346.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.8534.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村