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初代の評価を超えたか!!? 原点回帰の新型ステップワゴンの進化具合に驚いた!!

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初代の評価を超えたか!!? 原点回帰の新型ステップワゴンの進化具合に驚いた!!

 2022年5月27日についに発売された注目のミニバンであるホンダ「新型ステップワゴン」(車両価格は299万8600~384万6700円)。

 初代ステップワゴンが発売されたのは1996年。全高が1800mmを超えるフラットフロア構造のハイルーフミニバンとして、初めて前輪駆動を採用するなどそのインパクトは大きく、約48万台を販売する大ヒット作となった。

初代の評価を超えたか!!? 原点回帰の新型ステップワゴンの進化具合に驚いた!!

 残念ながら「わくわくゲート」とい飛び道具を採用した5代目の販売は思ったよりも伸びなかったが、6代目となる新型ではデザインなどで原点回帰を果たすなど、その意気込みは充分!

 果たしてその走り、そして質感の評価はどうだったのか!? またその評価は初代をしのぐものとなったのか!? 試乗でわかった、その実力をお届けしたい。

文/岡本幸一郎
写真/奥隅圭之、HONDA

■原点回帰を図った新型、歴代モデルの強みを取り入れつつあえてオラオラ顔は選ばず

 初代と2代目こそキープコンセプトだったが、その後はこれまで代が変わるたび大きく姿を変えてきたステップワゴンが、6代目となる新型では原点回帰を図った。

 あたかも「#素敵な暮らし」のグランドコンセプトを体現するかのような、シンプルでやさしい雰囲気となったのは、ひとあし早くモデルチェンジしたトヨタの競合車が、これまでにも増して押し出しを強めてきたのと対照的だ。

原点回帰の新型ステップワゴン AIR(エアー)。ライバルであるトヨタ ノア/ヴォクシーのようなオラオラ顔ではなく、初代ステップワゴンのようなシンプルさと親しみやすさを前面に打ち出した

 歴代ステップワゴンの中でも、初代は販売台数が圧倒的に多い。当時は同じような成り立ちの有力ライバルもおらず、価格が控えめだったこともあって、売れに売れた。その延長上で全方位に発展させたのが2代目だ。

 思えば初代の登場から26年あまりで、ステップワゴンはずいぶんと変わったものだ。初代の頃は左側だけスライドドアとしていたのが、ライバルの動向もあって、3代目以降は今では常識の両側スライドドを採用しており、「低床」であることもアピールしている。

 ボディサイズは、5ナンバー枠内が基本だったのに対し、6代目はスパーダだけでなく全車が5ナンバー枠を超えた。

 5ナンバー枠がよかったという人もいるだろうが、弟分のフリードがいて兄貴分のオデッセイがなくなることから、こうなるのも納得ではある。これにより車内空間の余裕が増しているのは間違いなく、乗り込んでもその恩恵は感じられる。

 グレード体系は、長らくスタンダードとスパーダの2本立てだったところ、6代目ではグレード体系は、スパーダの上にはさらに「プレミアムライン」が設定され、スタンダードと「エア」と名付けてキャラが立てられた。

 シンプルでクリーンなデザインや明るい色調のインテリアの与えられたエアは6代目ステップワゴンのやさしいキャラクターを、より体現するかのようだ。

■伝統は守りつつ徹底的に走りと質感を向上させて6代目の驚き

 走りに関しても、いろいろ進化をとげてきた。当初は自然吸気の2L 直4エンジンと4速ATのみの組み合わせだったパワートレーンは、そのあとにいくつかのバリエーションを加えながら、5代目では1.5Lターボと本格的なハイブリッドとなり、6代目にはその改良版が搭載されている。

 いずれもドライバビリティがさらに向上し、アクセルワークに対するリニアさが増すとともに音や振動が低減するなど、洗練されたドライブフィールを実現しているのは乗ると明らかだ。

 シャシー関連の進化も想像以上だ。従来型よりトレッドが拡大して重心高が低くなったおかげでロールしにくくなることから、足まわりをこれまでほど固めなくても大丈夫になり、そのぶん乗り心地をよくすることができた。その恩恵は、後席に乗るとよりいっそう実感できる。

 これにはボディ剛性のさらなる向上やストロークの拡大ももちろん効いている。クルマの動きがより掴みやすくなったことと併せて、パワーステアリングのチューニングが見直されて、よりすっきりとしたフィーリングになった。

新型ステップワゴン SPADA(スパーダ)。試乗すると車内の静粛性の高さに驚かされる。エンジニアが最後の最後まで粘ってチューニングしたというハンドリングや乗り心地は歴代最上と言える出来だった

 回生のからむハイブリッドのブレーキフィールもかなり自然な仕上がりになっている。ドライバーにとっても同乗者にとっても極めて快適な走りを実現している。

 静粛性についても、パワートレーン自体の音の発生を抑えるとともに、特にリアから侵入する音への手当てを綿密に行なったとのことで、走行中に1列目と3列目でも苦にせず会話できるほどの静かさを実現していることにも驚いた。

 むしろ、あまりに静かになったことで、タイヤの発するノイズが目立ってしまうようになったそうだ。そのあたり、全体的に安普請だった初代の走りを思い出すと、本当に隔世の感がある。

 2代目ではいくぶん改善され、3代目以降は低床プラットフォームによるハンドリングのよさを積極的にアピールしてきたステップワゴンだが、その強みを内に秘めながらも、6代目では「#素敵な暮らし」のために黒子に徹するべく、やや方向性を修正したようだ。

 インテリアだって初代はかなり安普請な印象で、それでもまあ自分好みにアレンジするための「素材」としてはアリかなと当時は感じていたものだが、その後26年あまりで、これほどまで多くの機能が盛り込まれて見栄えもよくなるとは、思いもよらなかった。

 競合車やフリードでは跳ね上げ式のところ、床下収納式とした3列目シートも、すっかりステップワゴンの伝統のひとつになってきた。一部では好評だった5代目の「わくわくゲート」が廃されたのを惜しむ声もあるが、待望のパワーテールゲートがいよいよ採用されたのは歓迎だ。

 6代目が内容的には非常に充実していて、完成度の高い仕上がりであることは間違いない。その点では、初代が現役の時にどうだったか当時の水準で考えても、6代目はぜんぜん比べものにならないほどよくできている。

 では6代目が初代を超えられるかどうかというと、やはりどうしてもどれだけ売れたかという台数の話になるので、なかなか超えるのは難しい。いまでは同じ土俵の強敵に加えて、上にも下にも少なからず競合するライバルがいるので、大ヒットした初代のような印象的な売れ方をすることはよほどでなければないだろう。

 それでも、いまどきのコワモテだらけのミニバンの中で、やさしさあふれるステップワゴンもそれなりに存在感を発揮しそうな気がする。

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