現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【このクルマなんぼ?】かつて日本にあった世界最高の一台 メルセデス560 SEL AMG 6.0がオークションに 果たしてその落札価格は?

ここから本文です

【このクルマなんぼ?】かつて日本にあった世界最高の一台 メルセデス560 SEL AMG 6.0がオークションに 果たしてその落札価格は?

掲載 更新 13
【このクルマなんぼ?】かつて日本にあった世界最高の一台 メルセデス560 SEL AMG 6.0がオークションに 果たしてその落札価格は?

メルセデス560 SEL AMG 6.0がオークションで落札された。6.0リッターV8、豊富な高級感、35万マルク(約2,600万円)以上の高価格: このメルセデス560 SEL AMG 6.0は、かつて世界最高の車の一つだったのだ。

ボス。1980年代に「メルセデス560SEL」に乗っていた人は、みんなそうだった。「W126(ロングバージョンとしてV126と呼ばれる)」のトップバージョンは、当時のメルセデスの最高峰であった。1985年当時のベース価格は12万マルク(約900万円)を超えていた。それでも、普通の「560SEL」では物足りないという人がいたのだ。こうした顧客はAMGに頼ることができ、「560SEL」は高価なお金で「AMG 6.0」に改造された。専門家によれば、作られたのは100台にも満たないという。2022年12月10日にマイアミ(フロリダ州/アメリカ)で1台オークションに出品された。

【クラシック オブ ザ デイ】ドライビングプレジャー&ランナバウト 小さなフレンチマン シトロエンAX GTi 2分17秒の楽しい動画付き!

マイアミで開催されたRMサザビーズのオークションで、メルセデス560 SEL AMG 6.0は落札された。AMGコンバージョンは2桁の台数しか生産されず、その大半は海外に流出したと言われている。この「アンスラサイトグレーメタリック(カラーコード172)」の「V126」は、1989年に日本のAMGジャパンによってに納車された。

V8、6.0リッター、385馬力

改造の中心はエンジンのチューニングだった。標準の5.5リッターV8(M117)はAMGによって排気量6.0リッター(5956cc)にボアアップされている。さらに、2本のオーバーヘッドカムシャフトと専用の4バルブシリンダーヘッドが装着された。新しいエキゾーストシステムと触媒コンバーターなしとの組み合わせで、最高出力385馬力、最大トルク566Nmを実現した。

「560 SEL」に搭載された「M117」エンジンは、標準では最高出力300馬力、最大トルク455Nmを発揮した。「6.0」は290~300km/hを記録したといわれ、当時としては最速のクルマの1台であった。

しかし、エンジンのチューニングだけで当時は6万マルク(約450万円)以上かかっていた。厳密には、61,850.70マルク(約460万円)である。さらに、大型ブレーキシステム、リミテッドスリップデフ、改良型シャシー、今日の基準では非常に控えめなAMGボディキットが用意された。したがって、フル装備の560 SEL AMG 6.0は、当時35万マルク(約2,600万円)を超える価格となったのである。

今回出品されたモデルは、ペイントスターとポリッシュベッドを備えた3ピースのAMG Aero IIIホイールなどの改造が施されたもので、現在では非常に高価なものとなっている。インテリアでは、ブラックのフルレザーインテリア(リアシートヒーター付)やリアに折りたたみ式のテーブルを採用し、十分な高級感を演出している。テーブルの木製パネルには、既知の問題である広範囲なひび割れが見られる。

走行距離わずか62,189km

AMGオリジナルの4本スポークレザーステアリングホイール、ホワイトダイヤル、助手席前のトリムに貼られたAMGステッカーが、スポーティさを醸し出している。「560 SEL」は、直近では大規模なヤングタイマーコレクションの一部であったため、あまり運転されることはなかった。33年の歳月を経たにもかかわらず、現在の走行距離はわずか62,189kmだ。

希少なオールドスクールベンツは、最低価格なしで、オリジナルのツールセットと車載のすべての書類と文献を付けて提供されていた。しかし、最低価格がないからといって、「SEL」がお買い得になったわけではない。想定落札価格は90,000~120,000ドル(約1,260~1,680万円)と言われていたが、最終的な落札金額は257,600ドル(約3,600万円)にまでジャンプした。こんな特別な「メルセデス560 SEL AMG 6.0」に乗る人は、昔も今も、特別な限られた人なのだ。

Text: Jan Götze Photo: RM Sotheby’s

関連タグ

こんな記事も読まれています

全幅1.97mはデカすぎた!? 中身はよかったけど新規市場開拓ならず? 生産終了した[グランエース]に販売現場が思うこと
全幅1.97mはデカすぎた!? 中身はよかったけど新規市場開拓ならず? 生産終了した[グランエース]に販売現場が思うこと
ベストカーWeb
冷静貫徹のサービスパーク/贅沢すぎるデモラン/多くの著名人も来場【ラリージャパン写真日記最終回】
冷静貫徹のサービスパーク/贅沢すぎるデモラン/多くの著名人も来場【ラリージャパン写真日記最終回】
AUTOSPORT web
[発炎筒と発煙筒の違い]知ってた!? 車載するのはどっち!? 意外と知られていない発炎筒の基礎知識
[発炎筒と発煙筒の違い]知ってた!? 車載するのはどっち!? 意外と知られていない発炎筒の基礎知識
ベストカーWeb
96年前のル・マンで優勝したベントレーが東京を走った!「コッパ・ディ東京」に降臨した「オールド・マザー・ガン」とは?
96年前のル・マンで優勝したベントレーが東京を走った!「コッパ・ディ東京」に降臨した「オールド・マザー・ガン」とは?
Auto Messe Web
一番後ろまで段差ゼロ! いすゞの新型路線バス ついに量産開始へ 「市場が待ち望んでいた」モデル
一番後ろまで段差ゼロ! いすゞの新型路線バス ついに量産開始へ 「市場が待ち望んでいた」モデル
乗りものニュース
こちらも“5気筒500PS”級の新型SUVがテスト。週末は連覇王者がポール獲得で僚友が連勝/TC2000第11戦
こちらも“5気筒500PS”級の新型SUVがテスト。週末は連覇王者がポール獲得で僚友が連勝/TC2000第11戦
AUTOSPORT web
新型「GRヤリス」がマフラー交換だけでパワーアップ! 「スーパーターボマフラー/スーパーターボマフラー アーバンマットエディション」がHKSから同時発売
新型「GRヤリス」がマフラー交換だけでパワーアップ! 「スーパーターボマフラー/スーパーターボマフラー アーバンマットエディション」がHKSから同時発売
くるまのニュース
メルセデスAMG、4シーターカブリオレ『CLE』にワイドな専用エクステリアの“53 4MATIC+”を導入
メルセデスAMG、4シーターカブリオレ『CLE』にワイドな専用エクステリアの“53 4MATIC+”を導入
AUTOSPORT web
ニュル「7分37秒」切り アウディRS Q8 パフォーマンスへ試乗 RSシリーズ最強の640ps!
ニュル「7分37秒」切り アウディRS Q8 パフォーマンスへ試乗 RSシリーズ最強の640ps!
AUTOCAR JAPAN
ランボルギーニ「ウラカンGT3 EVO2」を応援する「JLOC AMBASSADOR」を紹介…コスチュームはひと目で分かる大胆トリコローレカラー!
ランボルギーニ「ウラカンGT3 EVO2」を応援する「JLOC AMBASSADOR」を紹介…コスチュームはひと目で分かる大胆トリコローレカラー!
Auto Messe Web
フェルスタッペン「ラスベガスは今季を象徴するような週末」これまでとは異なる価値を実感/チャンピオン会見 (1)
フェルスタッペン「ラスベガスは今季を象徴するような週末」これまでとは異なる価値を実感/チャンピオン会見 (1)
AUTOSPORT web
「厳しいシーズンを団結して戦ったことは誇り」フェルスタッペンも予想外の苦戦。転機はモンツァ/チャンピオン会見 (2)
「厳しいシーズンを団結して戦ったことは誇り」フェルスタッペンも予想外の苦戦。転機はモンツァ/チャンピオン会見 (2)
AUTOSPORT web
「イライラが和らぐ」とドライバーも支持。IMSA、GTDプロ/GTDをめぐるルール変更を発表
「イライラが和らぐ」とドライバーも支持。IMSA、GTDプロ/GTDをめぐるルール変更を発表
AUTOSPORT web
トヨタ版「CX-80」は“4人乗り”仕様! 衝撃的な「カクカクボディ」採用した“個性派デザイン”が凄い! マツダ「3列シートSUV」とは異なる“めちゃ未来”なモデルとは!
トヨタ版「CX-80」は“4人乗り”仕様! 衝撃的な「カクカクボディ」採用した“個性派デザイン”が凄い! マツダ「3列シートSUV」とは異なる“めちゃ未来”なモデルとは!
くるまのニュース
【F1第22戦無線レビュー(2)】「目的を見失うなよ」「自分のレースをしている」戴冠を見据え冷静に走り続けたフェルスタッペン
【F1第22戦無線レビュー(2)】「目的を見失うなよ」「自分のレースをしている」戴冠を見据え冷静に走り続けたフェルスタッペン
AUTOSPORT web
ACコブラ、なぜ「大波乱」を呼んだ? 1960年代の伝説的スポーツカー 歴史アーカイブ
ACコブラ、なぜ「大波乱」を呼んだ? 1960年代の伝説的スポーツカー 歴史アーカイブ
AUTOCAR JAPAN
【今さら人には聞けないEV生活の基礎知識】充電スタンドの種類や探し方、電欠しない充電の仕方など、基本中の基本をお教えします
【今さら人には聞けないEV生活の基礎知識】充電スタンドの種類や探し方、電欠しない充電の仕方など、基本中の基本をお教えします
Auto Messe Web
ニッサンFEがシミュレーター大手のDynismaと提携。競争力向上を狙い特注の新型システムを導入へ
ニッサンFEがシミュレーター大手のDynismaと提携。競争力向上を狙い特注の新型システムを導入へ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

13件
  • W126はこの世のあらゆる高級セダンの中でも一番好きやわ。
    カッコ良すぎ。
  • コピーエアロとホイールを付けたなんちゃってAMGもよく中古車雑誌で見たな
    あれみんなどこ行っちゃったんだろ?海外にもっていかれたのか
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

421.0552.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

99.099.0万円

中古車を検索
90の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

421.0552.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

99.099.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村