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【世界の長寿車ベスト6】80年以上もモデルチェンジしていないクルマがあった

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【世界の長寿車ベスト6】80年以上もモデルチェンジしていないクルマがあった

国民車として支えてきた歴史的背景を見る

 自動車における”長寿”には、モデルチェンジを重ねながら同じ車名で長く生産・販売が続けられるクルマと、小規模の改良を経て進化しながらも、基本ボディはそのままに生きながらえて行くクルマ、の2通りが考えられます。

また会う日まで。独の大衆車「VWビートル生産終了」 約80年の軌跡を辿る

 国内で見た場合、前者の好例は1955年に初代モデルが誕生し、当初はトヨペット・クラウンと呼ばれていたトヨタ・クラウン。一方後者の例では、先日行ばわれた天皇陛下の即位を披露する祝賀御列の儀で、パレードに使用されたトヨタ・センチュリーが知られています。パレードに使用した御料車は3代目の現行型ですが、67年に登場した初代は96年まで、実に30年におよぶ長いモデルライフを全うしました。

 ここでは世界に目を向けて、基本ボディがそのままの、モデルライフの長いクルマを紹介していきましょう。

・モーガン 4/4(84年間)

 みんなによく親しまれてきた”フォルクスワーゲン・タイプ1″の60年を超えるモデルライフには驚かされますが、実はさらに長いモデルライフを誇る、超長寿車。それはイギリスのライトウェイトスポーツカーとして根強い人気を誇っている「モーガン 4/4」です。

 戦前の1936年に誕生し、昔ながらのハンドクラフトで現在も生産が続けられています。イギリス国内では自動車メーカーの合従連衡が繰り返されましたが、1912年に設立されたモーガン・モーター・カンパニーは、創業した当時からずっと、創業者一族による家族経営が続けられています。

 4/4は、会社設立当初から生産されてきたフロント2輪/リア1輪の3ホイーラーを、市場の声に沿って4輪車に仕上げたタイプ。ボディに一部に木材を使用し、人の手によって1台1台が仕上げられる希少なモデルで、日本国内でも正規ディーラーは存在しますが、ホームページによると”4/4″の新規オーダー分はすでに終了とアナウンスされていました。(1936年~現在)

・VW Type1″VWビートル”(63年間)

 モデルチェンジもせず、脈々と生産が続けられたドイツの国民車と言えば、フォルクスワーゲン。ビートルとか“カブトムシ”の愛称で多くのファンに愛されたモデルですが、正式名称は”Volks-Wagen Typ1″とされています。

 フェルディナント・ポルシェ博士が、ヒトラーのサポートを受けて設計・開発。戦前にいくつものプロトタイプが試作され、戦時中の41年には市販モデルを完成させました。

  ただし、”KdF-Wagen”と呼ばれたそのクルマは市販されることなく、支配階級のオーナーのもとに届けられた例外を除けば、多くが軍用車にコンバートされてしまいました。戦後、敗戦国となった当時の西ドイツで、工場の管理に当たった英国軍将校が、KdF-Wagen(後のVWビートル)がドイツの復興に役立つと判断して工場を存続。結果的に、今に続くVWの発展とドイツの復興に寄与することになったのです。

 78年にドイツ本国で生産終了しますが、その後もメキシコやブラジルで継続生産。03年にメキシコでの生産を終えるまで、進化を重ねながらも基本構造を変えることなく、実に63年間に渡っての長寿車となったのです。

 ビートルはその後、VWゴルフをベースとしたFF車としても3代目までのブランドを続けてきましたが、今年生産を終了したのは記憶に新しいことですね。(1941年~2003年)

・ヒンドゥスタン・アンバサダー(55年間)

 生まれ故郷の英国を離れ、第2の故郷となったインドで長寿車になったモデルが「ヒンドゥスタン・アンバサダー(Hindustan Ambassador)」です。

 1956年に英国で誕生したモーリス・オックスフォード Sr.IIIがベース、と言うよりもその生産設備を購入したインドのメーカー、ヒンドゥスタン・モーターズがインドの国民車として59年に生産を開始したのが、誕生の経緯。63年にMk2、75年にMk3、79年にはMk4へと進化。最終的には日本のいすゞ製1.8Lエンジンを搭載していました。

 インドの経済発展を支えた国民車ですが、皮肉なことに経済が発展し、国民に経済的な余裕が出てくると”古臭い”と言われるようになり(特に若い世代)、2014年に生産中止となりました。(1959年~2014年)

・VW Type2″VWミニバス”(47年間)

 前述のVWビートルをベースに誕生した、VWミニバスとして知られる正式名称”Volks-Wagen Typ2″も、長いモデルライフを全うした1台です。

 そもそもはVWビートルのプラットホームをベースに、工場内での運搬車を製作。「商品化しては?」とのアイデアから誕生した経緯があります。

 1967年に登場した2代目に当たる”T2″は2013年にブラジルで生産終了まで、47年間も作り続けられてきたご長寿車。1950年に登場した初代モデルのT1とT2ではモデル違いとは言うものの、パッケージは共通していてキャリーオーバーのコンポーネント/パーツも少なくないため、T1とT2を合わせて初代モデルとする論もあり、この論に依れば、初代のモデルライフは64年間となり、兄貴分であるVWビートルをも上回ることになります。(1967年~2013年)

・ラーダ・ニーヴァ(44年間)

 趣味性の高い4輪駆動車として人気の「ラーダ・ニーヴァ(Lada Niva)」もご長寿モデルのひとつ。ラーダ・ニーヴァと言うのは輸出名で、ロシア本国では”ジグリVAZ2121″と呼ばれています。登場したのは1976年の冬.。当時はまだ旧ソビエト連邦が崩壊する前で、”ソ連自動車公団”がリリースしていました。

 現在、ジグリで生産されている他のモデルと同様に、ベースとなったのはフィアット124のセダン。現在でもオンロード性能などは決して高くはないものの、シベリアのように広大でしかも豪雪に覆われたエリアで鍛えられただけあって、4輪駆動システムによるオフロードの走破性は高評価を得ています。

 今世紀に入りGMとの合弁で誕生した”GM-アフトヴァース”からは、モダンなボディの「シボレー・ニーヴァ」が登場していますが、本家のラーダ・ニーヴァも76年に登場して以来、根強い人気で現在も生産が続けられています。

 ちなみに、今年に入ってシトロエン2CVの43年間と言うモデルライフ記録を上回り、今はトップ5につけています。(1976年~現在)

・シトロエン 2CV(43年間)

 というわけで、フランスの「シトロエンの2CV」の登場です。デビューは終戦間もない1948年ですが、戦前から開発が進められていました。経営破綻したシトロエンに、支援者であるミシュランから副社長として乗り込んできたピエール・ブーランジェが発案した『TPV=超小型軽量で廉価なクルマ』を具現化したもの。第二次世界大戦の開戦前、1939年には試作車が完成していました。

 しかし、この”TPV”をナチスの手に渡らせないよう、試作車の多くが破壊され数台は工場の壁の中に塗りこめられました。そして戦後には開発が再開され、48年のパリ・サロンにおいて新型車として発表されたのです。

  発表会では、その奇抜すぎるデザインに対して嘲笑が巻き起こったと伝えられましたが、何事においても合理性を求めるフランスの一般大衆には好意的に受け取られ、国内の津々浦々まで繁殖することになりました。

 しかし流石に80年代に入ると衝突安全や排気ガス浄化の締め付けが厳しくなり、88年にフランス本国で生産を終了。さらに90年にはポルトガル工場での生産も終了しました。(1948年~1990年)

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