マツダは5月24日、コンパクトハッチバックとセダンのアクセラをフルモデルチェンジし、世界共通のモデル名である「マツダ3(マツダスリー)」に改名して発売しました。新世代商品の第一弾に位置づけられるマツダ3は、内外装のデザイン、質感はもちろんのこと、多くの改良や新技術を盛り込んできましたが、その注目ポイントをまとめてみました。
独自技術で開発した世界初のガソリンエンジン
ガソリンエンジンの伸びの良さと、ディーゼルエンジンの優れた燃費やトルク、応答性といった特長を融合し、環境性能と走行性能を高いレベルで両立させたという「スカイアクティブX」を初採用。「SPCCI(Spark Controlled Compression Ignition:火花点火制御圧縮着火)」と呼ばれるマツダ独自の燃焼方式を実用化した世界初の内燃機関です。マイルドハイブリッドを組み合わせることで、燃費性能をさらに一段引き上げたと謳われていますが、搭載グレードの販売開始は10月以降ということで詳細スペックは未定となっています。
運転支援装備を強化、コネクテッドサービスも開始予定
ドライバーの表情の変化や視線の動きなどから居眠りやわき見などを検知して危険を知らせる「ドライバー・モニタリング」、高速道路での渋滞時に先行車との車間距離を一定に保つ追従走行に加え、車線を検知している場合は車線のほぼ中央を、検知できない場合は先行車の走行軌跡に沿ったステアリングアシストを行う「クルージング&トラフィックサポート」、見通しの悪いT字路などの死角から接近してくる車両を検知して知らせる「前側方接近車両検知」などを新設定。またマツダ3からは車載通信機が搭載され、今後サービス開始を予定しているコネクテッドサービスの利用も可能になります。
スピーカー配置にこだわった新オーディオシステム
音の伝わり方と人間特性を研究してスピーカーの配置に着目したという新オーディオシステム。実際にマツダ3の車内で体感したというオーディオに詳しい編集によると「Cセグメントモデルの標準オーディオで感心させられたのは初めてかも」というほどの高評価。標準オーディオのスピーカー自体は普及品でありながら、適正な配置場所を徹底的にこだわって開発したというあたり、マツダらしさが現れた新装備と言えるかもしれません。
魂動デザインを深化させた新デザイン
最後にデザインです。短めに言ってしまいますとセダンは伸びやかさ、ハッチバックは塊感を意識したという2つの個性をもつエクステリアですが、どちらにも感じられたのは「引き算の美学」で不要な要素を削ぎ落としたことで生まれた独特の雰囲気でした。サイドのキャラクターラインが廃されたことで、ぱっと見は非常にシンプル。ただ、立ち位置を変えながらよく見てみると、光の当たり方でボディのうねりが変化し、いつまでも見飽きないから不思議です。また内装は明らかに質感が向上しており、どこに触れても柔らかな感触を伝えてきます。とはいえ、デザインは好みがありますのでぜひ実車で確かめてみてください。
他にも車両構造技術の「スカイアクティブ ビークル アーキテクチャ」や、車両運動制御技術の「スカイアクティブ ビークル ダイナミクス」などにも多彩な改良が加えられているマツダ3。年内にはマツダ3ベースのコンパクトSUV「CX-30」の発売が予定されていますが、来年以降に順次モデルチェンジされる新世代商品群にも注目していきたいと思います。
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