2018年6月21日、マツダの商用車、「ファミリアバン」がフルモデルチェンジを行い発売開始。同車は乗用車のファミリアとは中身を別とするモデルで1994年から他社からのOEM供給を受ける形で販売が続けられていた。今回のモデルチェンジは実に11年振りとなるが、なんとも珍しい形での登場となった。
日産からトヨタのOEM車へ“華麗なる転身”
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こちらは先代ファミリアバン。日産 NV150 ADベースのOEM車で2006年に発売
これまでファミリアバンは1994年以降、長らく日産 ウイングロードの商用車版「NV150 AD(旧ADバン)」のOEM供給を受ける形で販売を続けていた。
ところが、今回発売された新型ファミリアバンは、トヨタ プロボックスのOEMへと転身。冒頭で触れたとおり、「同じOEM車の供給元メーカーが変更される」という珍しい形でのモデルチェンジとなった。
新型ファミリアバンの特徴は?
プロボックスベースとなった新型ファミリアバン
新型ファミリアバンの特徴は主に以下のとおり。
まずはプロボックスベースとなったことで、トヨタ セーフティセンスCに準じ、「プリクラッシュセーフティシステム」、「レーンディパーチャーアラート(車線逸脱警報)」、「オートマチックハイビーム」等の安全技術を全車に標準装備。
また2WD車は、アイドリングストップ機能の採用などにより19.6km/Lの燃費を実現。エコカー減税の減免対象となった。
さらに、多彩かつ機能的な収納スペース、荷物の積み降ろしが容易な荷室など、日常の使い勝手に配慮した機能・装備は基本的にトヨタ プロボックスに準じた内容だ。
そもそも、これまで旧ファミリアバンのベース車だった日産 ADバンの登場から10年以上が経過しており、そうした意味でも新型ファミリアバンは、大幅に性能向上を果たしたといえる。
なぜファミリアバンはトヨタ製に?
インパネもプロボックスと基本を同一とするが、ステアリングにはマツダエンブレムが燦然と輝く
今回、フルモデルチェンジでファミリアバンがトヨタ製に変更されたのは、2017年にトヨタとマツダ間で締結した業務資本提携のため。
この提携の合意書には、「日本においてトヨタからマツダに小型商用2ボックスバンを供給いたします」と記されていて、まさにこれが実現した形。
ちなみに、マツダがトヨタからOEM供給を受けるのは史上初。今後は、マツダエンブレムを付けたプロボックスが街なかを走る、ちょっと新鮮な光景が見られるかもしれない。
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