■ブレーキを踏んで加速する確率は「1200億km分の1」?
ネットなどで「上級国民」と称される旧通産省工業技術院の元院長 飯塚幸三被告(89)の公判が、2020年12月14日に東京地裁で開かれた。
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驚くべきことに弁護側は冒頭陳述で「ブレーキペダルを踏んだが減速しなかった」と主張した。事故は車両側の故障に原因があって無罪だということです。したがって運転していた自分に責任は100%無いということ。
もしこういった主張が通るのなら、毎日発生している事故の多くで「クルマにトラブルあってドライバーに罪無し!」といい出す輩も出てくることだろう。
はたして検察側は立証出来るのだろうか? それとも飯塚被告が「私のミスでした」と自白するまで罪を問えないのだろうか? 以下、クルマの専門家(国沢光宏)の立場から考えてみたい。
そもそも論として、クルマは安全に走れるよう作られている。日本だけでも毎日1000万台規模のクルマが稼働しています。
飯塚被告の2代目トヨタ「プリウス」だけで約119万台も販売されており、それぞれ10万km走ったとして約1200億kmに達する。同じような事故が起きていないため、池袋でブレーキ踏んで加速したのは1200億km分の1ということ。
したがって「ブレーキを踏んだのに加速した」という証明をしなければならないことは、極端にクルマ嫌いの裁判官なら認識していると思う。
もちろん弁護側が突拍子も無いことを主張するのは民主主義だから自由です。ただし「ブレーキを踏んだのに加速した」という立証をしない限り、飯塚被告側の主張は荒唐無稽ということになる。
そのうえで2代目プリウスのブレーキシステムを考えてみたい。
弁護側は電気系統のトラブルでブレーキが利かなかった可能性は否定できないと主張し、その根拠に専門家(元自動車メーカー技術者だと思う。わたしは全く認めない内容)の意見書を提出。「経年劣化による電子部品のトラブルの可能性がある」といい張る。
この専門家、プリウスのブレーキシステムが理解出来ていないようだ。
■飯塚被告が「ブレーキを踏んだ」と主張する背景とは
2代目プリウスのブレーキは確かに回生と油圧を協調制御するため、ブレーキペダルは単なるスイッチになっている。電子部品のトラブルで効かなくなる可能性もあります。
ただし! そんなことはトヨタも国土交通省もわかっている。電子部品が壊れたときのバックアップシステムを持つ。
ブレーキを踏んで減速しなければさらに踏み込む。するとバックアップの機械式ブレーキが物理的に機能します。杖を使わないと歩けない高齢者だとブレーキロックさせるほどの急ブレーキにこそならないまでも、普通に減速出来るようになっています。
またブレーキとアクセルは別系統。ブレーキが壊れたのと同時にアクセル全開になる確率は天文学的です。
目撃者によればブレーキランプがついておらず、記憶だと加速していたという。ブレーキランプは、これまた別系統になっており、ブレーキペダルを踏めば点灯する。これも同時に壊れる可能性を計算すれば「ありえない」。
そもそも加速していたということはブレーキじゃなくアクセルを踏んでいたことにほかならない。
本来なら、弁護士がもう少しクルマの勉強をして「車両のトラブルはあり得ないから運転ミスを素直に認めて減刑を嘆願しましょう」という方向に持っていくべきだろう。
おそらく飯塚被告が「絶対にブレーキを踏んだ」といい張り、弁護士も「これは面白い事案だ」と乗っかった? 実際、これだけ報道されていますから弁護士も宣伝になるでしょう。
百歩譲って被害が物損程度なら、こういった争いも意味があると思う。けれどこの事故は亡くなった方も大けがをされた方もいます。遺族の感情だってある。
もっといえば、こんなデタラメの言い訳が通用しているということ自体、社会システムを混乱させます。裁判所は「全く話にならない。証拠全て却下!」くらいの毅然とした姿勢を見せて欲しいです。
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