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「ハンズ・オフOK!」なBMWを買ったら「カメラの精密検査」を受けてみたい、その理由【自動車整備に異変アリ】

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「ハンズ・オフOK!」なBMWを買ったら「カメラの精密検査」を受けてみたい、その理由【自動車整備に異変アリ】

BMWの上級モデルたちが、日本で初めて一定条件下での手放し運転を可能としてから、早くも3年が経った。中古車市場でも値ごろ感が出始めるタイミングかもしれない。もっともその恩恵を安心して受けるためにはやはり、どこかのタイミングで一度は、安全運転支援機能にまつわるシステムをしっかりチェックしておいた方がいいかもしれない。

日本初「ハンズ・オフ機能付き」モデルが登場してから3年経った
2022年9月、BMWの3シリーズが大幅改良を受けて、さらに魅力的に進化した。中でも、機能面での進化のひとつとしてピックアップされているのが、BMWが日本で初めて公道での使用認可を受けた「ハンズ・オフ機能」の搭載だ。

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SAE(Society ofAutomotive Engineers)規定に則れば「自動運転レベル2」相当だけれど、ハンドルを常に握りしめていなくてもいい、という意味では、ACCやLKAにプラスαの機能が備わっていることになる。いわば「レベル2.5」と言ったところか。これでよそ見(アイズオフ機能)が許されれば、立派に「レベル3」になれるかもしれない。

そんな進化型レベル2機能となるハンズ・オフだが、BMWが日本市場向けモデルに搭載を始めたのは2019年からだった。搭載に関するリリースは春先の3シリーズMCあたりから発表されていたが、本格的な搭載を宣言したのは同年夏の初め頃に発表された新型のフラッグシップSUV「X7」から。つまり、2022年秋には、すでに3年ほどが経つ計算になる。

【ハンズ・オフ機能を使うにはいろいろ条件がある:BMW X7リリースより(2019年6月24日】
これらのモデルにはBMWが国内認可取得モデルとして初めて導入したハンズ・オフ機能が搭載される*1。「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」とは、高速道路*2での渋滞時において、ドライバーの運転負荷を軽減し安全に寄与する運転支援システムである。この機能は、ドライバーが絶えず前方に注意するとともに、周囲の道路交通や車両の状況に応じて直ちにハンドルを確実に操作することができる状態にある限りにおいて、ステアリングから手を離して走行が可能*3となる。
注釈>
*1:顧客の要望に応じて、7月より当該機能を有効化するソフトウエアを提供する予定。
*2:高速自動車国道法に定める高速自動車国道、及び指定都市高速道路に分類される道路が対象。
*3:SAE International(Society of Automotive Engineers)が定めるレベル2の段階であり、自動運転ではなく、前方注視が必要となるなど、ある一定の条件が必要。

中古車の場合、キャリブレーションがズレている可能性も
しかもBMWはX7を皮切りに2019年夏以降から、3シリーズ以上の各モデルに順次、同じ機能の搭載を本格化(工場生産オプションもしくは販社アクセサリーとして提供)している。つまりこの頃からBMW車の多くは、非常にレベルの高い運転支援機能を備えているモデルがある、ということだ。それから3年を経た今、そろそろ中古車が普通に市場に流通し始めても不思議ではないだろう。

もちろん、この機能がちゃんとついているかどうかは確認したほうがいいけれど、どうせ買うなら同年夏以降に製造されたモデルをまずは選ぶべきだと思う。高速道路で速度が60km/h以下、先行車がいる・・・という「渋滞時」対応に限定されてはいるものの、神経を使うシーンだからこそストレスのかかり方が違ってくるはず。長距離ツーリングでは疲れを軽減してくれるものだし、結果的に安全な移動につながってくるからだ。

購入時にひとつ注意したいのが、レベル2相当の運転サポートを支えてくれるセンサー類の精度確認だ。認定中古車なら安心感はもちろん高い。だが前オーナーが軽くでも改造していたものを純正仕様に戻していたり、大きな事故ではなくてもバンパーやガラス交換を行っていたりすると、カメラを始めとするセンサー類が正確にキャリブレーション(基準点を調整する作業)されていない可能性もありうる。

なにしろBMWのハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能は、カメラだけでも車両周辺監視用、中距離検知用、長距離検知用の3種類でサポートされている。レーダーやLiDAR、超音波センサーといったセンサー類との組み合わせによって、悪天候にも対応しうる能力を確保しているのだ。

そうしたセンサー類の感知に齟齬があったとしたら、安心してクルマの自律的制御に頼ることなどできるはずもない。そもそもハンズ・オフに限らず、衝突被害軽減ブレーキを始めとする先進安全運転支援機能は、けっして万能ではないのだ。

「先進的整備技術」の存在を知っておこう
少し前の調査レポートになるが、2018年に独立行政法人 国民生活センターが発表したデータによれば、先進安全装置の不具合に関する一般ユーザーからの相談件数が、年々増加しているという。オーナーに対するアンケートでは、2割が実際に「想定外のトラブル」に見舞われ、うち2割が物的損害を被っている。5年前ですでにその状態なのだから、さらに普及が進んだ今はもしかすると、さらにトラブルが増えているかもしれない。

繰り返しになるが「ハンズ・オフ機能」はとても便利だし今後、BMWに限らず様々なブランドで、ますます適用車種は増えていくことは間違いない。たとえばフォルクスワーゲンは、その関連会社Cariadがドイツの大手自動車サプライヤーBOSCHとともに、全車種向けに手放し機能を展開する計画を明らかにしている。

2023年からの搭載を目指したこの動きは、高級車だけでなくいわゆる「大衆車」クラスにもレベル2の自動運転機能が搭載される流れを生み出すことだろう。しかもBOSCHのハンズ・オフは、高速道路だけでなく都市部や郊外でも使用可能なものになる、と言われている。ここ数年で新車だけでなく、中古車市場におけるレベル2機能搭載車の存在感は、一気に拡大する可能性を秘めている。

そうなった時に愛車の安全性能をしっかり担保する責任を負うのは、オーナーに他ならない。だからこそ、トラブルにつながりかねない不安要素は、しっかり取り除いておきたい。便利な機能を日常的に安心して使い続けるために、これまでとは違った「機能に対する心配り」が必要なのはそのためだ。

各種のカメラを始めとするセンサー類のキャリブレーションには、設備や環境が整い、高度な機能を適切にチェック、調整できるノウハウを持ったプロショップに任せるのがもっとも安心だ。作業の記録を明記した「エビデンス」を提供してくれる業者なら、なお良い。

ホンダ・レジェンドのように、SAEレベル3の自動運転機能が認可されるケースも出てきた。中古車選びでも技術の進歩の恩恵をしっかり受けるために、「ADASエーミング」や「OBD診断」といった、先進安全機能の信頼性を担保してくれる整備技術を持ったプロショップがあることを、覚えておいて欲しいと思う。

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