FIA F2の第13ラウンド、モンツァ戦のフィーチャーレースが行なわれ、オリバー・ベアマン(プレマ)が優勝した。岩佐歩夢(DAMS)は15番グリッドからのスタートだったものの、貴重な2位表彰台を手にした。
ポールポジションからスタートしたのは、ランキング首位のテオ・プルシェール(ARTグランプリ)。ランキング2番手でスプリントレースを優勝したフレデリック・ベスティ(プレマ)は8番グリッドにマシンを並べた。逆転でのタイトルを狙うランキング3番手の岩佐歩夢は、15番グリッドと厳しい位置からのスタートとなった。
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プルシェールは無難なスタートを決め、ターン1にホールショットを決めた。一方後方では、岩佐がターン1の飛び込みでタイヤをロックさせ、白煙を上げるシーンが見られた。
ただプルシェールの首位のポジションは安泰ではなく、プレマのオリバー・ベアマンがロッジアまでにプルシェールをオーバーテイクし首位に浮上した。ただもう1台のプレマのマシンであるベスティは、1周目にローマン・スタニャク(トライデント)に押し出される形で芝生に右タイヤを落としてしまいスピン。バリヤにぶつかり、ここでリタイアとなった。タイトル争いをするベスティにとっては、痛すぎるリタイアである。
この事故によりセーフティカーが出動。岩佐はこの間に13番手までポジションを上げた。
4周目からレース再開。ベアマンが好スタートを切り、プルシェールとの差を一気に開いた。
7周目のターン1では、DAMSのアーサー・ルクレールが止まりきれずにコースオフし、マシンを停めた。これでこのレース2回目のセーフティカーが出動。すでに6周目を超えていたため、スーパーソフトタイヤを履いてスタートしていたマシンがピットに飛び込み、タイヤ交換義務を消化した。
ミディアムタイヤを履いてスタートしたドライバーはステイアウト。これで首位はユアン・ダルバラ(MPモータースポーツ)。ジャック・ドゥーハン(ヴィルトゥオーシ)が2番手となった。その後ろ3番手には岩佐が続いた。
4番手アイザック・ハジャー(ハイテック)まではステイアウトし、その後方にはタイヤ交換を終えたベアマン、プルシェールら上位勢が続く形となった。
12周目からレース再開。ただ後方では、ゼイン・マローニ(カーリン)がロイ・ニッサニー(PHM)に追突されてコントロールを失い、クラッシュ。マシンを大破させてストップした。その間に岩佐は、ダルバラとドゥーハンを抜き、一気に首位に立った。後にニッサニーには、ドライブスルーペナルティが科された。
この直後にセーフティカーが出動。このレース3回目である。メインストレートでクラッシュが起きたため、隊列はピットレーンを通る形となった。ステイアウトしていたうち3台はこれを好機と見て、タイヤ交換を実施。岩佐は作業に手間取ってしまい、ダルバラに先行を許し、10番手に下がった。ドゥーハンはここではタイヤ交換を行なわなかったが、セーフティカー出動が宣言される前にベアマンに抜かれて2番手となった。
16周目からレース再開。ベアマンがタイヤの利を活かしてドゥーハン以下との差を広げていく。プルシェールは18周目にようやくドゥーハンを抜いて2番手に浮上した。
そんな中、5番手を行くヴィクトー・マルタンス(ARTグランプリ)にはDRSが開きっぱなしになってしまうというトラブルが発生。これでオレンジディスクフラッグが振られ、ピットインを余儀なくされた。岩佐はこのマルタンスの脱落、さらにはリチャード・フェルシュホー(VAR)をオーバーテイクしたことで、7番手に浮上した。
23周目、5番手を争っていたジャック・クロフォード(ハイテック)とクシュ・マイニ(カンポス)が接触。クロフォードはリヤタイヤをパンクさせ、マイニはマシンを止めてリタイア。これでこのレース4回目のセーフティカーが出動することになった。
この間にドゥーハンとダルバラがピットイン。ダルバラは2回目のタイヤ交換である。岩佐はタイヤを換えずにステイアウトを選択したことで3番手に浮上した。
27周目からレース再開。岩佐はタイヤが厳しい中、リスタート直後のターン1でプルシェールをオーバーテイクし、2番手に浮上した。
岩佐に抜かれたプルシェールはペースが上がらないか、フェルシュホーから厳しいプレッシャーをかけられる。この間に岩佐はなんとか差をキープし、周回を重ねていった。
そんな中、クロフォードがコース脇にストップし、バーチャル・セーフティカーが宣言され、その後このレース5度目のセーフティカーに切り替えられた。そしてレースは再開されることなくそのままフィニッシュ。ベアマンが優勝し、岩佐が大殊勲の2位フィニッシュを果たした。3位にはプルシェールが入っている。
岩佐はこれで、ランキング3番手を堅持。残すは最終ラウンドのアブダビ戦のみ。ランキング首位のプルシェールとは39ポイント差、2番手ベスティとは14ポイント差である。
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