WTCR世界ツーリングカー・カップのeスポーツシリーズ『pre-season Esports WTCR』の第2戦スロバキアリンク決勝が4月20日(月)に開催され、M1RA Esports team所属のゲルゲ・バルディ(ヒュンダイi30 N TCR)が開幕戦に続いて連勝。レース2もRed Bull Racing Esportsのベンツェ・バーンキ(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR)が制し、プロゲーマー勢が連勝を飾っている。
開幕戦ハンガロリンクに続き、この第2戦に向けても14日(火)まで予選セッションが催され、厳しいセッションを勝ち抜いたシムレーサー20名と現役WTCRドライバー11名の計31名がエントリーして決勝2ヒートが争われた。
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開幕戦でも勝利を飾った2019年Esports WTCRチャンピオンであるバルディは、ドイツ出身のWilliams Esports Cupra所属モリッツ・レーナー(セアト・クプラTCR)や、同じくクプラをドライブするハンガリー出身のアダム・ピンチェス(セアト・クプラTCR/Triple A Esports)らを押さえてポール・トゥ・ウインを達成。開幕オープニングのレース1に続き、シリーズ2勝目をマークした。
一方、現役WTCRドライバー勢も第2戦にしてアジャストが進んだか、ALL-INKL.COM Münnich Motorsportのエステバン・グエリエリ(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR)がトップ10に食い込む9位でシングルフィニッシュ。リアルドライバー勢で初のEsports WTCRシリーズポイントを獲得した上、トップ10リバースのレース2に向けフロントロウの好位置を確保した。
注目のセカンドヒートのスタートでは、前戦10位のマーティン・バーナ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/Virtualdrivers By TX3)がリバースポールから発進したものの、すぐさま首位を奪ったのは前戦8位からセカンドロウ好発進を決めた2018年Esports WTCR王者のバーンキで、2台はテール・トゥ・ノーズを保ったまま後続を引き離し、徐々にデュエルの体制へと持ち込んでいく。
■リアルレーサーでも簡単ではないeスポーツ
一方でWTCRファンの期待を一身に背負ったグエリエリも、レース序盤まで表彰台スポットを確保する力走を見せたが、後方から執拗なプレッシャーを掛け続けていたドイツのGT4ドライバー、ティム・ハイネマン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)とのバトルに敗れ、残りわずか2周の時点でプッシングを受けワイドラン。
このアクシデントが響いて最終的にトップ10圏外の11位までポジションを下げる痛恨の結果となるが、それでも2戦続けてWTCRレギュラー勢最上位の地位は確保。13位にシム出身の現WTCR王者ノルベルト・ミケリス(ヒュンダイi30 N TCR)、14位にマット・オモラ(ヒュンダイi30 N TCR)と、リアルレーサーたちも徐々に最新eスポーツでの競争力を改善しつつある結果となった。
「レース中は彼(ティム・ハイネマン)から何度もヒットされ、少し複雑な感情も抱えている」と、レース後にはその作法に少々の不満も表明したグエリエリ。
「もちろん、仮想空間で初の表彰台が目前だったわけだからね。それが突然、背後から大きな衝撃を喰らってマシンがグラスエリアに飛び出し、気がつけば11位でチェッカーをくぐることになった」
「でもこの経験は良かったよ。僕自身に対しても、この世界ではより高い集中力や注意を必要とすることを学べたからね。第2戦に向けても多くの準備を重ねてきたし、それも楽しかった」
「そして今はできるだけeレーサーたちに近づけるように努力しているし、その方法を懸命に探しているところだが、どうやらそれほど簡単な話じゃなさそうだね」
この第2戦スロバキアリンクを経て、全4戦予定の『pre-season Esports WTCR』はバルディがランキング首位に浮上。レーナー、バーンキのトップシムレーサーふたりが追う展開となっている。
続く第3戦は中国・寧波のインターナショナルサーキットが舞台となり、こちらもすでにタイムアタックを実施中。4月28日が予選最終日となり、5月4日に決勝の模様がライブストリーミングされる。
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