ウェット性能は高いが耐久性が課題か、来季には早くも改良型が投入される予感
激戦区として知られる、「GAZOO Racing 86/BRZ Race」のクラブマンシリーズに挑んで、2戦目のネクセンタイヤ。10月27日に開催された鈴鹿サーキットが舞台の最終戦。わずか2戦とはいえレースを戦って、得るものはあったそうだ。ネクセンタイヤ『SUR4G』を装着したドライバーとレースサポートの担当者にインタビューを敢行した。
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GAZOO Racing 86/BRZ Raceも早いもので、これが最終戦。前回のもてぎ戦に続き、今回の鈴鹿ラウンドには、「GTNET車検Aim 86NX」をドライブする丹洋平選手がネクセンタイヤを装着して参戦した。
まず予選だが、それまでの練習、そして後の決勝レースもドライコンディションの中での走行だったのに対し、当日朝まで降り続いた雨によって、セミウェットと言うべき状態になっていた。ライン上はかなり乾いていたものの、少しでもラインを外すと濡れたまま、それで40台以上が走るという状況において、経験の浅い丹選手にはあまりにも酷な条件ではあった。しかも、鈴鹿での練習経験はあっても、実戦は初めてであっただけに……。
その上、計測中に赤旗中断もあって連続周回もかなわず。そのため、丹選手は2つある予選グループの1つで32番手に留まって、クラブマンBレースの23番手として決勝レースに挑むこととなった。「悪い路面状態の中ではよく走れたかなと。濡れているんですけど、安定してブレーキも踏めましたし、コーナリングも安定していたので、危ないシーンはなかったです」とは、丹選手。
その走りを車載映像で分析して、アドバイスを授けていたGTNETの尾本直史代表によれば、「荷重をかけた時とかけない時のグリップ変化が、まだコース特性を完全には理解していないので、出しては行けないところでアンダーステアを出しがちだった。そこをうまく走りながら、タイヤの良さを引き出していけたら……って感じでしたね。あと、クルマに関しても、もっとタイヤに合わせて作らなくちゃいけないっていうのも感じましたね」という。
さて決勝レースは、やはり不慣れな鈴鹿ということで、36位という結果に終わっている。尾本代表曰く、「まぁ、仕方ないですね。今後もっと練習させてあげようと思います」とのこと。ただ、気になったのは自己ベストを3周目に記録した後、タイムの落ちこみが予想以上に多かったことだ。そのあたりを踏まえつつ、ネクセン本社から本レースのサポートを依頼された金光浩さんに、ここまでの2戦の印象も語ってもらうこととした。
「正直言って、あまりに準備不足というのがあって、結果にはつながりませんでした。とはいえ、来年から本格的に参戦するにあたり、今年のうちに途中参戦ではありましたが、86/BRZ Raceの感触を、どういうレースなのか理解できたという意味では、収穫は十分あったと思います。来年からはもっとしっかりした体制で、ネクセンとしても力を入れて参戦したいと思っていますので。他のメーカーのタイヤと比べて、全体的に足りないところがありました。特に耐久性能ですね。最初のうちは良かったんですが、ドライバーさんからも3ラップぐらいから厳しくなったとの指摘もありました。そのあたりしっかり研究して、来年に向けてどういう形にするか考えていきたいと思います。今後にご期待ください」と金さん。
改良が施されたニュースペックのタイヤが投じられるであろう、来たるシーズンが大いに楽しみである。
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