ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、来季からサテライトチームであるペトロナス・ヤマハSRTに移籍することが、まだ正式発表こそされていないものの、ほぼ間違いないと見られている。
そのロッシは、先日ヘレスで行なわれたアンダルシアGPで3位表彰台を獲得。これはロッシにとって、2019年のアメリカズGP以来、久々の表彰台登壇となった。
■ロッシ、1年ぶりの表彰台でキャリア継続に自信がついた?「今の僕にとって結果は重要」
アンダルシアGPの前のレースであるスペインGPでは、レース途中にもかかわらずロッシは勝者となったファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)から14秒遅れ、さらに最終的にはマシントラブルでリタイアとなった。このパフォーマンスについては、将来に向けて不安視する声もあった。ロッシ自身も、自分の将来への不安を感じたと認めている。
さらに、移籍先と目されるペトロナス・ヤマハSRTのチーム代表であるラズラン・ラザリも、イタリアのガゼッタ・デロ・スポルト紙の取材に対し、ロッシのパフォーマンスに疑問を抱いていたことを認めた。
「バレンティーノは、バレンティーノだ」
ラザリ代表はそう語った。
「正直に言って、最初のレースが終わった後、疑問もあった。でも私は『きっと”ドクター(ロッシの愛称)”が戻ってくるはずだ』と、自分に言い聞かせていたんだ」
「ただ、(アンダルシアGPで)レースをした極端なコンディションを考えれば、彼は私に、とても印象的なモノを見せてくれた」
アンダルシアGPでロッシがパフォーマンスを大幅に向上させたことにより、SRTの株主たちに対して、2021年のライダーとして迎え入れる理由を”簡単に”説明できるようになったとも語る。
「全てのことが、簡単になるようにしてくれた」
ラザリ代表はロッシが表彰台を獲得したことについて語った。
「我々はペトロナスSRTであり、ビジネスに基づいた選択を行なう。しかし、地元のライダーを熱望するファンの声を無視することはできない。選択を強制されたわけではないが、彼(ロッシ)は普通のライダーではない」
「時間は確かにかかったが、彼が日曜日に見せたパフォーマンスにより、我々がバレンティーノを選ぶ理由を、株主に説明しやすくなった」
ロッシの契約が正式に発表されるのが遅れているのは、彼のクルーをどうするかということが問題になっていると考えられている。しかしラザリ代表は、チームとしては、ロッシがいるというだけで有名になることは求めておらず、クアルタラロと共に築き上げた”哲学”を継続したいと考えていると語る。
「チームは、バレンティーノのおかげで有名になることを望んでいない」
そうラザリ代表は語る。
「共に走る誰もが良い結果を出すことを、我々は望んでいる。ある観点から言えば、ゼロから何かを作り出し、今ファビオが築いているポジションは、私にとっての喜びである」
「我々は、今後もその哲学を継続したい。そしてバレンティーノについても、彼のことを助けることができるようにしたいと考えている」
「彼がいるからということだけで、人気を得たいとは思っていない。しかし、彼の年齢であっても、競争力を手にできるということを手助けしたいのだ」
「彼や彼のスタッフと話をしたことで、我々は彼が何を必要としているのか、それを理解している」
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