■幻の「S-FR」がコンバーチブルに進化!
埼玉自動車大学校(埼玉県北足立郡伊奈町)のカスタムボディ科は、東京オートサロン2024(2024年1月12日から14日に開催)で「S-FR コンバーチブル」を初公開しました。
S-FRとは、トヨタが「東京モーターショー2015」で世界初公開したライトウェイトスポーツの系譜を継承する小型スポーツカーのコンセプトモデル。
「150万円で買えるFRスポーツ」という発想のもとに開発され、エンジンはフロントミッドシップに搭載し、FR(後輪駆動)レイアウトを採用。5ナンバーサイズの軽量ボディを6速MTで意のままに操る、走る楽しさを追求したモデルです。
市販化が期待されたものの、開発が途中で中止されたともいわれており、“幻のスポーツカー”となったS-FRですが、それをオマージュしたうえでコンバーチブル化した、いわば進化系ともいえるカスタムカーがお披露目されました。
S-FR コンバーチブルのベースとなったのは、マツダ3代目「ロードスター(NC型)」。パワートレインやトランスミッションがNCロードスターのものがそのまま使用しており、6速MTを搭載します。
ドアとボンネットはほぼNCロードスターのままですが、外観のほかの部分はハンドメイドしたといいます。
S-FRの外観の特徴のひとつである丸目ヘッドライトは、3代目「ミニクーパー」のものをインストール。2014年に登場した初期モデルの灯体に、マイナーチェンジ後モデルのポジションランプを移植したオリジナルで、よく見ると「MINI」のロゴが残っていることがわかります。
また、大きなフロントグリルやフロントスポイラー、カナード類などは、FRP(繊維強化プラスチック)を用いた自作のもの。木の板でベースの型を作り、そこにFRPを貼り込んで制作したそうです。
リアは大型のリアウイングやアンダースポイラーがレーシングカーを彷彿とさせるデザインを実現。
マフラーはNCロードスターの純正品を切って縮めたうえでマフラーカッターを装着、WORKの新作ホイールと、BLITZの車高調を使用しました。
なお、テールランプはダイハツ「キャストスポーツ」のクリアテールを活用。違和感のない仕上がりとなっています。
インテリアは、BRIDEのバケットシートとMONOのステアリングに置き換えられ、幌も新しいものに交換していますが、それ以外の部分はNCロードスターのパーツを生かした作りとしました。
制作に携わった学生に話を聞くと、「『F-SRが市販化されれば良かったのに…』ということを発端に、自分たちで作ることにしました。とはいえ、なかなか上手くいかなくて、めちゃくちゃ大変でした。
実際に走行することはできますが、車両を移動させる以外で走ってはいません。可能であれば走らせてみたいです」とのことでした。
S-FRが存在しないため、手作業でパーツを作り上げたのが大変だったとのこと。
また、グループに分かれて各部の作業をおこなったことから、ひとつのグループの設計が変更になると、別のグループの仕様も変えなくてはならなかったのが苦労した点だといいます。
※ ※ ※
残念ながら市販化が叶わなかったS-FRですが、トヨタが作ったコンセプトカーの続きとして、埼玉自動車大学校の学生によってコンバーチブル化された夢のあるクルマが実現しました。
その完成度は非常に高く、いまにも走り出しそうな雰囲気。多くの来場者が足を止めて見入っているなど注目を集めていました。
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みんなのコメント
ロードスターを無理にワイド化しなくていいと思います。