スズキが定番軽乗用車のアルトを全面改良。世代を超えて親しみやすく愛着のわくデザインに、マイルドハイブリッドを新設定
スズキは2021年12月10日、軽乗用車のアルトを全面改良し、12月22日より発売すると発表した。
スズキ・スペーシアがマイナーチェンジ。スペーシア ギアには特別仕様車を設定
車種展開は以下の通り。
A:2WD94万3800円/4WD107万5800円
L:2WD99万8800円/4WD112万9700円
ハイブリッドS:2WD109万7800円/4WD122万8700円
ハイブリッドX:2WD125万9500円/4WD137万9400円
今回の全面改良で9代目に移行する新型アルトは、誰もが気軽に安心して乗れる、世代を超えて親しみやすく愛着のわく内外装デザインを採用したうえで、マイルドハイブリッドの搭載やスズキセーフティサポートの全車標準化などによって、スズキのベーシック軽としての魅力度をいっそう高めたことが特徴である。
まずエクステリアでは、親しみやすさを演出するために、丸みを帯びた柔らかなフォルムの中に楕円形のモチーフを取り入れ、小さな車体でも安心感のある立体的な断面にこだわった造形を創出。また、LEDヘッドランプを装備し、フロントマスクにはヘッドランプと一体感のあるメッキフロントバンパーガーニッシュを採用する。さらに、ホイールにはシャープなスポーク形状の14インチアルミホイールのほか、楕円形をモチーフとした14インチフルホイールキャップを設定した。一方、ボディカラーは新色のダスクブルーメタリックとソフトベージュメタリックをはじめとするモノトーンカラーに加えて、ホワイト2トーンルーフの4タイプを含む計12パターンをラインアップしている。
パッケージングの面では、全高を50mm、室内高を45mm、室内幅を25mm拡大し、前後席ともに広いヘッドクリアランスやゆとりのあるショルダールームとすることで快適な室内空間を実現。また、フロントドア開口部の高さを20mm拡大して乗降性を向上させる。同時に、室内空間を拡大しながら最小回転半径は4.4mに抑え、良好な小回り性を成し遂げた。
インテリアについては、抑揚のある面や線で厚みと立体感を表現した、毎日乗っても飽きのこないデザインで演出。また、インパネとドアトリムには落ち着きのあるネイビーカラーを採用する。シート表皮はデニム調のファブリックで仕立て、背面にはブラウンのカラーを導入した。
機能面のバージョンアップも新型の訴求点で、新設のインパネトレー(助手席)やフロアコンソールトレー、インパネドリンクホルダー(運転席/助手席)をはじめ、大型のスマートフォンも収納できるインパネセンターポケットなど、ドライバーから手の届く位置に豊富な収納スペースを設定。また、インパネ中央にはスマートフォンなどが充電できるUSB電源ソケット(2個)を新装備する。そして、スズキ車として国内初となる7インチのディスプレイオーディオを採用。バックアイカメラや全方位モニターの映像を表示するほか、燃費および航続距離情報や車両警告情報など車両情報の確認を可能とする。さらに、ラジオの視聴やBluetooth接続による音楽再生、スマートフォンとの連携によるナビ表示、ヘッドアップディスプレイへの交差点案内表示など充実した機能を組み込んだ。
パワーユニットには、従来から継承するR06A型658cc直列3気筒DOHC12Vエンジン(最高出力46ps/6500rpm、最大トルク5.6kg・m/4000rpm)+CVTとエネチャージの組み合わせに加えて、新たにR06D型657cc直列3気筒DOHC12V・VVTエンジン(最高出力49ps/6500rpm、最大トルク5.9kg・m/5000rpm)+WA04C型モーター(最高出力1.9kW/1500rpm、最大トルク40Nm/100rpm)/ISG(モーター機能付発電機)+リチウムイオン電池(容量3Ah)+CVTで構成するマイルドハイブリッドを採用。WLTCモード燃費は軽自動車トップの27.7km/リットル(2WD)を実現し、軽自動車初の2030年度燃費基準95%達成でエコカー減税(重量税)を成し遂げている。
基本骨格に関しては、剛性、衝突性能、走行性能などに優れ、軽量化にも貢献する軽量・高剛性のプラットフォームのHEARTECT(ハーテクト)を採用。バックドア、センターピラー、サイドドアでそれぞれ環状構造を形成する“環状骨格構造”とすることで、ボディ全体の剛性を向上させる。また、ボディのルーフパネルとルーフメンバーの接合部に高減衰マスチックシーラーを導入し、こもり音や雨音を低減。さらに、懸架機構には専用セッティングの前マクファーソンストラット、後トーションビーム(2WD)/アイソレーテッドトレーリングリンク(4WD)を組み込んで、高剛性ボディとともに快適な乗り心地を実現した。
安全面では、予防安全技術「スズキセーフティサポート」を全車に標準で装備。夜間の歩行者も検知するステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」をはじめ、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシスト、後退時ブレーキサポート、後方誤発進抑制機能などを採用する。また、6エアバッグ(運転席・助手席SRSエアバッグ/フロントシートSRSサイドエアバッグ/SRSカーテンエアバッグ)も全車に標準装備。さらに、運転に必要な情報をフルカラーで見やすく表示するヘッドアップディスプレイを設定し、視線移動を減らすことでドライバーの負担を軽減。合わせて、ステレオカメラが認識した道路標識をヘッドアップディスプレイに表示する標識認識機能(最高速度/はみ出し通行禁止/補助標識「終わり」/一時停止/車両進入禁止)も組み込む。そして、全方位モニター用カメラ装着車には狭い道を低速(5km/h以下)で走行中にステレオカメラが対向車とのすれ違いを検知し、自動でモニターにサイド(左側)+フロント映像を表示して、狭い道でのすれ違いでの死角を減らし、壁や対向車との接触防止をサポートする「すれ違い支援機能」を搭載した。
なお、新型アルトは経済産業省や国土交通省などが普及を推進する「サポカーSワイド」、国土交通省による「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS2)認定車」、「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)認定車」に該当している。
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