見た目はいつもの2代目カングー?
フランスで“はたらくクルマ”として誕生し、日本で人気車となったルノー・カングーは、家族全員で楽しめるライトコマーシャルビークルだ。
【画像】「縁側」の使用例は? ユルト・カングーでキャンプ【細部まで見る】 全42枚
先頃、初代から数えて3代目となる新型カングーが登場したが、いまでも2代目の素性のよさに着目している自動車のプロも多い。クルマ旅を提案するライフスタイル・ブランド「YURT(ユルト)」もその1つだ。
4月に代々木公園にて開催されたアウトドアデイジャパン東京で初披露されたYURT製の2代目カングーは、好きなときに好きなところへ行ける車中泊仕様になっていた。
普段は2列シート/5人乗りの乗用車として使えるようになっており、外観がフルノーマルである点が特徴となる。
ちなみに、YURTとは“自立できる丸いドーム型の移動式住居”のことで、主に中央アジアの遊牧民が使用している。
ゆるっと、というニュアンスも含んでいるそうだが、そのようなネーミングになっていることからも、気の向くままに余白と偶然を楽しむライフスタイルを大切にしている「YURTカングー」のコンセプトを窺い知れるのであった。
決め手は「サイズ」と「縁側」
「まず、アウトドア×クルマというコンセプトで考えました。サイズ的にハイエースでは大きく、ミニバンでは小さいので、日常でも使いやすいサイズ感でありながら広い室内空間を有している2代目のカングーがいいと思いました」
「リアの観音開きが便利でカワイイという点も魅力です。上方向に開けたゲートに邪魔されることなくリアから星を眺められるので、そういった自分の体験からも2代目が“YURTカングー”のベース車としてベストだと考えました。キャンピングカーをもっと身近なクルマにしたいと思っています」
YURTカングーをプロデュースしているRESTORE(静岡県焼津市)の藁科代表によると、自身の2代目カングーで車中泊をたくさん経験するなど、いろいろ遊んでいるうちにコレだ!と思い、最初から2代目で製作プロジェクトをスタート。
当初はDIYでコツコツ造っていたらしいが、その後プロに頼んで、車中泊仕様となったYURTカングーが誕生したそうだ。
クラシックミニを中心に、クルマの再生やリフレッシュを行うClassca(クラスカ/こちらもRESTOREが運営)と家具・内装業を行う職人が協力し、YURTカングーは生産されている。その道のプロが造っているのでハイクオリティなのだ。
藁科代表が自分で車中泊を経験し、気づいたことを反映させつつ、Classcaと家具・内装職人が頑張って製作したが、完成するまでに1年という月日がかかってしまったらしい。
YURTの部屋モード、走行モード
その甲斐あって、最大奥行き2500mm×最大幅1460mmという小さな部屋のような車内の広さを実現。
バックドアを閉じた状態でも、奥行き1800mmを確保している。
室内の板は2枚が取外し可能となっており、大人1人で簡単に「部屋モード」と「走行モード」に切り替えることができる。後部座席を戻せば5人乗りの乗用車になり、走行モード時も荷室にすべての床材を収納可能だ。
さらに、シートの真後ろにある10cm強のボードを折り返せば、部屋モードのまま走行することもでき、前席のシートを前に倒せば靴などを入れられる収納になる点もポイントだ。
床下収納は奥行きが70cmもあるため、さまざまなアイテムを収納可能。高さはユーザーの希望に合わせてセミオーダーすることができる。
そして、床下収納を引き伸ばし、その上に床材を置くことで“縁側”が登場。部屋を外まで拡張できるので、ここに座って夜空を眺めてみるといいだろう(外への拡張は2段階)。
室内の床下は、外に拡張する床板2枚が収納できるようになっており、その他にも長物の収納が可能だ。無垢材、オイル仕上げの方法、床下収納の高さを変更することで自分だけの空間に仕上がるので、夜な夜な頭の中でアレコレ考えてみることをオススメする。
納期・価格について
YURTカングーは、ボディカラーやグレードなど、ユーザーが希望する2代目カングーをベースに、セミオーダーで職人が1台ずつ丁寧に製作されるが、納車までの流れは下記のような感じとなる。
「デモカーの試乗・確認」→「ベース車の希望カラー・年式をヒアリング」→「希望に近いカングーの案内・概算見積り」→「木材サンプルを見ながら仕様を決定」→「最終的な見積り&スケジュール提出」→「契約後、製作をスタート」→「エンジン・足回り等の納車前整備」→「最終的な動作確認」を行い、納車となる。
完成したYURTカングーは、静岡県焼津市にあるファクトリーでの引き渡しか、陸送で届けるそうで、納期は通常3~6か月だ。
走行距離が伸びている2代目カングーをベースとして価格を下げてもよし、良質車・ディーゼル仕様をベースとして最初から高価なYURTカングーを製作してもよしとなっており、予算に応じたクルマ選びを楽しむことができる。
車両の持ち込みもOKで、初代カングーや他のクルマでも製作可能とのことなので、相談してみるといいだろう。
日常使いもできる旅するクルマとしてリリースされている「YURTカングー」は、車中泊を楽しめる移動式の部屋であり、アウトドアにおけるベース基地にもなる頼れる相棒だ。
価格は390万円~で、中古車がベースとなる(価格は仕様・ベース車の値段によって変動)。2代目カングーのプロ謹製車中泊仕様はありそうでないので、YURTカングーは数多くのファンを獲得することになるはずだ。
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みんなのコメント
地元のお大尽キャンプ場は、車中泊車は入り口の隅っこに追いやられてる
やっぱりテント派とは相入れないわな