いろいろ変わるVWの人気バン
フォルクスワーゲンの商用バン、トランスポーターの次世代モデルは、フォードと共同開発したまったく新しいプラットフォームを採用し、歴代初の純電気駆動も導入して2024年に登場予定である。
【画像】仕事に趣味に何でも使える人気バン【現行型フォルクスワーゲン・トランスポーターを写真で見る】 全25枚
トランスポーターはフォルクスワーゲン・コマーシャル・ビークルズ(VWCV、商用車部門)の総販売台数の3分の2を占める人気モデルだが、次のフルモデルチェンジではフォード・トランジット・カスタムと兄弟車となり、トルコのオトサン工場で生産される。
AUTOCARが入手した情報によると、新型トランスポーターは9人乗りのシャトル、2列シートのコンビ、そして荷物積載可能なパネルバン仕様が用意されるという。スポーティに仕上げたスポーツラインも設定される見込みだが、正式にはまだ確認されていない。
トランスポーターはこれまで、キャンピングカーのカリフォルニアのベース車両としても知られてきたが、新型ではまったく別のモデルとなる。新型カリフォルニアはすでにコンセプトモデルで明かされているように、乗用車向けのMQBプラットフォームを使用したマルチバンから派生する。
VWCVのカーステン・イントラ会長はAUTOCARにこう語っている。「マルチバンは(トランスポーターよりも)ずっと快適で、ずっと高級でなければなりません。これが、現在2つのラインナップを用意している理由です」
「これは本当に重要なプロジェクトです。(同じ車両のために)別のプラットフォームを作る余裕はありません。コストがかかりすぎてしまいます。(トランスポーターは)カリフォルニアと違って、1台あたりのマージンが高くない車種です」
「広い室内やBEVを必要としているお客様はたくさんいますが、BEVはまだ買えないが都市部を走るのでハイブリッドが欲しいというお客様もいます。わたし達は今、それにお答えすることができるのです」
新型トランスポーターは、フォードのバッテリー、電気モーター、エンジン、トランスミッション、シャシー構造を使用する見込みだ。また、トランジットと同じディーゼル、ガソリン、BEVの各ドライブトレインが用意される。BEVの「Eトランスポーター(仮称)」は、最高出力136psまたは218psの電気モーターを搭載し、1回の充電での航続距離はフォードの380kmに匹敵するだろう。
完全な技術仕様はまだ明らかにされていないが、フォードによると、Eトランジット・カスタムは最大125kWで充電できるという。エンジン車のトランジット・カスタムには、11.8kWhのバッテリーを搭載したPHEV(フォード・クーガと共用)と、マニュアル・トランスミッションを備えた2.0Lディーゼルがある。四輪駆動もオプションで選択可能だが、8速ATのみの設定。
フォルクスワーゲンとフォードのサイズはほぼ同じで、街中で使いやすいように全高は2m以下となる。両者の違いはデザインにある。
フォードは昨年、トランジットの新しいデザインを公開し、「1トン・セグメントの特徴的な新しいデザイン・ベンチマーク」と称した。フォルクスワーゲンはトランスポーターのデザインについてまだ情報を公開していないが、フォードとは大きく異なるものになるだろうとイントラ氏は語った。
「似たようなクルマですが、(フォードとは)違うクルマとなります。ご判断はお任せしますが、わたし達の方が優れていると思います。フォード社内でも評価され、誰もがより良いと判断しています」とイントラ氏。マルチバンからも影響を受けているという。
価格は、現行モデルのエントリーポイントである3万5000ポンド(約635万円)以上からになる見込みだ。
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