現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「ファミリア」「カペラ」「ルーチェ」! もはや懐かしい!? マツダの伝統「車名」なぜ消えた?

ここから本文です

「ファミリア」「カペラ」「ルーチェ」! もはや懐かしい!? マツダの伝統「車名」なぜ消えた?

掲載 96
「ファミリア」「カペラ」「ルーチェ」! もはや懐かしい!? マツダの伝統「車名」なぜ消えた?

■1980年代のマツダ主軸車種といえば「ファミリア」「カペラ」「ルーチェ」!

 現在販売されるマツダ車といえば「CX-5」「MAZDA3」など、シンプルな車名が主流ですが、かつては「ファミリア」「カペラ」「ルーチェ」など様々なネーミングが与えられていました。
 
 もはや懐かしいマツダの車名が、どのようにして現在の形態へと変わって行ったのか、あらためて振り返ります。

【画像】ほかにも「コスモ」に「RX-7」「キャロル」まで! 懐かし系マツダ車を写真で見る(38枚)

 戦前の1930年代、3輪トラックを発売して地位を獲得したマツダ(東洋工業)が、4輪乗用車を初めて販売したのは1960年のことです。

 その際に投入された軽乗用車の「R360クーペ」は、実質2人乗りのスタイリッシュなクーペでした。

 しかしマツダは早くも1962年、利便性のよい4ドアセダンの「キャロル」を送り出します。

 こうして乗用車販売を軌道に乗せたマツダは、続いて小型乗用車市場へと挑戦。1964年に800ccエンジンを搭載した「ファミリア」が、さらに1966年には、同社のフラッグシップを担った1500ccセダンの上位モデル「ルーチェ」が登場しました。

 そして同時期の1960年代、マツダはロータリーエンジンの開発を始めています。

 その成果は1967年の「コスモ」で結実。のちにロータリーエンジンは2代目ファミリアやルーチェ、「カペラ」「サバンナ」にも設定され、「ロータリゼーション(マツダの造語)」の旗印のもと、搭載車種を拡大していきました。

 これによりマツダはラインナップがおおむね揃い、ファミリア、カペラ、ルーチェ、コスモ、サバンナ(RX-7)を主軸車種として販売していました。

 まさに1970年代から1980年代のマツダを象徴するビッグネームです。

 しかし1989年、マツダは拡大路線を選択して「マツダ」「ユーノス」「アンフィニ」「オートザム」「オートラマ(日本フォード)」という5つの販売網を用意する「5チャンネル戦略」を打ち立て、販売するクルマをリニューアルしました。

 例えばファミリア、RX-7こそ残りましたが、カペラ」は「クロノス」「アンフィニ MS-6」へ、ルーチェは「センティア」「アンフィニ MS-9」へと名前を変更しました。

 一方で、1970年に「シャンテ」と入れ替わって消滅した「キャロル」の名前が、「オートザム キャロル」として復活、という一面もありました。

 これ以外にも、派生車種として「ユーノス100」(「ファミリア」の兄弟車)、「MX-6」「アンフィニMS-8」「ユーノス500」「オートザム クレフ」(いずれも「クロノス」の兄弟車)、さらにラインナップを充実させるべく「ランティス」「ユーノス 800」を追加するなど、ここでは書ききれないほど数多くのクルマが出現しています。

■拡大路線を推し進めた当時の車名もいまはほとんど残らず…

 ところがこの急激な拡大戦略は事実上「失敗」となってしまいます。

 1994年には車種統合が進められてクロノスなど数車種がラインナップから落とされ、そのクロノスの代わりになんとカペラが復活し、大きな話題となりました。

 その後ブランド名はマツダに統一され、2000年代に入るとファミリアは「アクセラ」、カペラは「アテンザ」に発展します。

 一方センティア、「ミレーニア(旧ユーノス800)」などのフラッグシップ系モデルは廃止されてしまいました。

 当時のプレスリリースによると、アクセラは「プラットフォーム(車台)からボディに至るまで最新の技術を使って新開発。すべての領域で世界に通用するクラスを超えたグローバルカーとしての価値を実現した」と紹介しています。

 アテンザは「マツダの新しいブランドメッセージ『Zoom-Zoom』)を象徴する新型車」としていました。

 既存のモデルとは大きくイメージを変えつつ、マツダのブランドDNAを継承したまったく新しいモデルとしての気概が車名変更に現れていました。

 たしかにこの2モデルは、マツダの5チャンネル時代の印象を大きく払拭し、現在に続く「マツダ=スポーティ」という印象を作った立役者と言えます。

 さらに2010年代末からはアクセラは「マツダ3」、アテンザは「マツダ6」へと車名を変更(参考までに1996年登場の「デミオ」も「マツダ 2」に変更)しています。

 このようにマツダでは、かつての同社を代表したビッグネームはほぼ消えてしまいましたが、その中でキャロルとファミリア(バン)はかろうじて存続。伝統ある名前を残しています。

なおファミリアバン以外でも、商用車部門のビッグネーム「ボンゴ」「タイタン」の車名がカタログに掲載されています。

■名称変更によるブランドイメージ向上は成功か

 昨今の車名変更理由についてマツダは「国内でのブランドイメージ向上を図るため、全世界共通のグローバル車名を与えた」と説明しています。

 同社は以前から、国際市場ではファミリアを「マツダ323」、アクセラを「マツダ3」など、メーカー名+数字車名で呼んでいたため、むしろドメスティック車名を採用していた日本が特殊だったのかもしれません。

 ただしそのグローバル向けの車名も、日本ではほとんど知られていませんでした。

 ブランドイメージの転換を力強く推進しているマツダは、デザイン重視で高品質をうたうクルマを次々と発売し、ディーラーもシックな色合いに建て替えて、ハイエンドな雰囲気を醸し出すことに成功しています。

 今のマツダのイメージと販売車種を見ると、カペラ、ルーチェなどの名前が似合わないのもたしかです。

 また、2023年現在でルーチェは消滅から32年、カペラは20年以上が経ち、「マツダといえばファミリア、カペラやルーチェだよね」というオジサン的感覚も薄れ始めているのは事実です。

 とはいえ、デミオ、アクセラ、アテンザを含め、長年親しまれたビッグネームをあっさりと変えてしまうことに、一抹の寂しさを感じてしまいます。

※ ※ ※

 メーカーへのイメージは、ユーザー個々が長い期間で培っていくものです。

 それをどのようにしてつなぎとめていくのか、マツダの思い切った「ビッグネーム変更戦略」の動向に注目したいと思います。

[編集部注記:2023年7月3日、一部の文字訂正などを行いました]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

孤高のミニバンSUV、デリカD:5に「BLACK Edition」新登場、定番の「CHAMONIX」には新たに8シーターを設定
孤高のミニバンSUV、デリカD:5に「BLACK Edition」新登場、定番の「CHAMONIX」には新たに8シーターを設定
カー・アンド・ドライバー
ダイハツの「“すごい”コペン」登場! 軽規格超えた「ワイドフェンダー」×770ccエンジン搭載! 2L並みパワーでめちゃ速い「デカいコペン」 どんなマシン?
ダイハツの「“すごい”コペン」登場! 軽規格超えた「ワイドフェンダー」×770ccエンジン搭載! 2L並みパワーでめちゃ速い「デカいコペン」 どんなマシン?
くるまのニュース
トヨタの「高級スポーティミニバン」がスゴい! 「走りが楽しい」反響多数!? 王道「アルファード」と異なる「個性」に注目! ヴェルは何が違う?
トヨタの「高級スポーティミニバン」がスゴい! 「走りが楽しい」反響多数!? 王道「アルファード」と異なる「個性」に注目! ヴェルは何が違う?
くるまのニュース
「スゴい事故」発生も…「夏タイヤ履いてるなんて信じられんッ!」 批判の声多数! 夏タイヤで雪道走ると違反? 正しい交換時期の目安とは
「スゴい事故」発生も…「夏タイヤ履いてるなんて信じられんッ!」 批判の声多数! 夏タイヤで雪道走ると違反? 正しい交換時期の目安とは
くるまのニュース
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
ベストカーWeb
「富士山登山鉄道」断念、でも代わりは“トラム”なの!?  後継には「電動連節バス」しかない3つの理由
「富士山登山鉄道」断念、でも代わりは“トラム”なの!? 後継には「電動連節バス」しかない3つの理由
Merkmal
入場無料! [レクサスRZ]に[新型アウトランダーPHEV]も!! 千年の都が舞台[京都モビリティ会議]が12月7日(土)にやってくる
入場無料! [レクサスRZ]に[新型アウトランダーPHEV]も!! 千年の都が舞台[京都モビリティ会議]が12月7日(土)にやってくる
ベストカーWeb
FIA F2参戦のロダン、最終戦でFIA F3王者フォルナローリを起用。フォーミュラE参戦のマローニの代役
FIA F2参戦のロダン、最終戦でFIA F3王者フォルナローリを起用。フォーミュラE参戦のマローニの代役
AUTOSPORT web
快適ボックスシートから広々フルフラットへの変更も簡単! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
快適ボックスシートから広々フルフラットへの変更も簡単! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
もう[トヨタ]が開発してるだと!!!!!!!!!!! 次期型[GR86/BRZ]は1.6Lターボ+ハイブリッドでほぼ確定か!?  
もう[トヨタ]が開発してるだと!!!!!!!!!!! 次期型[GR86/BRZ]は1.6Lターボ+ハイブリッドでほぼ確定か!?  
ベストカーWeb
トヨタWRC、大荒れのデイ2を好位置で乗り切る。ラトバラ代表は「明日もトリッキーになる」と警戒/ラリージャパン
トヨタWRC、大荒れのデイ2を好位置で乗り切る。ラトバラ代表は「明日もトリッキーになる」と警戒/ラリージャパン
AUTOSPORT web
ARTグランプリ、ホンダのフランス法人とパートナーシップを締結。CR-VとZR-Vが提供される
ARTグランプリ、ホンダのフランス法人とパートナーシップを締結。CR-VとZR-Vが提供される
AUTOSPORT web
優れた燃費が自慢[アコード]!! [レクサスES]と比較した明確な違い
優れた燃費が自慢[アコード]!! [レクサスES]と比較した明確な違い
ベストカーWeb
レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
AUTOSPORT web
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
AUTOSPORT web
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
ベストカーWeb
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

96件
  • マツダ車ってなんか車名が番号になってしまい名前に愛着みたいなものが無くなったし、車に興味ない人には説明しづらいメーカーになったかな。
  • なぜ消えた?
    車名を適当に付けてるからですよ。

    どう見ても2ベースなのに「CX-3」
    3ベースで出したのが「CX-30」
    スポーティークーペじゃないのに「MX-30」

    バカまるだし。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村