純正では針の水温計すら装着されていないことも
エンジンをレブリミットが当たるギリギリまで使い、長時間にわたって走るのも当たり前なサーキット。説明するまでもなくオイルやクーラントにとっては過酷な環境で、温度が上がり過ぎたことを原因とするトラブルも珍しくない。大容量のラジエターやオイルクーラーなどで対策することは可能だが、そもそも自分のクルマの水温や油温がどれくらいかを把握していなければ、どの程度チューニングすれば安全圏になるのかすら判断できないだろう。
いすゞ初代「ピアッツァ」に追加メーター満載! DIYでポルシェ928用エアフロをDIYで装着した魔改造車でした
闇雲に冷却系を強化してオーバークールになるのは本末転倒、そこで重要な役割を果たすアイテムが「追加メーター」の数々だ。ほとんどのクルマは純正で水温計しか装備されておらず、おまけに温度の表示はお世辞にも細かいとはいえない。一般道ではそれで十分かもしれないが、サーキットとなれば話はまったく異なる。
とくに最近はランプの点灯でしか確認できないクルマも多く、追加メーターの必要性はますます高くなったといえるのだ。そこで、スポーツ走行を楽しむなら装着しておきたい、追加メーターを必要とされる順番に解説しよう。
まずは追加メーターの基本「水温計」
最優先したいのは何といっても水温計。上で書いたとおり純正はあくまでも一般道での走行が前提なので、大半は細かい数値が表示されず、精度も比較的アバウトだ。
アフターパーツとしての水温計なら正確な温度を知ることができ、走行中に上がり過ぎたらトラブルを起こす前にクーリングできる。また、サーモスタットなどにトラブルが発生して正常に作動しなければ、通常時より水温が極端に上がるので故障の早期発見にも役立つだろう。オーバーヒートはエンジンブローという致命的なトラブルに直結するため、サーキットを走るならパワー系がフルノーマルでも装着しておきたい。
エンジン焼き付きを防止できる「油圧計」
次に取り付けるなら油圧計。名前のとおりオイルの圧力を測定するメーターで、オイルの劣化や消費によって油圧が下がり、油膜を維持できずエンジンが焼き付いてしまう。さらに油圧の変動が大きければオイルパン内での片寄りが予想できるほか、オイルポンプに不具合がないかどうか判断する目安としても有用だ。
油温計は後回しでもOKと考えるショップも
もうひとつセットで語られることが多い油温計は、水温計と油圧計に比べれば優先度は高くないため、余裕があればで構わないと考えるチューナーもいる。ターボ車ならブースト計は何かと便利。本来のブーストより低ければパイピング抜けなど何かしらトラブルが考えられ、逆に高すぎればアクチュエーターやブーストコントローラーの故障かもしれない。
* * *
いずれにせよクルマからの情報が多くて損はしないが、サーキットを走るなら水温計と油温計は必須と考えよう。
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暖気とは永遠にアイドリングするのではなく、ある程度の水温で低負荷の範囲で走り始め、徐々に通常走行に移行する目安という意味で。