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マツダのクルマは人に優しく、運転を楽しく、未来を明るくする!

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マツダのクルマは人に優しく、運転を楽しく、未来を明るくする!

マツダが開発中の運転支援システム「MAZDA CO-PILOT CONCEPT(マツダ・コパイロット・コンセプト)」とは? 今尾直樹が東京・お台場でテスト車両を体験した!

クルマの運転は、心と体の活性化につながる

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ドライバーが運転中、突如、意識を失ってしまったら……。こんな大ピンチから、ドライバーと乗員を救う自動運転システムの第1弾をマツダは2022年から市販車に搭載する。「MAZDA CO-PILOT CONCEPT(マツダ・コパイロット・コンセプト)1.0」と名づけられこのシステムは、より進化した「2.0」も開発中で、2025年以降の実用化を目標にしている。

11月下旬から12月の頭にかけて、マツダが東京・お台場で開いた「マツダ・コパイロット・コンセプト技術体験会」というメディア向けのイベントで発表されたこのシステムについてご紹介したい。自動運転技術にこんな使い方があったとは!!

GQは11月30日に参加したのだけれど、会の冒頭で広報のひとが次のようにこの技術を紹介したとき、筆者はじ~んときた。

「技術を何のために使うのか? マツダは、技術革新は自然と調和しながら、人間が本来持っている感性を発揮して、より人間らしく人生を送るためだと考えている。そのために、かねてから人間中心の技術を研究している」

広報担当者のあいさつはこう続く。

「マツダはクルマをみずから運転することで元気になって、その結果、生き生きとした生活を送ってもらえる。そう信じている。そういった関係がある、という研究成果も徐々に出つつある」

各社、自動運転に向かって突き進んでいるさなか、なんと反時代的な! と思う方もいらっしゃるかもしれない。しかしながら、配布された資料には、「運転をやめた人は、運転を続けている人と比較し、要介護認定のリスクが2.16倍」「運転をしていた高齢者は運転をしていなかった高齢者と比べ、認知症のリスクが37%減少」とある。クルマの運転は、心と体の活性化につながり、健康寿命をのばす働きがあるというのだ。筆者もそう思う。高齢者からクルマの運転免許を奪ってはいけない、と。

そう思いつつ、筆者は2年前、自分の高齢の父親が免許を返納することを止めなかった。だって、高齢者の運転による痛ましい事故はあとを断たない……。

マツダが引用したデータによれば、発作・急病に起因する交通事故は、2014年から2018年まで、毎年200件以上起きており、直近の2018年では269件を数えている。ニッポンは超高齢化社会だから、この数字はますます増える可能性もある。居眠り運転も、事故のもとで、こちらは老若問わずにちがいない。“走る歓び”をブランドの核とするマツダとしては、このような状況を黙って見ているわけにはいかない。

「だからこそ、万が一の事故を、できることから着実に減らしていきたい。そのためにマツダ・コパイロット技術を開発した」と語ったのは、このシステムの開発担当者で、商品戦略本部主査の栃岡孝宏さんだ。

停止までの流れ

コパイロット・コンセプトは、(1)ドライバー状態検知技術と(2)マツダ・コパイロットHMI仮想運転技術、そして(3)ドライバー異常時退避技術の3つのコア技術からなる。ということだけれど、2と3を分けていると話が複雑になるので、おなじ自動運転ということで一括りにさせていただいて、話を進めたい。

今回の技術体験会では、カメラを12個も搭載して360°センシングしつつ自動走行するマツダ3ディーゼルに同乗し、開発中の「マツダ・コパイロット・コンセプト2.0」がどんなものになるのかを垣間見た。

本来なら、1のドライバー状態検知技術によって、ドライバーをモニタリングし、異常を検知すると自動的に作動するわけだけれど、公道でドライバーが目をつむったり、倒れたりしては危険だということで、ドライバーみずから体調の異変を感じて作動スイッチを押した、というシナリオである。

お台場のヒルトン東京から船の科学館方面に向かって、ゆりかもめのレールの下の道路の第2車線(中央車線寄り)を走行中、交差点のちょっと手前でスイッチ・オンする。ピピピピピと警告音がなり、やがてパーパーパーパーというホーンの音に変わる。同時にハザートとブレーキ・ランプがフラッシングして、異常事態を周囲にも知らせる。ただし、今回、ホーンの音は車内にだけ流れている。さらに落ち着いた男性の声がこう告げる。

「ドライバー異常のため、安全なところまで自動で走行し、停車します」

ハラハラしながら見守る。第1車線はほかの一般車両が走っていて、車線変更できない。

「周辺車両により車線変更できません」

速度を落としてゆっくり、青信号の交差点を通過する。ハラハラしながら見守る。交差点の先の左の路肩にはトラックが駐車している。結局、次の信号が赤で、第2車線上のまま停車する。それが安全だとシステムが判断したのだ。

さらにむずかしい、カーブの手前で作動スイッチをオンにする実験も見せてもらった。システムがより安全な場所を探索し、カーブの手前の脇道に入って停車した。脇道に入るところには横断歩道があり、歩行者、自転車がいないことを確認して再発進。

「100m先の路肩に停車します」
「停車します」
「停車しました。車外に出るときは周囲を確認してください」

ドライバーの異常事態を自動的に緊急通報してもくれる。ただし、安全なところまで退避してくれるのは2025年以降に実用化の「マツダ・コパイロット・コンセプト2.0」で、来年搭載予定の1.0は減速停止のみとなる。とはいえ、発作や急病、もしくは居眠り運転を自動的に検知して減速停止してくれるのだから、ありがたい。

ドライバーの異常を検知する仕組みは、カメラで視線・頭部の挙動、姿勢を、ステアリング/ペダルの操作量はセンサーでモニタリングしている。「コパイロット2.0」では、異常の予兆を運転操作、頭部の挙動、視線の挙動、3つのパラメーターで判断する。

MTでも搭載の可能性アリ?

「完全自動運転は、インフラ、センサーのコスト等もあって、すべてのクルマでやるわけにはいかない。われわれとしては、現時点を切り取ったときのアプローチとして、自動運転技術よりこっちの方向のほうが交通事故をゼロにするという目的がより早く達成できませんか、というご提案です」

そう語るのは、統合制御システム開発本部の副本部長の吉岡透さんだ。

「年間、内因性疾患で何百件という事件が発生している。そこに早く手を打ちたい」

来年登場するマツダ・コパイロット・コンセプト1.0は、現在のマツダの先進安全技術のi-ACTIVSENSEの自動ブレーキ等、既存のシステムをベースにする。マツダ3以降のセンター・ディスプレイには右上の角っこにカメラがついていて、このカメラでドライバーの異常を検知するのだ。つまり、この画期的な安全システムは、コスト・アップなし、というわけにはいかないけれど、意外とリーズナブルな価格での実現が期待できそうだ。

もちろん、今回のマツダ3はオートマチックだったけれど、マツダはマニュアル(MT)でもコパイロットを構想しているらしい。吉岡さんはこう明言している。

「MTもとても重要なインターフェイス。われわれはそこを無視しているつもりはない。モーターは必ず搭載されるようになりますから、そこにオポチュニティがあると思っています」

ハイブリッドのモーターを異常事態時に使うのかもしれない。いいなぁ。“走る歓び”、マツダ、バンザイ!

文・今尾直樹 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

29件
  • マツダ車を買わないマツダ信者の擁護コメント早よ
  • 横断歩道が気になって
    運転が全く楽しくなくなった
    もう嫌だ!
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