2024年10月15日(火)から18日(金)、千葉県 幕張メッセで「「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK (ジャパンモビリティショー)2024」(以下JMS)が開催されました。「スタートアップとの共創」をメインテーマに、さまざまな分野の「新進気鋭たち」145社が出展、自動車メーカーを含む「事業会社」との強力なマッチングが求められています。
あえてBtoBのマッチングをメインテーマに開催
振り返れば「変化」は、2019年の東京モーターショーに始まっていた、と言えるかもしれません。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
来場者数が低迷し、輸入車メーが軒並み撤退していく中、「モーターショーを人が集まる場に」「業界を超えて、未来はみんなでつくっていく」という想いを込めて、他業種の参加社にも扉が開かれました。そこでは未来のライフスタイルなど、新しい領域へと世界観が広がり、結果として来場者数減少にも歯止めがかかったのでした。
コロナ禍による史上初の開催中止を経て、4年後の2023年から始まった「JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー)」(以下JMS)では、さらに具体的な活動としてスタートアップ企業が138社参加。
今回の「BIZWEEK (ビズウイーク)2024」からは「共創」を生み出すイベント、としての立ち位置がより明確になっています。
CEATEC2024との共催ということで、JMS単体での展示スペースは幕張メッセの展示ホール1のみ。それでも「カーボンニュートラル」「サプライチェーン」「トランスフォーメーション」など、さまざまな分野を代表するスタートアップ企業145社が参加。自動車/トラックの完成車メーカー10社のほか、サプライヤーを中心とする事業会社21社、日本自動車部品工業会の会員企業26社とともに積極的な「交流」が図られました。
一般ユーザーへのアピールするBtoCイベントではなく、BtoBの色合いが「ビズウイーク」ですが、自動車メーカーの立場では参加することでどんなメリットが期待できるのでしょうか。
製品開発だけでなく、使い方でもアイデア大募集
たとえば「カーボンニュートラル」に関する技術を出展していたトヨタ自動車によれば、エネルギー政策という分野は事業としてのすそ野が広く、関わっている産業界、ステークホルダーが一丸となって取り組みを進めることが重要だ、と考えて出展のポイントを設定しています。
具体的な出展のポイントはふたつ。そのひとつはポータブルな水素カートリッジの提案です。FCEV開発で培われた貯蔵技術を活用した製品ですが、それを利用した機器類やサービスを、事業として推進してもらえる企業を「求めている」といいます。
水素カートリッジそのものを使う機器、サービスはもちろんですが、一時保管場所や配送、交換サービスといった利便性を高めるための事業化にも、その分野に独自のノウハウやアイデアを持つオーソリティが求められています。
もうひとつの「スイープ蓄電システム」では、そのものを実際に事業化するためのパートナー探しが主な目的にあるそうです。
再生エネルギーのマネジメント設備を電動車用バッテリーの効率的なリサイクルを利活用して構築するビジネスモデルですが、蓄電池本体の製造はもちろん、電池の交換作業、搬送といったプロセスでも新たな価値創造が求められています。
もちろん他メーカーもそれぞれに、自社の強みをベースにビジネスマッチングを求めています。
ちょっと気になるスタートアップ、まとめてみました
さまざまな意味で注目されているスタートアップ企業ですが、JMSビスウイークと言う試みに対してはやはり、大いに期待するものがあるといいます。2023年のJMSから参加しているという事業者は、イベントとしての規模感こそ比較的控えめではあるものの、こうした接触するための場があることは非常にありがたい、と語っていました。
小規模事業者が多いこともあって、ある程度の規模を持つ事業者とは違い「求められているもの」を知るための「情報」そのものに接する機会が少ないのが、悩みのひとつとだと言います。それに関して実は、事業者側も同じ悩みを抱えているそうです。
これまで以上にすそ野と視野がより広い「タッチポイント」が、さらに高い頻度で求められていることは間違いありません。今回の「ビズウイーク」に限らず、JMSの新しい取り組みは、日本の自動車産業のすそ野を確実に広げるとともに、想像を超えた化学反応を起こすきっかけにもなりうるかもしれません。
最近流行の「オールジャパン」というと少し堅苦しい感じがしますが、どんな冒険も挑戦も、まずは気の合う仲間探しから始まるもの。JMSビズウイークの会場には、「なにか面白いことがおきそうだ」というワクワクの芽が、そこかしこに芽吹き始めているようにも感じられました。
[ アルバム : JMS BIZWEEK 2024 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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