大人から子供まで、クルマ好きでなくとも、誰もが一度は手にしたことがあるだろう「トミカ」。現在までに1080種以上の車種が発売され、累計販売台数は6億9000万台を超えるという(2021年4月時点 タカラトミー発表)。
このトミカが誕生したのは1970年のこと。日本初の手のひらサイズの国産車ダイキャスト製ミニカーシリーズとして登場し、2020年には発売50周年を迎えたロングセラー商品だ。そんなトミカを作り続けるタカラトミーが、2021年5月に新プロジェクト「トミカ アドバンスドプロジェクト」を発表した。
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「これからの50年」に向けた新プロジェクト第1弾の商品として、デジタルラップカウンターと、実況サウンドを備えた「トミカスピードウェイ 実況サウンド!デジタルアクセルサーキット」(税込1万2100円)
および、NFCチップを搭載した専用アプリと走行データが連動する「スーパースピードトミカ」4車種(各、税込1320円)を、2021年6月19日から全国発売するというのだ。その詳細をご紹介しよう。
文/吉川賢一、写真/タカラトミー
【画像ギャラリー】手のひらの上のトミカがスマートフォンの中に!! トミカ新プロジェクト始動!!
■実況サウンド+デジタルアクセルサーキットで、疑似レース体験!!
インコース1398ミリ、アウトコース1662ミリのコースを、それぞれ12周/10周で競い合う高速サーキットだ
「デジタルアクセルサーキット」は、アクセルボタンを連打することで、トミカが加速する。専用の「スーパースピードトミカ」はもちろん、その他のトミカも走らせて楽しむことができるのだ。
トミカがサーキットを高速で駆け抜けるという、トミカファンとしては何とも胸アツなキットだ。周回数やラップタイム、レースバトルの勝敗は、デジタルラップカウンターによって判定される。2台で競うレースバトルモード、1台で楽しめるチャレンジモード、どちらでも楽しめる。
周回数やラップタイム、レースバトルの勝敗は、デジタルラップカウンターによって判定される
本体のサイズは、幅1080×高さ123×奥行き523(ミリ)、例えるならば、50インチテレビの液晶画面のサイズに近く、まあまあ大きい。インコースは1398ミリ、アウトコースは1662ミリあり、それぞれ12週/10週で同程度の距離になり、なんと16メートル以上も走る計算だ。
勝利のポイントは、アクセルボタンの連打。ボタンを連打すると、フライホイールの回転が速まり、マシンを加速させることができる。一定リズムで大きくたたくのがより速く走るポイントだという。
インコーナーとアウトコーナー、「どちらが有利なのか?」は実際にやってみないと分からない楽しみがある
インコース側は、コーナーのR(アール)が小さいため走行抵抗が大きくなりがちだが、その分、2回ほど加速回数が多い。反対にアウトコース側は、走行抵抗は小さいが加速回数は減る。「どちらが有利なのか?」は、実際にやってみないと分からないが、これもまた楽しみのひとつだ。
ボタンを連打すると、フライホイールの回転が速まり、マシンを加速させることができる
今作の最大のポイントが、スーパースピードトミカに内蔵されたiD Driveシステムによって、リアルタイムにレース状況を取得し、リアルな実況がレースを盛り上げてくれるところだ。マシンごとにアナウンスやBGMが異なり、サーキットにいるような臨場感を味わえる。
スーパースピードトミカに内蔵されたiD Driveシステムにより、リアルタイムにレース状況を取得し、リアルな実況がレースを盛り上げてくれる
更には、専用アプリと連動させ、ラップカウンターにスマートフォンなどをセットすることで、「スーパースピードトミカ」と同じデザインにラッピングされたマシンのCG映像が、レースの内容と連動して登場する。これが、結構面白い演出をしてくれるのだ。
専用アプリと連動させ、ラップカウンターにスマートフォンをセットすることで、「スーパースピードトミカ」と同じデザインにラッピングされたマシンのCG映像が、レースの内容と連動して登場
これまでも、「GO!GO!アクセルサーキット」というトミカ用サーキットはあったのだが、今作にあるスマートフォン連動といったデジタル技術は、トミカ史上初の試みとなる。開発チームは、ずいぶんとチャレンジングなことを考えたものだ。
■スーパースピードトミカは4車種!!
スーパースピードトミカは、スープラやGT-R、シビックタイプR、スバルWRXなど、実在するスポーツカーをモデルとしている
「スーパースピードトミカ」は、サーキット走行向けにチューンナップされたマシンだ。現時点で発表されている車種は、スープラやGT-R、シビックタイプR、スバルWRXなど、実在するスポーツカーをモデルとした4台となる。
一般的なトミカと比べて、車体は軽量化されており、またレース向けの専用ホイールを装着、スムーズなコーナリングをサポートするためのフロント&リアのガイドローラーも装着されている
一般的なトミカと比べて、車体は軽量化されており、またレース向けの専用ホイールを装着、スムーズなコーナリングをサポートするためのフロント&リアのガイドローラーも装着されている。一台あたり税込1320円だ。
なお、従来のトミカは走らせることができるが、NFCチップが入っていないためアプリと連動させることができない。今後の計画はまだ発表されていないが、ぜひとも対応車種を増やしていただくことを期待したい!!
■「トミカ」が長く愛され続けるワケ
ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ トミカ50周年記念仕様。50周年記念カラーリングを纏う
トミカを手にしたことがある方ならば、程よくデフォルメされていることにお気づきだろう。ドアミラーがなかったり、リアウィングなどの凹凸が丸められていたりする。
またトミカの箱には縮尺率が明記されているが、クルマ毎に縮尺サイズは異なっており、ボディ高も大きめとなっている(実車の縮尺通りに作ると、平べったく見える)。そのため異なるクルマを横に並べると、サイズ感のズレに気がつくこともある。だがこれらは全て計算されていることだ。
トミカのメインユーザーは小さな子供たちだ。彼らが怪我をしないよう、角は全て丸められ、その小さな手にちょうど良いサイズとなるようつくられているのだ。誤飲しないよう、ほどほどの大きさである必要もある。トミカは実車を精巧に再現しながらも、あくまで子供たちが遊ぶ「玩具」なのだ。
とはいえ、トミカプレミアム(2015年登場)や、エンジン音などが鳴るトミカ4D(2018年登場)など、大人をターゲットにしたトミカも、きちんと投入されている。子供時代にトミカに触れた親から、その子供の世代へとトミカ愛が引き継がれる。これこそが、トミカが愛され続ける理由であろう。
【画像ギャラリー】手のひらの上のトミカがスマートフォンの中に!! トミカ新プロジェクト始動!!
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