1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、ランチア ストラトスだ。
ランチア ストラトス(LANCIA STRATOS:1974-1975)
ランチア ストラトスは、「パーパス ビルト カー」とも呼ばれる。なぜなら、ラリーに勝つことだけを目的(パーパス)に企画されたクルマだからだ。少なくとも当時のラリーでは専用マシンを作るなどありえないことで、通常は市販車を改造するのが常識だったからだ。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
この企画の仕掛け人のひとりが、ランチア ラリーチームのボスであったチェザーレ・フィオリオで、情熱家でも有名だったが、後にフェラーリF1の監督を務めるほどの実力者になった。常識にとらわれない「自己流」を押し通したことで、ついにラリー必勝マシンが実現することとなった。
カロッツェリアのベルトーネも、この企画に関与していた。ベルトーネは、当時斬新なデザインのミッドシップカーのショーカーをランチア ベースで製作し、新しい市販モデルの生産化を提案した。その提案が、ラリー用ベース車という形で、ランチアのニーズと合致。ランチア側が、ドライバーをはじめラリーの現場スタッフに理想のラリーカーを詳細にリサーチしてコンセプトを定め、ベルトーネ側とランチアのエンジニアのアドバイスを受けて、実際の設計と生産を請け負った。
デザインを手がけたのは、チーフスタイリストのマルチェロ・ガンディーニだ。カウンタックのデザインなどで有名なデザイナーだ。ゼロから開発するだけあって、まさしくラリー専用のプロトタイプ レーシングカーのような基本設計とし、センター部分がモノコック、その後方に頑強なサブフレームを組んでエンジンを搭載した。
ディーノ246GTのパワーユニットを移植
キャビンがモノコックなのは、乗員スペースの安全を十分に確保し、騒音にも配慮したためといわれている。また、ヘルメットの置き場をドアポケットに設けるなど、疲労の激しいラリーでの乗員への配慮も各所に盛り込まれた。重量物を車体中央に集めたミッドシップである上、全幅が1750mmもありながらホイールベースはわずか2180mmと短いのは、まさに設計の狙いどおりだったのだが、アマチュアドライバーには手に余るほどクイックなハンドリングだった。
エンジンは当初ランチアの4気筒を積む予定だったが、途中でフィオリオの考えが変わり、ディーノ246GTの2418cc V6 DOHCエンジン(190ps/23.0kgm)をもらい受けることに成功した。ちなみにラリーバージョンのエンジンは、280ps/26.0kgmを発生した。しかし、その交渉が難航して市販モデルの生産が遅れてしまい、500台程度生産したものの販売は不振だった。
その反面、ラリーでは見事に世界タイトルを1974年から3年連続で獲得したことで、目的は達成したといって良いだろう。またスーパーカーとしても、日本では「サーキットの狼」で主人公の愛車の1台になったこともあり、カウンタックに並ぶほどのエキゾチックな存在として人気となった。
ランチア ストラトス 主要諸元
●全長×全幅×全高:3710×1750×1110mm
●ホイールベース:2180mm
●車両重量:980kg
●エンジン種類:60度V6 DOHC
●総排気量:2418cc
●最高出力:190ps/7000rpm
●最大トルク:23.0kgm/4000rpm
●燃料:有鉛ハイオク
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:横置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:205/70VR14
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同じラリーマシンでもGRヤリスやカローラはガッカリする