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【試乗】アルファロメオ ステルヴィオは乗り込むだけでうきうきするクルマだった

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【試乗】アルファロメオ ステルヴィオは乗り込むだけでうきうきするクルマだった

新世代ジュリアの類い希なスポーツスピリットを色濃く受け継いだSUV「ステルヴィオ」。そこにアルファらしさはどれほどあるのだろうか。(Motor Magazine 2018年8月号より)

アルファロメオがSUVを作るとこうなるのか

独プレミアムスリーの販売に異変!?

2018年6月にまず導入限定車として発表された「ステルヴィオ ファーストエディション」のレポートをお送りしよう。2018年10月にはカタログモデルも正式に発表されているが、そちらの試乗にはもう少し時間がかかりそうだ。

ステルヴィオの名前は、イタリア北部のアルプス山中にあるステルヴィオ峠に由来する。この峠はアルプスの中で2番目に標高の高い2757mに位置し、合計48カ所のヘアピンカーブがあり、モータリストの憧れの聖地となっている場所だという。

ちなみに今年2018年、アルファロメオは創業108年を迎えている。そんな長い歴史の中での初めての本格的なSUVということもあり、その力の入れようは凄まじいものがある。2017年にはニュルブルクリンク北コースにおいて、7分51秒7という量産SUV最速タイムを叩き出しているというのも、気合の現れのひとつだろう。

そんなステルヴィオのパフォーマンスには、ジュリア同様、アルファロメオの次世代プラットフォーム「ジョルジオ」の採用や50:50の前後重量配分、ジュリアから受け継いだパワートレーンが貢献しているという。さらに4輪駆動システム「アルファロメオQ4」を搭載、これはあらゆる路面で走行状況に応じて前輪に最大60%、後輪に100%を上限にトルク配分するシステムである。

また新世代のクルマは先進安全運転支援機能の採用も欠かせない。当然、ステルヴィオにも数々のそうしたデバイスが採用された。具体的には、歩行者検知機能付前面衝突警告、自動緊急ブレーキ、レーンデパーチャーウォーニング、アダプティブクルーズコントロール、ブラインドスポットモニターなどである。そしてこれらすべては標準装備となる。こうしたことからもアルファロメオのステルヴィオへの本気度がわかる。

聞こえてくる音や見えるものすべてが刺激的

ドアを開けて視界に入ってくるスイッチのひとつひとつ、触れる部分すべてが刺激的だ。

そして少し走り出しただけで「さすがアルファロメオ」と感じさせる。低速で走っても、ハンドルを一度切っただけでも官能的なのだ。聞こえてくる音、見える計器類、そしてレザーの香りすべてが、SUVであるというよりはアルファロメオであると訴えてきて、気持を高揚させてくれる。

 

エンジンフード、フロントフェンダーなどにアルミニウム素材を使用して軽量化していることも貢献してハンドリングは軽快だ。ロールもほどよく押さえ込まれていてSUVというよりはスポーツセダン、まさにジュリアを運転しているような感覚である。少ない操舵角で思ったとおりのラインを走ることができるのも、いい意味でSUVらしくないところなのかもしれない。

今回の試乗は街中がメインで他にはワインディングロードを少々走った程度だが、さあ次はステルヴィオとどこに行こうか、と想像するだけでとてもうきうきする、そんなクルマだった。

ただし小回りはもう少し効かないと不便だ。最小回転半径は6m。このセグメントのSUVでは大きい方だ。実際に試乗中もそのあたりを意識しなければならない。 

ちなみに今回試乗したファーストエディションは、レッドブレーキキャリパーや20インチ5ツインスポークアルミの採用、インテリアにプレミアムレザーやウッドを使うことなどが特徴である。そのインテリアはうっとりとしてしまうほどの「色気」が感じられる。毎日こんなインテリアに囲まれていたらどんなに刺激的だろうと想像してしまったほどだ。(文:千葉知充)

アルファロメオ ステルヴィオ ファーストエディション 主要諸元

●全長×全幅×全高=4690×1905×1680mm ●ホイールベース=2820mm ●車両重量=1810kg ●エンジン=直4DOHCターボ ●排気量=1995cc ●最高出力=280ps/5250rpm ●最大トルク=400Nm/2250rpm●トランスミッション=8速AT ●駆動方式=4WD ●車両価格=689万円

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