2023年4月18~27日まで開催され、大きな話題となった上海モーターショー。今回、大手中国自動車サイトの「mewcars」編集部から招かれ、中国国内を8日間訪れることになったベストカーWeb編集部員が中国現地からのレポートを数回に分けてお送りしよう。
文、写真/ベストカーWeb編集部・渡邊龍生
もはや世界一市場の理由が垣間見えた! 現地レポートで送る熱気と興奮に包まれた中国モータリゼーションの進化度!!
■今回の中国出張は出国前からバタバタ続きだったが……
第20回上海モーターショーの会場となった「上海国家会展中心」(国家エキシビション・コンベンションセンター)
いや、それにしても何からお伝えすればいいのか、今さらながら困惑しているのが偽らざる気持ちだったりする。急遽、2023年4月18~25日まで中国の自動車事情を取材するために私は現地へ向かい、上海~南京~北京と渡り歩いたのだが、中国国内でのモータリゼーションは想像以上の進化を遂げており、大きなカルチャーショックを受けたからだ。
あまりに現地での滞在スケジュールが決まるのが急すぎたのに加え、私のパスポートが期限切れで再発行する必要があったため、出国当日の4月18日夕方16時にようやく私の中国ビザ(パスポートナンバーがないとそもそも申請できない)が発給されるという綱渡りスケジュールのバタバタぶり。
東京・有明のビザセンターで中国ビザを受け取り、間髪入れずに同日20時成田空港発の飛行機に飛び乗って上海現地へ向かうことになった。いや、それにしても我ながらよく間に合ったものだ……フゥ。
すでに今回の上海モーターショーの情報はさまざまに伝わっているのだが、中国の自動車事情がまさかここまでダイナミックな様相を呈していたとは予想だにしなかった。まずは今回、1日目の4月19日に取材に訪れた上海モーターショープレスデー2日目で感じたことをまとめてみたい。
当日は朝から先方、mewcars編集部の手配で会場となっている「上海国家会展中心」(国家エキシビション・コンベンションセンター)へ。プレスパス申請はすでにすんでいたのだが、私が海外から来たということで会場入り口でのやり取りにちょっと時間がかかり、足止めを食らうことに。まあ、何とかプレスパス申請が確認され、会場内へ。
■日本メーカー各ブースも頑張っているのだけど
とにかく「広い!」というのが第1印象となった上海モーターショーの会場内。その面積は東京ビッグサイトの9倍以上!
日本では幕張メッセでの開催だった時代から東京モーターショーを取材してきたが、それにしても上海モーターショーの規模はとてつもなく大きい。その面積は36万平方メートルを誇り、現在の東京モーターショー(2023年からはJAPAN MOBILITY SHOW2023に改称)会場となる東京ビッグサイトの実に9倍以上もの広さだ。改めて会場内を歩き回ってみて、その広大さを実感する。
上海モーターショーはもはや世界でも最大規模のモーターショーだけに出展メーカーも多彩なのが特徴。フェラーリやロールスロイス、ランボルギーニなどの欧州勢だけでなく、日本市場からはすでに撤退しているフォードやMG(現在は上海汽車傘下)なども出展している。1985年に初回が開催されて以来、今回で20回目を迎えた。
会場内は活気にあふれた中国自動車メーカー勢が繰り出すEVのニューモデルがひしめき合う。もちろん、日本勢も新型LMをワールドプレミアしたレクサスとEVのbZシリーズ2台を公開したトヨタをはじめ、EVのe:Nシリーズ第2弾「e:NP2プロトタイプ」、「e:NS2プロトタイプ」、e:Nシリーズ第3弾「e:N SUV 序」を出展したホンダ。
何と言ってもレクサスブースの最大の目玉となったのは新型LM。人がいない頃を見計らってようやく写真を撮影することができた
そして、EVオープンのコンセプトモデル「Max-Out」や新型パスファインダーコンセプト&キャシュカイを出展した日産、CX-50ハイブリッドモデルをワールドプレミアしたマツダにスバルと各ブースを短時間ながら回ってみた。
上海モーターショー会場内の日産ブース。パスファインダーコンセプトなど注目のモデルも出展されたが、熱気はさほど感じられず……
来場者が多くいたのはやはり新型LMが注目を集めたレクサスブースで、トヨタもホンダも中国市場で一定のシェアを持つだけにかなりの人が訪れていたのだが、それ以外のメーカーのブースでは「ちょっと人が少ないかな……」と寂しい印象を抱いた。
トヨタブースでは「bZ Sport Crossover Concept」の開発を担当した中国トヨタ、TMEC-Z ZXCシニアチーフプロジェクトマネージャーである岸田晋二氏の姿も
■各ブースには若い女性ティックトッカーたちがちらほら
熱気にあふれる中国自動車メーカーブース。そこにはクルマへのワクワク感があるのだろうか?
それもそのはず、中国自動車メーカー勢はひっきりなしに人が詰めかけていたのだから。私は今回、上海モーターショー会場でも先方の動画撮影レポーター(まるで即席ユーチューバーのようだった)として忙殺されることになったのだが、中国メーカーのブースを訪れている人たちの「熱気度」がまるっきり違っていたことを現場で実感した。
何といえばいいのか、中国メーカーの各ブースでニューモデルを触ったり、コンセプトモデルの室内に乗り込んだりしている人たちの表情が真剣でまさに熱気がほとばしっている。
国際的なモーターショーだから上海モーターショーも当然、世界への情報発信という意味合いもあるのだが、それ以上に中国人ユーザーに向けた新車とパーツの即売会や商談の場でもあるようだ。プレスデー(4月18~19日)にしてこの熱気度、4月20~21日のビジネスデー、同22~27日の一般公開日だったらその比ではなかったはずだ。
そしてもうひとつ、各ブースを回っていてやたらと若い女性のティックトッカーたちがスマホで自撮りしているシーンを見かけたのは現在のモーターショーならではといった様子なのだろう。彼女たちが撮影を終えるまで我々も動画撮影するのをその場で待たなければならず、現地メディアの方たちもこれには苦笑いするしかなかったようだ。
各ブースのそこかしこに若い女性ティックトッカーたちの姿が目立っていた
ちなみに私が会場内にいた4月19日にはBMWブースで来場者へのアイスクリーム配布をめぐって不買運動にまで発展し、騒動となった「アイスクリーム事件」が勃発。しかし、同ブースを訪れていなかったため、まったく知り得なかったりする……。
■自国メーカーの国内シェアアップが物語る「完成度の高さ」
個人的に一押しだった中国車は長安汽車(Changan)の「Shenlan SL03」。スタイリッシュなEVセダンで、テスラモデル3よりも攻めたデザインでBYDのSEALより安価という位置づけだ
さて、各ブースで見た最新中国自動車メーカーの完成度は果たしてどうだったのか? 今回の中国出張では今後、BYDから日本でも販売が予定されているEV、ドルフィンとSEALの2台のほか、何台かの中国車に試乗する機会を得たのでそちらはまた別の記事で今後、紹介したいと思う。
最後に、公表されている中国国内での2023年1~3月の新車出荷台数シェアを見ていきたい。それによると、中国製メーカーのシェアが約53%でトップとなる過半数を超え、ドイツ系メーカーは約19%、次いで日系メーカーが約16%、米国メーカーが約9.5%となっている。
また、BYD(44万台強)が初めてVW(42万7247台)を抜き、2023年1~3月の第1四半期に中国国内の販売台数ナンバーワンとなったという。
この数字を見て、日本のメーカー関係者は衝撃を受けるかもしれない。かつて日本車をコピーしたようなモデルが氾濫し、揶揄されていたような「かつての中国自動車事情」はもはや跡形もないのだ。
数字のうえからでも自国メーカーのクルマをあえて中国のユーザーが選んでいるということがわかる。それをまさに裏付けているかのような上海モーターショーの盛況ぶりだったということを報告して、初回は終わりたい。
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みんなのコメント
冷静なレポートを期待したい。
出国前からバタバタ続きのくだりは長くいらないわな