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スズキ・アルトが7年ぶりにフルモデルチェンジ! 9代目の価格は94万3800円から

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スズキ・アルトが7年ぶりにフルモデルチェンジ! 9代目の価格は94万3800円から

 この記事をまとめると

■アルトは1979年に誕生したスズキの軽自動車

100年の間には冒険したクルマも! 「名車」だらけのスズキが生んだ「迷車」6台

■9代目となる新型が12月22日に発売される

■新型の詳細について解説する

 新たに2トーンのボディカラーを設定

 1979年に初代がデビューして以来8代42年の歴史を持ち、累計販売台数は526万台に達している、スズキのもっともベーシックな軽5ドアハッチバック「アルト」が7年ぶりにフルモデルチェンジ。9代目となる新型が12月22日に発売される!

 エクステリアはヘッドライトなどに質素かつレトロだった先代の面影が残るものの、随所に楕円がモチーフとして採り入れられた、老若男女問わず親しみやすいものに。また全高が先代より50mm高められ1525mmとなると同時に、AピラーおよびCピラーの傾斜が減り、サイドウィンドウも大きくスクエアな形状とされたことで、室内の広さや見晴らしの良さを予感させるボクシーなプロポーションに生まれ変わった。その一方で、14インチホイールが全車に装着され足もとがグッと力強くなったほか、新たにホワイト2トーンルーフ色が4種類設定されたのも見所だろう。

 室内はインパネシフトやエアコンの操作パネル・吹出口、前後シート形状などに先代との共通点が多く見られるものの、インパネにも外装と同じく楕円のモチーフが採り入れられて立体感が増し、ネイビーの加飾パネルが加えられたことで質感は大きくアップ。シート生地も表皮がデニム調、背面がブラウンとされており、より愛着が持てる装いに進化した。

 そして、全高50mmアップに伴い、室内高は45mm、前席ドア開口高は20mm、前席ヘッドクリアランスは39mm、後席ヘッドクリアランスは27mm拡大。室内幅も25mm広がった。なお、室内長は25mm減少しているが、AピラーおよびCピラーの傾斜が減っているため、実際の室内容積と心理的な開放感はむしろ大きくアップしたのではないだろうか。

 ラゲッジルームは、リヤコンビランプの搭載位置が先代のバンパーから中央左右両端へと変更されたため、最大荷室開口幅が90mm狭い975mmに。だが荷室開口高は20mm高い710mm、開口部地上高は30mm低い660mmとなったうえ、バックドア内側右側にインサイドグリップが設けられるなど、使い勝手の改善が図られている。

 FF車でWLTCモード燃費(総合)27.7km/Lを実現!

 アルトといえば先代が2014年12月のデビュー当時より「燃費の良い乗用車ベスト10」軽自動車部門トップの座を死守し続けるなど、燃費の良さも大きな強みの一つだが、その点の進化も抜かりはない。アルトとしては初めてマイルドハイブリッド車を設定するとともに、より低燃費なR06D型0.66リッター直列3気筒NAエンジンと新世代のCVTを組み合わせて、FF車でWLTCモード燃費(総合)27.7km/Lを実現。軽自動車初の2030年度燃費基準95%を達成したことで、エコカー減税(重量税)免税対象となった。

 先代に続いてR06A型エンジンを搭載するガソリン車も、減速時回生システム「エネチャージ」との組み合わせにより、FF車でWLTCモード燃費(総合)25.2km/Lを確保している。全高アップとスクエアなボディ形状、14インチタイヤ&ホイールの全車採用、車重の約30kg増加(ガソリンFF車同士の比較)などで、空力・燃費面では先代より大幅に不利なはずの新型だが、外装細部の形状をミリ単位で調整し、タイヤも転がり抵抗を12%低減することにより、わずか0.6km/Lの低下に留めているのは、ユーザーにとっても嬉しいポイントだろう。

 プラットフォームは先代に続き軽自動車用「ハーテクト」を採用しているが、バックドア・Bピラー・サイドドアで環状骨格構造を形成したほか、ルーフパネルとルーフメンバーとの接合に高減衰マスチックシーラーを採用するなどのアップデートにより、ボディ剛性と静粛性をアップ。またサスペンションや電動パワーステアリングのチューニングも変更して、乗り心地と直進性を高めている。

 スズキのADAS(先進運転支援システム)「スズキセーフティサポート」も、衝突被害軽減ブレーキは単眼カメラとレーザーレーダーを用いた「デュアルセンサーブレーキサポート」から、ステレオカメラによる「デュアルカメラブレーキサポート」にアップグレード。そのほかカラー式のヘッドアップディスプレイや全方位モニターを新たに設定し、運転席・助手席・フロントシートサイド・カーテンからなる6エアバッグを全車標準装備とするなど、安全装備も大幅に充実した。だが後席ヘッドレストが大半のグレードでディーラーオプション扱いなのは寂しいと言わざるを得ない。

 グレード構成は、先代アルトバンの後継に位置付けられるガソリン車の廉価グレード「A」(FF車94万3800円、4WD車107万5800円)、ガソリン車の売れ筋グレード「L」(FF車99万8800円、4WD車112万9700円)、マイルドハイブリッド車の標準グレード「ハイブリッドS」(FF車109万7800円、4WD車122万8700円)、後席ヘッドレストやイモビライザー、アルミホイール、キーレスプッシュスタートシステムなどを標準装備する最上級グレード「ハイブリッドX」(FF車125万9500円、4WD車137万9400円)の4種類。

 スポーツカー好きにとっては大いに気になるホットバージョン「ワークス」について、記者会見の席でスズキの鈴木敏明専務・国内第一営業本部長は「今現在は考えていない。アルトは生活に密着したクルマなので、まずはそこからスタートしたい」としたものの、先代でもデビューから1年後に追加されているだけに、新型への設定も大いに期待したい所だ。

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