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【絶滅危惧種で残りあとわずか】セリカGT-FOURを手に入れる最後のチャンス

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【絶滅危惧種で残りあとわずか】セリカGT-FOURを手に入れる最後のチャンス

 日本を代表するスペシャルティカーのトヨタセリカは、歴代モデルがモータースポーツに投入され、なかでもWRCをはじめとするラリー活動を積極的に展開してきた。

 どのモデルも日本車、とりわけトヨタ車としてはデザインにこだわり老若男女を熱狂させてきた。

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 ラリー王国復活のトヨタの往年の名マシンのベースとなったセリカGT-FOURを3世代にわたり中古マーケットを調査し、萩原文博氏が考察する。

文:萩原文博/写真:TOYOTA、ベストカー編集部

セリカGT-FOURはWRCマシンのベース車

トヨタは2019年にWRCに復帰。マシンはヤリス(日本名ヴィッツ)で復帰初年度から高いポテンシャルを持ち、2018年にはマニュファクチャラーズタイトルを獲得

 WRC(世界ラリー選手権)のトップカテゴリーとなる、WRカー(ワールドラリーカー)規定が2度目の改定が行われた2017年。1999年以来となるトヨタがヤリス(日本名ヴィッツ)でWRCに復活した。

 復帰した2017年はスウェーデンラリーとフィンランドラリーの2戦を勝利し、翌2018年シーズンはオット・タナックが4勝、ヤニーマティ・ラトバラが最終戦に勝利し、通算5勝でマニュファクチャラーズタイトルと獲得するなど復帰後、しっかりとした結果を残し念願のラリージャパン開催に向けてアピールしている。

グループA時代に突入しトヨタはセリカGT-FOURでワークス参戦。最大のライバル、ランチアインテグラーレ勢を相手に1990年にサインツがワールドチャンピオンに輝いた

 WRCというとスバルインプレッサや三菱ランサーエボリューションのイメージが強いが、WRCで初タイトルを獲得したのは1990年のドライバーズタイトルに輝いたトヨタだったのだ。そのトヨタがWRC初のタイトルを奪取したマシンこそ、セリカGT-FOURなのである。

 そこで、今回は1990年代にWRCで輝かしい成績を残したセリカGT-FOURの中古車事情について紹介したい。

限定モデルが大人気

 グループA規定となったWRCに参戦したセリカGT-FOURの市販車は1986年~1989年に販売されたST165型、1989年~1993年に販売されたST185型、そして1993年~1999年に販売されたST205型の3モデルとなる。

 なかでもST185型のセリカGT-FOURは1991年9月にWRC用のホモロゲーションモデルであるセリカGT-FOUR RC(ラリー・コンペティション)を日本国内限定1800台で販売。メタルタービンや、水冷式のインタークーラーを採用し、戦闘力がアップされ高い人気を誇った。

丸いエアインテークがRCの証。RCとはラリーコンペティションの略で、ラリー好きは熱狂。今でも大事に乗っている人は多いためなかなか出物がない

 そして、セリカGT-FOURの最終モデルとなったST205型は搭載する水冷インタークーラーを採用した2L、直列4気筒ターボがさらにチューニングされ最高出力255psを実現。 

 大型リアスポイラーやエアスクープが装備されたボンネット、インタークーラーを冷やすウォータースプレなどを装備したGT-FOUR WRCが国内2100台限定で販売された。

流通しているタマ数が少ない絶滅危惧種

セリカGT-FOUR(ST165)
全長×全幅×全高:4365×1690×1295mm、車重:1360kg
総排気量:1998cc、最高出力:185ps/最大トルク:24.5kgm
価格:304万6000円

セリカGT-FOUR RC(ST185)
全長×全幅×全高:4410×1745×1305mm、車重:1460kg
総排気量:1998cc、最高出力:235ps/最大トルク:31.0kgm
価格:317万1000円

セリカGT-FOUR WRC仕様(ST205)
全長×全幅×全高:4420×1750×1305mm、車重:1390kg
総排気量:1998cc、最高出力:255ps/最大トルク:31.0kgm
価格:327万1000円

 現在、セリカGT-FOURの中古車事情を見てみると、セリカGT-FOURとして最終モデルとなるST205型が中心となっているが、それでも約17台とかなり少なめ。

 そしてST165型は1台、ST185型は3台しか流通しておらずともう手に入れることがかなり厳しい状況となっているのだ。

流面形セリカは1985年8月にFF化されてデビュー。4WDターボのGT-FOURは翌1986年に追加され人気となった。丸いフォグが最もわかりやすいFFとの識別点

 ST165型のセリカGT-FOURと言えばWRCでの活躍とともに、映画「わたしをスキーに連れてって」のワンシーン「凍ってるね」の言葉とともにアイスバーンとなった道路を爆走するシーンが思い浮かぶ人も多いだろう。

 現在1台流通しているST165型セリカGT-FOURの中古車のスペックは1988年式で、走行距離が約11.6万km、気になる価格は約220万円とかなり高額となっている。

 いっぽうのST185型セリカGT-FOURの中古車の内訳は限定車のRCが2台、GT-FOURが1台となっている。最も価格が安いのが車両本体価格80万円のGT-FOURで、年式は1992年式、走行距離は約14.1万kmとなっている。

 限定車のRCだが、1台は1991年式で走行距離17.2km、車両本体価格は117万円。

 そしてもう1台は希少価値の高いフルノーマル車で、1992年式、走行距離9.9万km。車両本体価格は約210万円とかなり高額だ。すでに流通台数が少ない絶滅危惧種となっているので、欲しいと思っている人は流通している時が狙い目いえるだろう。

ST185はスゴスバセリカをベースとした4WDターボで、流面形時代のスッキリしたデザインから一転ボリューム感満点のデザインを採用し3ナンバーサイズとなった


少ない中でまだ数があるのがST205

 そして、セリカGT-FOURの中古車の中心となっているのがST205型。このST205型セリカGT-FOURの中古車の流通台数も約17台となっている。

 1993年から1999年に販売されたST200型セリカの中古車の全流通台数が約41台なので、約42%がGT-FOURになっている。

丸4灯のヘッドランプにより精悍な表情に仕上げられていたST205。セリカでのWRCの最後のベース車両。WRC仕様はリアウイングがゲタ付きで高くなっていた

 また、中古車価格帯は約50万~約259万円と幅広くなっている。車両本体価格100万円以下の中古車の多くは走行距離が10万km以上となっている。

 そのいっぽうで、車両本体価格が200万円以上という高額な物件も数台あり、中には走行距離が2.7万kmという驚きの物件も見つかる。

 ボディカラーはラリーカーのレプリカが作りやすい白が最も多く、そのほかはシルバーとレッド、ブラックが数台見つかる程度となっている。

 こうして見ると、3世代に設定されたセリカGT-FOURの中古車を手に入れるにはST165型、ST185型は200万円、最終型のST205型でも予算は150万円が必要となるようだ。

 年式の進んだ中古車のため、トラブルの発生は避けられないようだ。ターボエンジンのため、タービンなどの補器類をはじめインタークーラーやラジエターなど冷却系のホース類のトラブル。そしてLSDやギアなどのオイル漏れのトラブルが多く発生しているようだ。

  スポーツカーゆえに熱い走りをされたクルマも多いので、購入したらアライメント調整やブレーキパッドの交換は無条件に行いたい。

 昭和から平成にかけてWRCで躍動したセリカGT-FOURの中古車を購入するチャンスは少なくなっている。

セリカGT-FOURは3代にわたり生産されてきたが、ラリーイメージが強いこともありカストロールカラーをはじめWRCマシンのレプリカ仕様も数多い

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