早くも第10戦の週末を迎えた2023年のNASCARカップシリーズは、4月21~23日にアラバマ州のタラデガ・スーパースピードウェイで『ガイコ500』を開催。前戦で今季初のトップ5を記録したデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が予選ポールポジションを奪取したものの、超高速戦らしく2回のオーバータイム・リスタートに及んだ決勝は、燃料給油を我慢しステイアウトの選択に“オールイン”したカイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が、リードパック6台のマルチクラッシュも回避してRCR移籍後2勝目を飾っている。
導入2年目を迎えた新車両規定Next-Genにまつわるパドックでの不平不満や、ドライバー同士の遺恨を残す関係性など、今季も“らしさ全開”で進むNASCARカップシリーズは、その過去と未来を見据えた施策も実施。
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1998年に選出された既存の50名が名を連ねる『グレーテスト・ドライバーズ』のリストに対し、過去数週間にわたって現役を含めた25名を追加する名簿を公開し、その『75グレーテスト・ドライバーズ』には前戦勝者で2021年カップ王者のカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)や、ハムリンらも含まれた。
また、レースウイークの火曜にはシリーズの未来に向けた計画として、持続可能性やコミュニティへの関与、その他のインパクト主導の社会的イニシアチブを調整および推進するために設計されたプログラム『NASCARインパクト』を立ち上げ、2022年初頭にも実施していた包括的な二酸化炭素排出量評価をさらに推進し、2035年までに排出量“Net Zero(正味ゼロ)”を目指すと表明した。
こうして始まったスーパースピードウェイの週末は、直前に『偉大なる75人』にも名を連ねた好調ハムリンが速さを見せ、180.751マイル(52.979秒)のラップでポールを獲得。自身とJGRにとって今季最初の最前列となった。
「僕はこの結果を予期していた。なぜなら昨季もすべてのトヨタ車がスーパースピードウェイで非常に良い予選を戦っていたからね」と、ここタラデガでキャリア初のポールポジションを射止めたハムリン。
「どうやらそれがNASCARに提出した僕らのボディの性質のようなものらしい。この種のレーストラックで速いことはわかっていたが、今年再提出したことで、よりバランスが取れたと思う」
■6レース欠場のエリオットがステージ1勝利
その11号車カムリが隊列を率いたグリーンフラッグ以降、ハイスピードな2.66マイルの勝負は72回のリードチェンジを記録した2011年に次ぐ57回の先頭交代を数える典型的な勝負となり、ハムリンはわずか7周のリードで最終的に15位に沈む厳しい展開に。
一方、前戦で好調さを披露したスチュワート・ハース・レーシング(SHR)陣営も、アリック・アルミローラやケビン・ハーヴィックらのフォード・マスタングがそれぞれ11周をリードし、午後のほとんどを先頭集団のなかで過ごす。
しかしステージ1で注目すべきパフォーマンスをみせたのは、脛骨の緊急手術を受けた後に計6レースの欠場を強いられていたチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)で、前戦より復帰もまだ万全の回復とはいかない状態ながら、この序盤で最も多くの周回で主導権を握ったダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)を逆転。最後の11周を制してステージウインを獲得してみせる。
アンダーグリーンのピットエントリーではブレーキングで姿勢を乱したタイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)がウォールにヒットし、その6周後にはチェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が白煙を上げながらリヤから突入する場面もありつつ、ステージ2では9人のドライバー間で17回のリードチェンジが発生。最後の最後でドラフティング勝負を制したアルミローラがエリオットを刺し切り、ステージ2を制覇していく。
残る最終ステージもバンパー・トゥ・バンパーの超高速バトルで王者ジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)らがウォールの餌食となるなか、最初のオーバータイム・リスタートでもアクシデントが発生。
先頭を行くノア・グラグソン(レガシー・モータークラブ/シボレー・カマロ)やアルミローラと“3ワイド”で挟まれたロス・チャスティン(トラックハウス・レーシング・チーム/シボレー・カマロ)が、ハイラインのグラグソンを弾き飛ばし、その煽りを受けた後続のラーソンやライアン・プリース(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)らも巻き込まれるマルチクラッシュとなってしまう。
最後のリスタートを前に、この日の196周のうち47周をリードしたライアン・ブレイニーチーム・ペンスキー/フォード・マスタング)とアルミローラが最前列に並び、背後にはウォレスのカムリとともに、延長戦リスタートに向け「リードパックに留まるべきかを考えながらクルーと話し続け、給油しないことに賭け」てステイアウトを選んだブッシュが続いていく。
■6台巻き添えのアクシデントに「みんな無事でよかった」とブレイニー
ここでブッシュと同じ戦略を採用していたタイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が、無念のガス欠で隊列を離れてリスタートを迎えると、残り2周で首位に躍り出たブッシュの背後から、ウォレスがアウトサイドに出てホワイトフラッグに突入する。
しかし背後のブレイニーから“ビッグプッシュ”を受けた23号車のカムリは堪え切れず、姿勢を乱してオースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)やA.J.アルメンディンガー(カウリグ・レーシング/シボレー・カマロ)ら6台を巻き添えにした“ビッグワン”を引き起こす結末に。
「勝利に向けた位置取りにいるなら、そこで獲りに行くだけだ。みんな無事でよかったけれど、僕の考えではあのようなトリプルムーブ、トリプルブロックは(ルール上)できないはずだ」と、再三に渡ってラインを変更したウォレスの動きを非難した2位ブレイニー。
「もちろん、リーダーであるバッバがブロックしようとするのは正しい。でも彼は3回以上ラインを変更したと思う。僕はどこかへクルマを逃さなくてはならないし、勝利から遠ざかるのもイヤだ。それにクルマがボロボロになるのはもっとイヤだからね」と、惜しくも55戦未勝利記録を止める千載一遇のチャンスを逃したブレイニー。
これでアンダーイエローとなり、スローダウン走行でフィニッシュラインを通過したブッシュは、この時点で「本来のチェッカーまでカマロに燃料は残っていなかった」と明かし、レース後のお祝いで恒例の“バーンナウト”さえなき状況で今季2勝目、キャリア通算62勝目を手にした。
「ときどき、こうした幸運も味方につけなきゃならないんだ」と、わずか3周のリードで移籍先のRCRにタラデガ通算13勝目をプレゼントしたブッシュ。
「彼ら(ブレイニーとウォレス)がレーストラックを上ったとき、そこで海が分かれた。彼らはプッシュドラフトを試みていたが、この種(Next-Gen)のクルマはそれを行うのに充分なほどの安定性がないんだ。23号車が少し横を向いているのを見て『邪魔すんなよ?』と祈ったね(笑)」
併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第9戦『Agプロ300』は、カップ同様の“ダブル・オーバータイム・リスタート”を制したジェブ・バートン(ジョーダン・アンダーソン・レーシング/シボレー・カマロ)が、チームにシリーズ初優勝をもたらしている。
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