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日米中韓 最新EV(電気自動車)の充電速度を比較してみた 「リアル」で速いのはどれ?

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日米中韓 最新EV(電気自動車)の充電速度を比較してみた 「リアル」で速いのはどれ?

「メーカー公称値」との間に差も…

EV(電気自動車)が世界的に注目を集める中、航続距離やバッテリーの安全性、車両価格などさまざまなトピックが話題に上がるようになった。今回は、「充電速度」に焦点を絞って、ユーザーの利用状況も考慮しながら、各メーカーの最新EVを比較していきたい。

【画像】世界で戦う日本の最新EV【トヨタ、レクサス、スバル、日産の最新モデルを写真で比較】 全75枚

2022年秋以来、AUTOCAR英国編集部は、試乗したすべてのEVで急速充電性能のベンチマークテストを行ってきた。本稿ではその中から、日本、米国、中国、韓国の最新モデルをピックアップした。欧州車も含む包括的な評価ランキングについては、別の記事(後日投稿予定)でまとめたい。

これはすべてのEVに当てはまることだが、充電速度はバッテリー残量が満タンに近づくにつれてかなり遅くなることが予想される。しかし、一部のモデルでは、メーカー公称値(カタログ値)と実世界での充電速度に大きな違いが見られる。

適切な充電器を見つけたとして、最新EVの実際の充電速度はどれくらいなのだろうか? そして、一番速く充電できるのはどのモデルだろうか?

【重要】EV充電速度のテスト方法

AUTOCAR英国編集部が実施している急速充電テストは、対象車両のピーク充電速度を満たせる出力の急速充電器を使用し、10%、30%、50%、70%、90%の充電率(SOC)において、実際にどれだけの電力がバッテリーに送られているのかを観察し、記録するというものである。

実用上、すべてのテストに同じ充電器を使用することはできない。また、可能な限り充電前にバッテリーをプリコンディショニングする(状態を整える)が、多くのEVでは充電率が10%以下になるとプリコンディショニングができない。

試乗するEVはおおむね英国仕様の車両であり、充電設備のレベルも基本的には英国の水準となる。当然ながら、充電器の性能はメーカーや運営会社によっても変わるし、充電時の天候もある程度考慮しなければならないだろう。

そして、一般的にユーザーが重視するであろうポイントを反映した「重み付け」を行い、テスト結果を平均化する。公共の急速充電の利用料金は、一般家庭での充電に比べて比較的高価である。ほとんどのユーザーは、定期的な習慣(通勤など)ではなく、特定の移動のために急速充電を利用する傾向にあるため、充電率20%未満から急速充電を行ったり、80%を超える充電を行ったりする人は多くない(時間効率が悪く、バッテリーの寿命にも大きな影響を与えるため)。

そのため、充電率50%を超えたときに示す速度は、10%や90%といった極端な充電率で示す速度の3倍、同様に70%や30%で示す速度はそれらの2倍重要と捉えている。ややこしいかもしれないが、現実的な利用状況を評価に含んでいると考えていただきたい。

あくまで本稿執筆時点でテスト済みのモデルをピックアップしているため、最新モデルなどでは残念ながら評価が間に合わなかったものもある。その点もふまえていただくと幸いだ。

トヨタbZ4X AWDモーション(2022年)

メーカー公称値のピーク速度:150kW
テスト時のピーク速度:147kW
重み付け後のテスト時平均充電速度:89kW
使用可能バッテリー容量:64.0kWh
充電待機時間(10~90%):36.5分
テストに使用した充電器:ABB HP CP500C(Ionity社運営)
テスト時の天候:記録なし

レクサスRZ 450e(2023年)

公称値ピーク速度:150kW
テスト時のピーク速度:138kW
重み付け後のテスト時平均充電速度:84kW
使用可能バッテリー容量:64.0kWh(推定)
充電待ち時間目安(10~90%):40.2分
テスト充電器:ABB HP CP500C(Ionity社運営)
テスト時の条件:ドライ、摂氏12度

スバル・ソルテラAWDツーリング(2023年)

公称値ピーク速度:150kW
テスト時のピーク速度:147kW
重み付け後のテスト時平均充電速度:78kW
使用可能バッテリー容量:64.0kWh
充電待機時間(10~90%):42.8分
テスト充電器:Tritium TRI 121-350(Gridserve社運営)
テスト時の天候:ドライ、摂氏6度

テスラ・モデルY RWD(2023年)

公称値ピーク速度:170kW
テスト時のピーク速度:127kW
重み付け後のテスト時平均充電速度:89kW
使用可能バッテリー容量:82.0kWh(推定)
充電待機時間(10~90%):48.2分
テスト充電器:V2スーパーチャージャー(テスラ社運営)
テスト時の条件:ドライ、摂氏16度

BYDアット3(2023年)

公称値ピーク速度:150kW
テスト時ピーク速度:89kW
重み付け後のテスト時平均充電速度:62kW
使用可能バッテリー容量:60.0kWh(推定)
充電待ち時間(10~90%):46.8分
テスト充電器:ABB HP CP500 CJ(Gridserve社運営)
テスト時の天候:ドライ、摂氏12度

ヒョンデ・アイオニック6 RWDアルティメット(2023年)

公称値ピーク速度:233kW
テスト時ピーク速度:229kW
重み付け後のテスト時平均充電速度:180kW
使用可能バッテリー容量:77.0kWh
充電待機時間(10~90%):22.2分
テスト充電器:Tritium TRI 121-350(Gridserve社運営)
テスト時の天候:ドライ、摂氏13度

キアEV6 GT

公称値ピーク速度:350kW
テスト時ピーク速度:233kW
重み付け後のテスト時平均充電速度:169kW
使用可能バッテリー容量:77.4kWh
テスト充電器:Tritium TRI121-350
テスト時の天候:ドライ、摂氏30度

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みんなのコメント

28件
  • 熱を持つと入れられないので熱管理が物を言いますよね。
    それとバッテリーにどこまで優しく設定しているのかも。
  • この記事書いた人もEV乗ってないと思うが一応書いとく
    電池容量が異なる車種で10%〜90%充電タイム比べても意味が無い
    やるなら時間当たりの充電電力量で比べないとだめ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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