盤石のRB26改2.8Lに最新のGTIII-4Rシングルタービンをセット
時代に合わせて進化を続けるカンサイサービスのBNR34
「オートサロンで最も“地味”なショーカーの秘密」純白のBNR34が秘めるリアルチューンド感【東京オートサロン2020】
名門“カンサイサービス”のブースに展示されていた純白のBNR34。実はこのチューンド、カンサイサービスが新車から長年大切に維持してきた1999年式のVスペック N1で、走行距離はわずか3万km、オークションに登場したなら間違いなく数千万円のプライスがつくであろう超極上車なのである。そこに、GT-Rらしい走りを楽しめるファインチューンを施し、大人のスポーツカーへとアップデートしているのだ。
美しすぎるエンジンは、定番のHKS製ステップ2キットによる2.8L仕様。可変バルタイシステムであるVカムとの相乗効果により、低回転から高回転までワイドなパワーバンドを実現している。HKS RタイプインタークーラーやSタイプオイルクーラー、Kansaiアルミラジエター(生産終了品)などで、冷却系もしっかりと強化している。
タービンも最新のGTIII-4Rシングルとすることで、抜群の扱いやすさと速さを両立。ニスモの強化ポンプに650ccインジェクターをF-CON Vプロ3.4で制御し、最高出力618ps/7420rpm、最大トルク69.7kgm/4970rpmを獲得しているのだ。
注目すべきは、新たにリリース開始となったカーボンプロペラシャフト。「純正が手に入り難くなっているので開発していたものですが、ようやく純正を超える強度で振動もないものが完成しました。自分が欲しくて作っただけに、性能には絶対の自信がありますよ!」という向井代表の力作なのだ。
また、長年再販が望まれていたカーボンボンネットも、新たに型を製作して販売を再開。クーリングダクト付きのデザインは従来のままだが、最新技術の雌型となって精度はさらに向上。純正キャッチ対応で剛性と軽さを両立させた裏面の構造も、カンサイサービスならではの拘りが詰め込まれている。
足回りは、車高調がHKSハイパーマックスIIIスポーツで、カンサイサービスのピロテンションロッド(生産終了品)やロールセンターアダプター&ロングタイロッドエンド、ニスモのサーキットリンクとスタビライザーを組み合わせ、幅広いセッティングを可能にしている。
ホイールはヨコハマのアドバンレーシングR6で、サイズは前後とも10.5J×18+15。レーシングブラスゴールドカラーがホワイトのボディとベストマッチだ。タイヤは前後とも265/35R18サイズのアドバンネオバAD08Rとなっている。
要所を効果的に補強するボディパーツも、カンサイサービスの得意とするところ。車内には後席の使用を妨げないロールバー状の“リフレッシュバー”、他にもボディ下部に装着するロアブレスバーやトランスミッションメンバーカラーもラインナップしている。
さりげないデザインのカーボンサイドステップとリヤアンダースポイラーは、カンサイサービスオリジナル。錆びやすいノーマルのリヤディフューザーステーをステンレス素材で製作した“リヤディフューザースマートキット”も注目のアイテムだ。
煌びやかなショーカーが溢れるオートサロン会場で、ステッカーすら最小限しか貼られていないこのBNR34は確かに地味だった。しかし、向井さんは言う。「地味ですよね。でも、ショーカーだからと言って、お客さんの参考にならない改造はしたくない。目立つのは他のショップさんに任せればええんです。ボクはそう思う」。
●取材協力:カンサイサービス 奈良県奈良市小倉町1080 TEL:0743-84-0126
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こう言う車が減り否定はしないのが、派手にエアロやビス止めのフェンダーを付けた車が増えた。