小さく軽く、強力なクルマの楽しさを再確認
大幅にレストモッドされたエリーゼは、本物のロータスだろうか。アナログ・オートモーティブ社が仕上げた、スーパースポーツだ。
【画像】2024年のBBDC選手権ノミネート車両10台 GRヤリスにエメヤ、アルトゥーラまで! 全83枚
ベースとなったのは、2000年式のエリーゼ S1 スポーツ160。完全にバラされ、最新技術で作られた部品へ置換され、新車時以上の丁寧さで組み立て直されている。トレッドは広げられ、最高出力は213psへ上昇している。
サスペンションのボールジョイントや、フロントのウイッシュボーンは専用開発。リミテッドスリップ・デフはクワイフ社製。5速MTの内部構造もアップデートされている。
エンジンは、ローバーのKシリーズ・ユニットを継承するが、鍛造部品でリビルド済み。スロットルボディがシリンダー毎に並ぶ。果たして、格段に高速なロードスターへ仕上がっている。
過去にも、BBDC選手権へレストモッド・モデルは加わってきた。好成績を残した例もあれば、振るわなかった例もある。だが、トップ3へ勝ち残る傑作は登場していない。
699kgのスーパースポーツは、小さく軽く強力なクルマの楽しさを、再確認させてくれた。激しく共鳴する吸気音と、爆竹のような破裂音が混ざる排気音が、そんな喜びを強調していた。
適度な重み付けの操縦系が、全力で走ろうという気にさせる。疲れることは確かだが、ドライバーズカーに相応しい。サスペンションは、エリーゼほどの繊細さはないものの、出色の減衰力で不整へ順応。恐らく、サーキットで真価が発揮されるはず。
歴代のマクラーレンで最高のロードカー
これ以上にサーキット向きなのが、マクラーレン・アルトゥーラだろう。2024年仕様は、サスペンションとステアリングが改良され、精度が上昇。V6エンジンも若干増強されている。
公道の速度域では楽しみきれないな、というのが筆者の本音。磨き込まれすぎ、ともいえるかも。だが残り5名の審査員は、仕上がりに納得の様子。
マット・ソーンダースは、「サスペンションがしなやかで、ステアリングは適度に重く繊細。正確な反応と、旋回中の安定性のバランスが素晴らしい」。と称える。
ジェームス・ディスデイルも、「歴代のマクラーレンで最高のロードカー」。だと笑みを浮かべる。「この血統らしい、見事な操縦性と姿勢制御が融合しています」。と評するのは、リチャード・レーンだ。
こんなアルトゥーラと別のベクトルを持つミドシップ・スーパーカーが、ノーブルM500。M600のシャシーへ改良を加え、フォード由来のV6ツインターボを強化し、新しいボディを被せたモデルといえる。ただし、まだ完成した状態ではない。
10台の中で、これは特に意見を二分した。アンドリュー・フランケルは厳しい。運転姿勢の悪さ、上部が隠れるメーターなど、不備の多さを指摘する。シフトレバーの長いストロークに、大きなターボラグ、クラッシュ時に頭部を痛めるであろう構造も。
筆者も、プロトタイプ的な部分には否定的だった。とはいえ、シャシーの完成度の高さは明白。サスペンションとステアリングのフィーリングも、大きな美点だった。未完成な領域を、どこまで減点材料にするかで評価は変わる。
はぐれラリーマシン 公道で使い切れる実力
今年は、エンジンを積んだホットハッチが2台含まれた。2024年に大改良を受けた、トヨタGRヤリスとフォルクスワーゲン・ゴルフ Rだ。
英国価格はお手頃とはいえない、4万ポンド(約780万円)超え。もはや、気軽に選べるドライバーズカーではないが、ボディサイズは適度に小さく、スタイリングも派手すぎない。実用性も担保され、真の喜びを享受できる点で共通している。
先に確かめたのは、ゴルフ R。このモデルの強みは、日常との親和性が重視されていること。純粋なドライバーズカーとして評価を始めると、輝きが弱いように思えてくる。
速さは間違いなし。リアアクスルへ駆動力が積極的に伝わり、鋭くコーナーを駆け抜けるさまは爽快そのもの。それでも公道を飛ばす限り、今回の10台では強く興奮を誘う側にはない。
一方のGRヤリスは、さながら、はぐれラリーマシン。これが同じヤリスなのか、という驚きも伴う。3気筒ターボの実力を、公道でしっかり使い切れる。
アップデートを受け、扱いやすさは向上。すべての入力へ鮮明に反応し、ステアリングの情報量は僅かに増えている。サウンドも自然になった。低くなった着座位置も好ましい。シフトレバーはやや硬いが、小柄なボディのマニュアルは、やはり面白い。
カーブでもストレートでもドラマチック
この対局にあるのが、フォード・マスタング・ダークホース。やって来た車両には、10速ATが載っていた。
マッスルカーらしく、V8を唸らせた豪快な加速は痛快。反面、精鋭揃いの中で、操縦性の磨き込みが不充分だったことは否めない。恐らく6速MTでも、上位に食い込むことは難しかっただろう。
ステアリングの感触は人工的で、ダイレクトさが乏しい。ドライバーをマスタングへ惹き込むには、サスペンションの洗練度も高めたいところ。
同じくV8エンジンを積む、アストン マーティン・ヴァンテージもマッスルカー的な雰囲気を宿す。同時に、高次元なスポーツ・グランドツアラーでもある。
メルセデスAMG由来のツインターボ・ユニットは、英国ゲイドンの技術者によって増強。聞き惚れるサウンドへ調律されている。カーブでもストレートでも、ドラマチックさには事欠かない。
シートヒーターをオンにして公道へ。乗り心地は硬めながら、かなり快適。FR+LSDという組み合わせは、トラディショナルでも素晴らしいものだと再確認する。ステアリングには明確なフィードバックがあり、濡れた路面でも安心感は揺るぎない。
ヘアピンカーブではトラクションを活かし、テールスライドさせつつ豪快に脱出。トラクション・コントロールの効きも巧妙だ。疲れて判断力が若干鈍っていても、思い切り楽しませてもらった。サーキットでは、更なる力を発揮するのではないだろうか。
この続きは、BBDC 2024(4)にて。
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