2023年8月3日、本田技研工業は軽自動車でスーパーハイトワゴンのホンダ N-BOX(エヌボックス)をフルモデルチェンジさせると発表した。2023年秋の発売に先駆けてホームページを公開するとともに、8月から先行予約の受付を開始するという。
今回はデザインの公開。パワートレーンや主要諸元は今後明らかに
2000年代にダイハツ タントやスズキ パレットなどがヒットしていた軽乗用車のスーパーハイトワゴン市場において、ほぼ最後発として2011年12月に発売されたN-BOXは、ホンダが得意とするセンタータンクレイアウトによるとにかく広い室内空間を持ち、そしてリアゲート開口部の低さ・大きさによりママチャリをそのまま飲み込むなど幅広い使い方に対応する懐の深さを評価されて、翌2012年以降の自動車販売台数(総合)で上位の常連となっていた。
N-BOXは、ホンダが本気の「軽」造りを復活させたモデルだった【10年ひと昔の新車】
2017年に登場した2代目でその勢いはさらに増して、現在8年連続の軽自動車販売台数No.1記録を更新中だ。そんな大物がさらにフルモデルチェンジして2023年秋に発売、また2023年8月から予約注文の受付を開始されるという。これを前にした今回、3代目に進化した新型N-BOXとN-BOXカスタムのエクステリア・インテリアデザインが公開された。
飾りっ気は少ない。でも商用車には見えないデザインの妙
その第一印象は歴代モデルからのキープコンセプトだ。ボディの四隅に配置されたタイヤと、カタカナの「コ」の字を描くようにつながるルーフからリアピラー、ドアパネルのショルダーラインなどシルエットは初代から引き継がれている。
また、大きく四角いヘッドライトに直線的ラインをともなったボディワークは従来モデルと同様とした上で、Lサイズミニバンのステップワゴンにも通じる近年のホンダらしいシンプルさを感じさせるものだ。多くのキャラクターラインで個性を出すのではなく、1本のプレスラインを直線的に配置すことでプレミアム感もある。
軽自動車の規格にボディサイズを合わせて室内空間の広さを重要視している以上シルエットの大幅な変化は難しく、クルマ全体を見ると大きく変わったように見えないかもしれないが、細かいデザインディテールの多くを刷新して新しさを表現されている。
ベースモデルのN-BOXを見てみるとヘッドライトにN-VANにも採用されているリング状のデイタイムランニングライトを採用、フロント開口部とグリルに開けられた小穴の集合デザインにより、うさぎや小型犬のような愛嬌ある顔立ちだ。可愛らしさに加えてフロントバンパー開口部の両サイドにボリュームをつけることで低重心さや走りのイメージを想起させるものとしている。
ウインカーランプの機能も併せ持つリング状デイタイムランニングライトは、円の上下を隠されるように配置されるが、実はこれ「ひとの目」を元として黒目が上下のまぶたに少し隠れている状態をデザインされたという。
リアに目を移してもシンプルデザインの印象は変わらず、縦に長いテールランプとリアゲートを横に走るプレスラインも直線的で飾り気は薄い。それでも商用車っぽく見えないのは、テールランプを柔く光らせる光源デザインのおかげかもしれない。
素材にこだわったインテリアデザイン
インテリアもエクステリアと同様に直線的ですっきりした視界を実現するシンプルなデザインとなっている。従来モデルとは異なる水平2本スポークのステアリングホイールも、これにならったものだ。こうしたデザインに調和するように配置されているのがインパネトレーやカップホルダーなど使い勝手を高める収納の数々である。
収納の充実さは従来モデルから引き継がれているものだが、こだわりを感じさせるのがインパネまわりの表皮に採用される素材だ。ベージュをベースにしたN-BOXのインテリアにはコルクをイメージさせる素材や、リビングの壁紙のようなシボをデザインした素材など、プレミアム感と居心地の良さを感じさせるものとしている。
シート表皮の素材も同様にソファーのようなマテリアルを使用されるが、こちらはさらにベージュ系と黒系のツートンカラーとすることで室内空間の広さを強調するデザインになっている。シートバックの形状も上部を絞るように細くすることで視覚的な広さを演出しているという。
室内空間の広さだけではない。遊び心と優しさを詰め込まれた新型N-BOX
そして最大の特徴はやはり使い勝手の良さと広さだ。とはいえ、軽自動車の規格内であることから空間の拡大は少しにとどまる。パッケージングを磨くことで従来モデルと比較して頭上スペースを5mm、前席の左右幅を5mm拡大している。後席は従来モデル同様に大人が容易に足を組めるほどの足元空間の広さを確保し、その上で左右幅を55mm広くすることでショルダールームを拡大、居住スペースだけでなく荷室の積載性向上にもひと役かっている。
初代から実現されていた自転車の積載も、乗せやすさ向上、そして安定性も高められている。これはリアゲートの最低位置と荷室最後部のボードを低くすることで積載安定感も高められているのだ。
インテリアで面白いのがファミリー層に嬉しい細やかなしつらえだ。例えば後席左右にあるホルダーはペットボトルやティッシュボックスを挿入できるだけでなく、Nintendo Switchのような携帯ゲーム機を安定して収納できるサイズにされていること、充電可能なUSBソケットをオプションで用意しているなど、子どもが長時間乗ることを考えられているのだ。
さらにリアドア開口部の室内側内張りには低いところまでくぼみをつけられて、子どもがひとりで乗り込むときに手をかけやすいようになっているうえ、リアスピーカーのカバーはミニカーを走らせるのにちょうどいい幅のスリットを刻まれていると、とにかく芸が細かいのだ。
とある医薬品に「・・・の半分は優しさでできている」なんて有名なキャッチフレーズもあるが、N-BOXを見ているとまさにこれと同じような印象を抱く。もちろんファミリー層だけが恩恵を受けるものではない。誰がどの席に乗ってもこの優しさを感じられるはずだ。
そうそう、新型N-BOXの内外装には「N」の文字やイラストが隠されているという。5つは見つけられたのだが、これ以外にもまだ存在するようだ。実車を前にしたらどこにあるか探してみてはどうだろうか。
新型N-BOX、N-BOXカスタムのグレード編成や車両価格、主要諸元など詳しい情報はまだ公開されていない。2023年秋に発売予定で、これを前にした8月からホームページで情報を公開、先行予約の受付も開始するという。
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みんなのコメント
ステップワゴンが不調なのに何で似たようなデザインにするんだろうね
あと一文字ハンドルはクソダサいと思う、廉価グレードの象徴だよ