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マクラーレン、カナダGPは開発の成果見極める重要な一戦。低速コーナーの弱点は本当に解消できたのか?

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マクラーレン、カナダGPは開発の成果見極める重要な一戦。低速コーナーの弱点は本当に解消できたのか?

 マクラーレンにとって、低速コーナーは長年悩まされてきた弱点だったが、F1カナダGPはその弱点が解消されているのかを確認する重要な一戦となる。

 マクラーレンは2023年のシーズン中盤のアップデートで大幅にパフォーマンスが向上。特に高速セクションを得意とし、カタールGPなどではレッドブルに次ぐ速さを発揮した。

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 しかし低速コーナーや、空力効率の悪さからくるトップスピード不足などを欠点としていた。

 今シーズンもそういった弱点がほぼそのまま引き継がれていたが、マイアミGPでシーズン最初のアップデート・パッケージを投入したことから、流れが変わったようだ。

 マクラーレンはマイアミGPで、ランド・ノリスが初優勝を挙げたが、このときマクラーレンは数少ないハイダウンフォースのコーナーで速かったが、低速コーナーからのトラクションという点ではフェラーリがわずかに勝っていた。

 エミリア・ロマーニャGPでは、フェラーリのカルロス・サインツJr.がコーナーで最速だったが、マクラーレンはストレートでフェラーリを上回っていた。

 そして迎えたモナコGPでは、フェラーリがモナコのストレートとタバココーナーを最速で駆け抜けたのに対し、マクラーレンはヘアピンとシケインではポールシッターのシャルル・ルクレール(フェラーリ)よりも速かった。

「マイアミに持ち込んだマシンは低速での挙動が良く、ほとんど我々の予想を超えていた」

 マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、アップデート以降のレースをそう振り返った。

「マイアミは低速コーナーが支配的だった。モナコで僕たちが最も苦戦していたのはセクター1で中高速セクターだった」

「つまり、我々の競争力の図式がようやく変わり始めたということだ。低速が明確な弱点であるようには思えなくなってきた」

 カナダGPの舞台となるジル・ビルヌーブ・サーキットは、モナコ以上にマクラーレンが弱点を解消できたかが試される、最良のテスト地だと言えるだろう。低速コーナーでストレートを繋いだようなレイアウトで、低速コーナーからの加速や空力の効率性が大事となるコースだ。

 バンピーで縁石をうまく使う必要もあり、これまでの傾向で言えばレッドブルやマクラーレンよりもフェラーリが得意としているコースだと考えられる。

 ノリスは、「僕たちのマシンはいくつかの異なるタイプのサーキットで良いパフォーマンスを見せてきたけど、カナダでは僕たちの仕事がうまくいかないかもしれないことは分かっている」と付け加えた。

「ライバルたちはここでも強いだろう」

 ステラ代表は、サーキットの路面が再舗装により以前よりもいくらかスムーズになっているとはいえ、マクラーレンには縁石やバンプに対して“やるべきこと”が残っていると警告した。

「我々は縁石やバンプでの挙動に完全に満足しているわけではない」

「それには今使えるモノで対応するのではなく、もっと根本的な開発が必要になるだろう」

「セットアップで対応する余地があるのは確かだが、他のクルマで見られるような乗り心地や対縁石性能を実現できていないようだ。ドライバーたちは、他のクルマはもっと自信を持って縁石に乗れているようだと口を揃えて言うんだ」

 チームが予想していた以上に低速域でのパフォーマンスが向上している一方で、ステラ代表は高速域でのパフォーマンスも犠牲になっていないと確信。今後のスペインGPやオーストリアGPでその面でも真価が問われると話した。

「他の機能を追い求めるあまり、マシンの長所を犠牲にしないようにするのが開発の目的だ」

「これは常に可能なことではないが、最終的には各チームが行なう開発のクオリティの一部なんだ」

 昨年のカナダGPは、マクラーレンにとって大躍進のきっかけとなるアップデートが入る前、最後のレースだった。ノリスは9番手でフィニッシュしたが、レース後の5秒加算ペナルティで13位、オスカー・ピアストリも11位でポイントは獲得できなかった。

 それから1年、チームはそんな結果が繰り返されることはないと思われるほど、パフォーマンスを向上させた。今回のレースはチームにとって、苦手としてきたレイアウトのコースで、本当にオールラウンドなパッケージを備えているのかどうか、見極めるための一戦となる。

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