■「SUV王国トヨタ」に小さな新型SUV追加なるか?
トヨタ・モーター・ヨーロッパ(TME)は、2020年1月14日(現地時間)に、新型「ヤリス」に採用されたGA-Bプラットフォームを使った「新型コンパクトSUV」を欧州市場に導入すると発表していました。
【詳細画像】新型SUVはライズ&C-HRと何が違う?(32枚)
その後、同年3月に開催予定だった「ジュネーブモーターショー2020」でのお披露目を予定していましたが、未だにお披露目されていません。ヤリスと同じプラットフォームを使ったコンパクトSUVとは、どのようなモデルなのでしょうか。
2020年2月28日、新型コロナウイルスの影響で、スイスで開催される予定だったジュネーブモーターショー2020が中止となりました。スイス連邦評議会が同日に「3月15日まで1000人を超えるイベントは開催できない」という禁止令の決定を受け入れての判断です。
今回のジュネーブモーターショー2020で世界初公開されるはずだった新型モデルのいくつかは、本来プレスデーとして予定されていた3月3日から4日にインターネット上で急遽開催された「バーチャルプレスカンファレンス」で紹介されましたが、まだお披露目されていないモデルも数多くあります。その1台がトヨタの「新コンパクトSUV」です。
TMEのエグゼクティブ・バイス・プレジデントのマット・ハリソン氏は、導入発表時のコメントとして、次のように述べています。
「このモデルはヤリスにクラッディング(樹脂パーツ)と車高を上げたサスペンションをプラスしたのではなく、ダイナミックなデザインと独自の個性を与えた全く新しいBセグメントのSUVモデル」
2020年3月中旬時点では、1枚のイメージスケッチと1枚のティザー画像(リアセクション)のみが公開されているのみですが、このモデルは一体どのようなクルマなのでしょうか。
トヨタのコンパクトカー戦略は大きく分けると日本/欧州など「先進国向け」に特化したモデルと、アジア圏など「新興国向け」に特化したモデルのふたつとなります。
2020年2月に発売された新型ヤリスは前者の「先進国向け」ですが、新型コンパクトSUVはヤリスファミリーの一員になるのです。
なぜ、新型コンパクトSUVがヤリスファミリーの一員かと断言できるかというと、筆者(山本シンヤ)は、ジュネーブショー2020の前に、この新コンパクトSUVのチーフエンジニアへの取材リクエストをおこなっていましたが、トヨタ広報からの返答は「ヤリスのチーフエンジニア・末澤泰謙氏が対応いたします」とのことでした。
また、前出のマット・ハリソン氏は「ヤリスと共に2025年までに欧州のトヨタ車販売台数の約30%占めると予想」と語るように、トヨタの欧州市場における重要な一台となのです。
スケッチとティザー画像を見ると「RAV4」のようなフェンダーアーチと「C-HR」のようなリアウィンドウ処理、そしてレクサス「UX」のように寝かされたCピラーと、ボディシルエットはヤリスとは全く異なります。
プラットフォームはヤリスで採用されたTNGAの最新作「GA-B」を使います。TNGAの特徴は「プラットフォーム/パワートレインを中長期的に使えるように高いレベルを実現させ、それを皆で共用する」という技術のモジュール化です。
ただし、最初に固定部位と変動部位を決めることで、ひとつのプラットフォームで複数のバリエーション対応が可能となるので、新型コンパクトSUVはヤリスより大きく、全幅も3ナンバーサイズ(ヤリスは5ナンバーサイズ)、ホイールベースも異なるはずです。
パワートレインは未公開ですが、恐らくヤリスと同じく1.5リッター直列3気筒の「ダイナミックフォースエンジン」と、このエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドの2タイプを設定しているはずです。
駆動方式はFF/AWDが用意されますがAWDメインでしょう。ヤリスのAWDのリアサスには凝った形状のダブルウォッシュボーン式が採用されていますが、新コンパクトSUVでの採用も前提に開発されたと思われます。
ちなみにティザー写真を見ると、エンブレムに「HYBRID AWD-i」とあるのが気になります。ヤリスにもAWD(E-Four)が設定されています。ヤリスのE-Fourは発進補助がメインですが、HYBRID AWD-iはより積極的なAWDだと期待しています。
■ヤリスベースの新型SUVは日本導入ある?
では、この新型コンパクトSUVは日本に導入されるでしょうか。筆者の予想は「YES」です。
欧州での販売台数は、WRC参戦によるイメージ向上も相まって増加傾向ですが、ほかの仕向地(地域)と比べるとそれほど高くはありません。
となると欧州のみの販売では台数的にも厳しいため、ほかの仕向地でも販売を考えるのは自然な流れでしょう。
また、トヨタのコンパクトSUVラインアップを見ても必要とされているのは明らかです。
国内のトヨタには、「ライズ」、「C-HR」、「RAV4」、「ハリアー」、「ランドクルーザープラド」、「ランドクルーザー」、「ハイラックス」という、大小さまざまなSUVがラインナップされています。
なかでも、5ナンバーサイズの「ライズ」、SUVクーペの「C-HR」は共に好調なセールスではあるものの、どちらも変化球のモデルであり、「直球勝負のモデルが欲しい!」という声は販売現場からも多いようです。
そのポジションを補うのが、この新型コンパクトSUVとなり、まさに打ってつけのモデルといえるでしょう。ライバルはホンダ「ヴェゼル」です。
ヴェゼルは、ライズやC-HRと比べると高い居住性を持っているコンパクトSUVのなかでは王道なモデルといえます。
では、ジュネーブモーターショー2020が中止となり、バーチャルプレスカンファレンスもおこなわれなかった新型コンパクトSUVのお披露目はいつになるのでしょうか。
日本のトヨタ広報に聞くと、「発表は延期、日時は未定」とのことですが、欧州戦略車であることから推測すると、2020年4月のニューヨークショーや、6月のデトロイトショーで発表される可能性は極めて低いでしょう。
筆者は、ほかのモーターショーとのバッティングを避けることも考えて、5月頃に独自のお披露目イベントが開催されるではないかと予想しています。
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