「100」の頃より数えて8代51年の歴史を持つ“クワトロ”アッパーミドルセダン、アウディA6。1955年の初代誕生より15代64年にわたり日本の高級車市場をリードしてきたFRミドルラージサルーン、トヨタ・クラウン。そのボディサイズ、最小回転半径、荷室容量などを比較してみよう。
2018年3月に本国デビューし、日本には1年後の19年3月より販売開始した「C8」こと8代目アウディA6と、同じく18年6月に6年ぶりの世代交代を遂げた15代目「S22#」系トヨタ・クラウンは、いずれも両メーカーの最上級モデルとプラットフォームを共有している。A6はA8やA7などと同じフォルクスワーゲングループの「MLB evo」、クラウンはレクサスLCやLSと同じ「TNGA GA-L」だが、いずれも先行したモデルの縮小版に位置付けられる。
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果たして両車の使い勝手は? A6はセダンの「55TFSIクワトロSライン」日本仕様、クラウンは2.0Lガソリンターボ車の「RSアドバンス」で比べてみた。
アウディA6セダン55TFSIクワトロSライン 全長×全幅×全高:4950×1885×1430mm ホイールベース:2925mm トレッド:フロント1625/リヤ1610mm
トヨタ・クラウン2.0LターボRSアドバンス 全長×全幅×全高:4910×1800×1455mm ホイールベース:2920mm トレッド:フロント1550/リヤ1550mm
ホームであるドイツを重視しながらグローバルでの販売が前提のA6と、ほぼ日本専用モデルであるクラウンとの決定的な違いが、この全幅とトレッドに表れている。クラウンの1800mmという全幅は日本の道路・駐車場環境において通行・入庫可否を分ける分水嶺であり、クラウンは15代目においてもこれを死守した。
アウディA6セダン55TFSIクワトロSライン 最小回転半径:5.7m
トヨタ・クラウン2.0LターボRSアドバンス 最小回転半径:5.5m
A6は245/45R19、クラウンは225/45R18タイヤを装着し、ホイールベースは2920mm超に達しているが、縦置きエンジンを利して比較的優秀な値に収まっていると言えよう。なお、A6は後輪操舵機構「ダイナミックオールホイールステアリング」を装着すると5.2m、クラウンは215/55R17タイヤ装着グレードの2WD車を選択すると5.3mにまで縮小され、狭い交差点では内輪差の方がむしろ心配になるほど小回りが利くようになる。
アウディA6セダン55TFSIクワトロSライン 荷室容量:530L
トヨタ・クラウン2.0LターボRSアドバンス 荷室容量:431L
数値上の容量はクラウンの方が約100Lも小さいのだが、ゴルフ好きの重役や自営業者に愛され続けているクラウンにおいて、9.5インチゴルフバッグを4つ積めるというのは、全幅1800mm以内と同じレベルで死守すべき設計要件。新型においてもハイブリッド車の一部を除いて当然のごとくクリアしており、この点の使い勝手においてはA6を上回っている可能性さえ充分に考えられる。
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