ゲイドン、ウォリックシャー(英国)発
フォーミュラで培ったパフォーマンス重視の手法とテクノロジー、目を見張るデザイン、スリリングなドライビング・ダイナミクスを融合したヴァルハラは、類まれな性能を誇るスーパーカーだと彼らはいう。
【画像】アストン マーティン・ヴァルハラを写真でみる 全98枚
現在、開発は最終段階を迎え、アストン マーティンの画期的なミッドエンジン・ハイブリッド・スーパーカーの全貌がついに明らかになった。
究極のドライバーズ・スーパーカーに相応しく、ヴァルハラは、数々の「初」を達成しているという。アストン マーティン初の量産ミッドエンジン・スーパーカーであり、初のプラグインハイブリッド車、EV専用モードでの走行性能を持つ初の量産車でもある。
さらに、アストン マーティン史上最高のパフォーマンスを誇るV8エンジンである、ビスポークの4Lツインターボ・フラットプレーンクランクV8エンジンを搭載した初のモデルとなることに加え、電気モーターとリア電子制御ディファレンシャル(E-デフ)を備えた、新しい8速デュアルクラッチ・トランスミッション(DCT)を初めて採用している。
ヴァルハラは、新たなデザイン言語を取り入れている。エクストリーム・スーパーカーとしてのパフォーマンスを新しいフォルムとプロポーションで表現し、アストンマーティンならではの完璧でピュアなラインが、強力なダウンフォースを生み出す革新的なアクティブ・エアロダイナミクスと見事に融合。
ダイナミクス、エアロダイナミクス、素材に関しては、アストン マーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームのコンサルティング部門であるアストン マーティン・パフォーマンス・テクノロジーズ(AMPT)との緊密に協力し、ヴァルハラのデザインと開発に新たな次元の知識と技術がもたらされた。
この重要な貢献によって、アストン マーティンはスーパーカーのエンジニアリングとパフォーマンスの限界を押し広げ、公道で輝き、サーキットでその真価を発揮する車を実現しているという。
究極のドライバーズ・スーパーカー
アストン マーティンの最高経営責任者(CEO)であるエイドリアン・ホールマークにとって、ヴァルハラはウルトラ・ラグジュアリー・ハイパフォーマンス・ブランドとしての未来のビジョンを体現するもので、次のように述べている。
「4年前、私たちはアストン マーティンブランドの変革の旅に出ました。長年にわたって築き上げてきた比類のないラグジュアリーの名声に、F1からインスピレーションを得た最先端のテクノロジーと、クラス最高水準のパフォーマンスを融合させ、世界で最も成功を収めるブランドとなることを目指したのです。
次世代スポーツカーが発売以来高い評価を受ける中、アストン マーティン初のミッドエンジンの量産モデルである究極のドライバーズ・スーパーカー、ヴァルハラをポートフォリオに加えました。
スペック上でもサーキットでの走行でも、最もドライバーにフォーカスした、技術的に最も進化したスーパーカーであるヴァルハラは、真のハイパーカー性能を備えながら、公道では他のアストン マーティン車同様、実用性と快適さを実現しています。市場で最もエレガントでエキサイティングな車として設計された、唯一無二の存在です。
究極のハイパーカーであるアストン マーティン・ヴァルキリーの開発や、エイドリアン・ニューウェイとの協業を通じて、私たちは新たな視点で考える方法を学びました。
この知識と新たな手法により、これまでの成功の強みをさらに発展させ、アストン マーティンの新たな歴史の一画を担うヴァルハラを見守るお客様のために、テクノロジー、パフォーマンス、顧客体験において、クラスをリードする企業としての地位を確立することができました」
技術概要
卓越性を追求する飽くなき挑戦により、ヴァルハラの仕様は当初のコンセプトから大幅に進化し、最高出力、ダウンフォース、動的性能において飛躍的な向上を遂げている。
その中心にあるのは、828psを発揮する4LツインターボV8エンジンと、さらに251psを供給する3基の電気モーター(そのうち2基はフロント・アクスルを駆動)が構成するハイブリッド・パワートレインで、クラス最高水準の最高出力1079psと最大トルク112.17kg-mを誇る。
内燃エンジン(ICE)は、1Lあたり207psというアストン マーティン史上最高の比出力を実現。新開発の8速DCTトランスミッションはリア・アクスル駆動力を伝達し、瞬時のシフトタイムとスリリングなシフト特性を提供。
パフォーマンス目標値としては、0-100km/h加速が2.5秒、最高速度は電子制御リミッターにより350km/hに設定される。
革新的なアストン マーティン・ヴァルキリーで得た知見をフィードバックしたアクティブ・エアロダイナミクスにより、600kgを超えるダウンフォースを生み出し、この数値は240km/hで達成され、その後、350km/hの最高速度に至るまで維持されるという。
アクティブ・エアロダイナミクスは、速度が増すにつれてフロントおよびリアウイングの迎角を徐々に小さくすることで、過剰なダウンフォースを「逃がし」ます。これにより、幅広い性能域にわたって空力バランスを一定に保ち、ドライバーは自信に溢れた走行が可能となる。
先進的なインテグレーテッド・ビークル・ダイナミクス・コントロール(IVC)は、サスペンション、ブレーキ、ステアリング、アクティブ・エアロダイナミクス、パワートレイン・システムを監視し、あらゆる状況での最適なパフォーマンスとドライバーとの一体感を実現。
ヴァルハラのドライブモードは4つから選択可能でそれぞれと連動して作動するIVCは、車両の挙動やドライバーの要求を継続して把握し、ダイナミックな特性を調整。
この高度に複雑で洗練されたシステムは、精緻なキャリブレーションにより有機的で自然なドライビング体験を提供し、エフォートレスかつシームレスに性能を高め、パフォーマンスとドライバーエンゲージメントを新たな次元へと引き上げていく。
4つのドライブモード
始動時のヴァルハラのデフォルトはスポーツ・モードだが、ドライバーは手動でピュアEV、スポーツプラス、レースのいずれかのドライブモードを選択することが可能だ。
各モードは、パワートレイン(トルクベクタリングやハイブリッドシステムの統合を含む)、サスペンションの硬さ、アクティブ・エアロ、ステアリング・キャリブレーションの設定が異なり、それぞれ特徴ある走行特性を実現。ピュアEV・モードでは、フロント・アクスルのモーターのみで駆動し、航続距離は14km、最高速度は140km/hに制限される。
4つのドライブモードを事前設定で用意していて、ドライバーはセンタースタックにあるロータリースイッチで自由にモードを選択できる。
この触覚的な操作は、ドライバーと車の一体感を最大限に高め、各ドライブモードはそれぞれ明確な意図をもってキャリブレーションされており、ドライバーは差別化された走行体験を楽しむことができるという。
静かに始動するピュアEV・モードは、顧客に旅の始まりと終わりに利用されること想定している。バッテリー残量が少なくなると、ヴァルハラは自動的にスポーツ・モードに切り替わる。
スポーツ・モードでは、4LツインターボV8エンジンが作動し、電動フロント・アクスルによる瞬時のトルクと、V8エンジンの圧倒的なパワーを組み合わせたハイブリッドスーパーカーの走行性能を実現。
スポーツプラス・モードは、公道でのダイナミックなスリルを最大限に引き出し、レース・モードは、究極のパフォーマンスを追求し、サーキット走行を念頭に置いて、アクティブ・エアロダイナミクスがフルに活用される。
ドライブモードの差別化
ピュアEV、スポーツ、スポーツプラス・モードでは、アクティブ・リアウイングは格納されたままで、ヴァルハラのエレガントなシルエットが保たれる。
レース・モードでは、リアのTウイングが強力な油圧ラムによって255mm持ち上げられ、最大限のダウンフォースを生み出しす。ヴァルハラのフロント・アクスルの前方には、特徴的なアクティブ・リアウイングと連動するアクティブ・フロントウイングが隠されており、このコンポーネントは、レース・モードでの空力制御において重要な役割を果たす。
革新的な技術を採用したアクティブ・フロントウイングは、単一のメカニズムで複数の表面にわたる空気の流れを制御・管理できる設計だ。デフォルトではドラッグを最小限に抑える位置に設定されているが、レース・モードを選択すると、フロントウイングはダウンフォースを最大化するモードに切り替わり、フルレンジで動作する。
また、車両が不要なダウンフォースを逃がす必要があると判断した場合には、自動的にDRS(ドラッグリダクションシステム)が作動。レース・モードでのブレーキング時には、リアウイングは主にエアブレーキとして機能し、アクティブ・フロントウイングと連携して圧力のバランスを調整することにより、優れたブレーキング性能を発揮しつつ、最適な安定性を確保する。
アストン マーティンのビークルパフォーマンス担当取締役サイモン・ニュートンはユニークでやりがいのある旅となったヴァルハラの開発について、次のように述べている。
「エンジニアリングチームとビークルダイナミクスチームにとっての大きな挑戦は、ヴァルハラのハイブリッド・パワートレインの膨大なパワーを、アクティブ・エアロダイナミクスと統合したダイナミック・コントロール・システムの組み合わせにより初めて活用することでした。
1079psと112.17kg-mという驚異的なパフォーマンスを当然の前提としながらも、さらにサーキットでは次のレベルのスピード、精密性、そして興奮を実現し、公道では楽しく、エモーショナルなスーパーカーとしての特性を維持することが課題でした。
この前例のないダイナミックな帯域幅こそが、ヴァルハラを同クラスのライバルと一線を画す存在にしています」
パワートレイン
ヴァルハラのハイブリッド・パワートレインは、新開発の828psを発揮する4LツインターボV8エンジンと、合計251psを供給する3基の電気モーターを組み合わせている。
2基の電気モーターはフロント・アクスルに搭載され、3基目の電気モーターは新型の8速DCTトランスミッションに組み込まれており、リア・アクスルのみに駆動力を供給。
3基の電気モーターは、パフォーマンスに特化したPHEVパワートレイン向けに設計した先進的な高性能バッテリー(HPB)システムによって駆動。
このバッテリーは非常に効率的な誘電冷却システムを備えており、頻繁かつ連続的なパワー要求を満たすために充電電力を迅速に展開する能力、高速エネルギー吸収能力、さらに高いパワー密度を兼ね備えることにより、活気に満ちた走行時には即座にフルパワーを引き出し、減速時には強力なエネルギー回収を実現する。
HPBの冷却システムは、先端技術を採用した電気絶縁性を持つ冷却液をバッテリーパック全体に循環させ、560個のセルそれぞれを最適な温度に保つことで、最大限のパフォーマンスを安定して発揮。
フロント・アクスルは、ヴァルハラ専用に設計された革新的なラジアルフラックス型内部永久磁石モーター2基のみによって駆動し、それぞれのモーターは18.1ps/kgを発生。
EVモードを選択すると、ヴァルハラはフロント・アクスルのみで駆動。特徴として、これらのフロント電気モーターは、トルクベクタリングを可能にするカスタムビルドのP4型フロント電動ドライブユニット内に統合されている。
トルクとパワーを最大限に引き出し、非常にコンパクトなパッケージングを可能にするため、P4ユニットには、非対称ローターに最高水準の高強度ネオジム鉄ホウ素磁石を採用。
さらに、新開発の冷却戦略によって、アクティブステーターとローターオイル冷却機能を備えた電気モーターは、温度を効果的に抑え、最も過酷な走行条件下でも最大限のパフォーマンスを一貫して維持することが可能となる。
リア・アクスルはV8エンジンによって駆動され、DCTトランスミッションに組み込まれた3基目の電気モーターが追加のパワーを供給。アストン マーティンのヴァンテージ、DB12、DBX707モデルに搭載されているV8とは異なり、ヴァルハラの新型エンジンはドライサンプ潤滑システムを採用しており、サーキット走行中に横方向の強い力が加わる状況でも、適切なオイル供給を確保。さらに大きな特徴として、クランクピンが180度のオフセットで配置されたフラットプレーンクランクシャフトを採用している。
フラットプレーンV8エンジン
フラットプレーンV8エンジンの点火は、シリンダーバンクを交互に行うことで、クロスプレーンV8エンジンにおける残留ガスの問題を解消。すべてのシリンダーの燃焼がより均一になることで、エンジンの潜在的なパワーを最大限に引き出し、よりシャープなレスポンスを実現する。
新しくなったカムシャフトとエキゾースト・マニホールドにより、ガス交換性能がさらに向上。ピストンは、より高いピーク圧力に対応する設計で、重量も最適化された。
2基のツインスクロール・ターボチャージャーは、ローラーベアリングマウント方式を採用し、レスポンスがさらに向上し、ターボのコンプレッサーホイールは大径化されており、DBX707に搭載されているアストン マーティンの最強のクロスプレーンクランクV8エンジンと比較して、1時間あたりの空気供給量が約20%増加している。
フロント・アクスルとリア・アクスルは物理的に接続されておらず、代わりに、ヴァルハラの最先端のIVC(インテグレーテッド・ビークル・ダイナミクス・コントロール)とインテグレーテッド・パワーブレーキシステムが、両アクスルを継続的に監視および制御。
フロント・アクスルのトルクベクタリングとリア・アクスルの電子制御リミテッドスリップ・ディファレンシャル(E-デフ)は、動的な要求に応じて四輪の駆動力を調整し、トラクション、安定性、俊敏なハンドリングを見事に融合させることにより、ステアリングの精度が向上し、ニュートラルなハンドリング・バランスが実現する。
パワートレインを完成させるのは、新開発の8速DCTトランスミッションだ。この新型パドルシフトのギアボックスはアストン マーティン専用に設計・製造、ハイブリッド時代に対応する特別開発で、内蔵型の電気モーターが特徴となる。
この電気モーターは、4LツインターボV8エンジンの始動、高電圧バッテリーの充電、エンジンをアシストするトルクフィルに使用され、またギアの同期をサポートすることで、アストン マーティンのエンジニアはギアシフトの特性を調整し、クラス最高水準のシフト速度を実現することが可能だ。
EVモードを選択すると、ヴァルハラはフロント・アクスルのみで駆動。リバースギアはなく、後進はすべてのドライブモードにおいてフロント・アクスルの電気モーターが行う。
冷却にも妥協無し
ヴァルハラは、インテリジェントなトルクフィル、Eブースト、およびロードシフト機能を組み合わせて活用することで、ハイブリッド・パワートレインから最大限の性能と効率を引き出し、すべてのハイブリッド・ドライブモードにおいて、最高のドライビング体験を提供する。
トルクフィルとEブーストは、電気モーターの推進力を活用し、ツインターボV8エンジンの圧倒的なパワーをさらに強化し、パフォーマンスとレスポンスを向上させる。
この最先端のハイブリッド・パワートレインのメリットは、ドライバーがアクセルを踏み込んだ瞬間に明らかになり、トルクフィルは、ターボチャージャーが要求されるブースト圧を発生するまでの間、電気モーターから瞬時にトルクを供給し、わずかなターボラグであっても解消すると述べている。
Eブーストは、トルクフィルの機能を拡張し、内燃エンジン単体で発生可能な最大値を上回る総合的な駆動力を実現。Eブーストの使用中は、その効果の安定性と維持が管理されており、ロードシフトや回生ブレーキを通じて消費電力を補充される。
DCTに組み込まれたP2.5電動モーターを活用するロードシフトは、エネルギーの消費と使用状況を監視し、エネルギーを最適に蓄積または供給することで最大の効果を発揮。
通常の安定した走行状況では、V8エンジンの負荷を最小限に抑えることで、燃費の改善が可能だ。
負荷が増加した場合には、余剰エネルギーが高電圧バッテリーに蓄積され、エンジンの稼働効率が低下するアイドリング時や、渋滞中の低速でのストップ&ゴーなどでは、エンジンが自動的に停止し、スポーツ・モードを選択中でも電気駆動が作動。
さらに、回生ブレーキは、ブレーキングや減速時に運動エネルギーを回収して高電圧バッテリーに蓄え、後の利用に備えることで効率を向上させる。
ヴァルハラの熱管理を最適化するために車両全体に配した冷却ネットワークが、プラグインハイブリッド・パワートレインを制御し、ドライバーは究極のパフォーマンスを引き出すことが可能となる。
3基の4LツインターボV8エンジン用の高温ラジエーターが、フロントのノーズ部分に設置されており、また、高電圧システム用の小型ラジエーターと、キャビンとバッテリーを冷却する冷媒システム用のコンデンサーも搭載される。
さらに、冷媒システムからの供給により冷却を行うバッテリー用冷却装置は、空気の流れを必要としないためクラムシェル内に隠れる形で配置されており、冷却液はエアコンシステムによって冷却される。
F1に着想を得たルーフスクープは、エンジン真上に取り付けられた2基のエアチャージクーラーに空気を供給。このコンポーネントを設計する際には、新たな取り付け方法を採用し、5kg以上の軽量化を実現した。
この広範な冷却ネットワークは、車体側面に配置された2基のサイドラジエーターにより完成し、これらはドア・ターニングベーンによって車体側面に導かれた空気を使用し、左側のクーラーはエンジンオイル、右側のクーラーはトランスミッションオイルを冷却する。
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