「大日本帝国」の象徴カラー
東京都内で、レモンイエローの車体に赤帯をまとったタクシーが、数を減らしています。業界大手の日本交通(東京都千代田区)では、この「東京四社カラー」と呼ばれるカラーリングのタクシーが、遅くとも2019年内には同社直営の営業所から姿を消す見込みです。
「東京四社」とは、日本交通のほか大和自動車交通、帝都自動車交通、国際自動車のこと。これら東京の大手4社は1963(昭和38)年に任意団体「東京四社営業委員会」を発足し、各社間で共通タクシーチケットやクーポン券を取り扱ったり、無線配車で協力し合ったりしており、その目印として共通のカラーリングを導入していました。さらに歴史をさかのぼると、太平洋戦争中に東京のタクシーは国策で上記4社に統合された経緯があることから、4社は各社名の頭文字をとって俗に「大日本帝国」とも呼ばれます。
「四社カラー」の車両が減っているのは、旧来のセダン型車両から、2017年に発売されたトヨタ「JPNタクシー」への置き換えが進んでいるためです。日本交通の直営営業所では、2019年9月末時点で予定台数の92%、およそ1350台が「JPNタクシー」に置き換わっているといいます。ほか3社も同様で、国際自動車は2019年11月にも直営営業所における予定ぶんの置き換えを完了するそうです。
なお東京23区エリアにおける「JPNタクシー」の色は、業界団体やトヨタの呼び掛けもあり、ほとんどの車両でメーカー標準色のひとつ「深藍(こいあい)」が採用されています。
ちなみに、上記4社ともそれぞれ、同じサービスを提供する複数の業務提携会社とグループを形成しており、日本交通によると、この「業務提携会社の四社カラー車両」は、まだしばらく残るそうです。
日本交通グループにおける業務提携会社の車両は、日本交通本体の車両とカラーリングなどが若干異なっており、「四社カラー」の車両では、ボンネットと屋根上の赤帯が省略されています。
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