現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ハイテク満載だがいかんせん「重すぎた」! 「重戦車」と揶揄された「三菱GTO」がいま見ても衝撃

ここから本文です

ハイテク満載だがいかんせん「重すぎた」! 「重戦車」と揶揄された「三菱GTO」がいま見ても衝撃

掲載 更新 69
ハイテク満載だがいかんせん「重すぎた」! 「重戦車」と揶揄された「三菱GTO」がいま見ても衝撃

「重戦車」と呼ばれたスーパー4WDスポーツカー

 1990年から2001年まで三菱から販売されていた「GTO」。時代は国産スポーツカー全盛期、ハイテク装備を満載して登場したGTOだったが、クルマ好きの間で「重戦車」とも呼ばれていたことをご存知だろうか? 3リッターのツインターボに4WDと4WSを搭載、車幅は1800mm超えと、いかにも車重がありそうなことは想像に難くないが、誕生の経緯や実際のドライブフィールはどうだったのか。改めて振り返ってみたい。

「ウソだろ? むかし数十万円で売っちゃった……」あまりの高騰ぶりに驚愕必至の国産旧車とその価格

車重1700kgのGTOに対しライバルたちは?

 まず1990年10月デビュー当初の車重を見てみると、225ps/6000rpm&28.0kgm/4500rpmを発する3.0L V6 NAエンジンと5速MT、ビスカス式センターデフを持つフルタイム4WD、後輪操舵機構の4WSを組み合わせた、もっとも軽量な「GTO」(標準仕様)で1640kg。

 同じく4速AT車は1680kg、そして280ps/6000rpm&42.5kgm/2500rpmを発する新開発の3.0L V6ツインターボエンジンにゲトラグ製5速MTを組み合わせ、4WDの前後トルク配分を45:55とした「GTOツインターボ」は1700kgに達していた。

 では、6気筒ターボエンジンに5速MT、4WDに4WSを組み合わせる2+2シーターの2ドアクーペという点で最も成り立ちが近い、R32型日産スカイラインGT-Rのデビュー当初の車重はどうか。なんと1430kg。270kgも軽量に仕上がっている。

 なお、1990年代前半に国産車最速クラスとして扱われていた、他の2ドアクーペのMT車と比較しても、オールアルミモノコックボディのV6ミッドシップスーパースポーツ・ホンダNSXは1350kg、NSX-Rは1230kg。ロータリーターボエンジンを搭載するFRのアンフィニRX-7は1260kg。3.0L直6を搭載するA80型トヨタ・スープラのターボ&6MT車は1490kgだった。

 ちなみに、WRCのホモロゲーションモデルとして投入された4ドアセダン、スバル・インプレッサWRX STiバージョン(Ver.1)は1220kg。GTOと同じ三菱のランサーエボリューション(1)はGSRで1240kg、RSで1170kgとなっていた。

 いずれの車種と比較してもGTOは200kg以上重く、その“重戦車”ぶりが際立っている。

「ディアマンテ」ベースの迫力ボディ

 ではなぜGTOは、こうも“重戦車”に仕上がってしまったのか。まず単純に、ボディサイズが大きい。GTOの全長×全幅×全高は4555×1840×1285mm、ホイールベースは2470mmで、R32GT-Rの全長×全幅×全高=4545×1755×1340mm、ホイールベース2615mmと比較しても全幅が際立って広い。

 また、スポーツカー向けのプラットフォームを専用開発せず、FF高級セダンのディアマンテをベースとしたことも大きいだろう。しかも、「GTO」=「グラン・ツーリスモ・オモロガート」(伊)の略で、「モータースポーツにおけるGTカテゴリーとして公認された車という意味」(プレスリリース原文ママ)という車名に反し、モータースポーツ参戦を大前提としたホモロゲーションモデルではなく、軽量化は開発時の至上命題とはならなかった。そのため、アルミニウム合金など軽量素材の多用、快適装備の簡略化、部品ひとつひとつのグラム単位での重量削減、などといった軽量化策はほとんど行なわれていない。

 それどころか、特に日本向けのデビュー当初は4WDに4WS、リトラクタブルヘッドライト、ターボ車にはさらに「アクティブ・エアロ・システム」や「アクティブ・エキゾーストシステム」、「ECS」(電子制御ダンパー)といった可変デバイスが積極的に採用されたことも、この重さに拍車を掛けている。

改良を重ね徐々に本格的なスポーツカーへ

 三菱自身はデビュー当時、GTOは「クルマが持つ高い性能を種々のレベルのドライバーが、より安全・快適、より自在に楽しむことができるよう、4輪すべてを駆動させるとともに、操舵・制動についても高度に4輪を制御するという、オールホイールコントロール(AWC)の考え方に基づいて開発されたスーパー4WDスポーツカー」であると謳っている。

 しかし実際には、北米市場を主眼としたGTクーペであり、走りの性格も「直進安定性は高く悪天候にも強いが重く、曲がらず、止まらない」という、まさに当時の“アメ車”らしいものだった。だからこそ“重戦車”と呼ばれたのだろう。

 だがその後、1993年にはヘッドライトを固定式とし、ターボ車のトルクを1kgm高めつつトランスミッションを6速MTに変更する。1994年にはBBS製17インチホイールを装着したうえ、4WS、オートクルーズ、フォグランプを省略しABSもメーカーオプションとすることで60kg軽量化した新グレード「ツインターボMR」を追加。APロッキード製6ポットブレーキもオプションで設定された。

 また、1996年のマイナーチェンジではホイールサイズを18インチにアップ。1998年にはフロントバンパー開口部を拡大し、アルミ押出材を使用した大型ウィングタイプリヤスポイラーを採用するなど、走りを着実に進化させている。

 しかもGTOはデビュー当初の「GTOツインターボ」で398万5000円、最終モデルの「ツインターボMR」でも397万9000円と、比較的安価だった。だから、高級車をベースとしてスーパーカーさながらのスタイルと加速性能を手頃な価格で実現したGTでありながら、徐々に本格的なスポーツカーへ進化していった、と考えるのがGTOの実像に近いのだろう。

こんな記事も読まれています

“代役”ロバンペラ組が圧巻の総合優勝。エバンスが2位表彰台でトヨタ1-2/WRCポーランド最終日
“代役”ロバンペラ組が圧巻の総合優勝。エバンスが2位表彰台でトヨタ1-2/WRCポーランド最終日
AUTOSPORT web
【ポイントランキング】2024MotoGP第8戦オランダGP終了時点
【ポイントランキング】2024MotoGP第8戦オランダGP終了時点
AUTOSPORT web
広島発、1人乗り小型EV「ミボット」間もなく先行注文開始へ!実車展示イベント開催
広島発、1人乗り小型EV「ミボット」間もなく先行注文開始へ!実車展示イベント開催
グーネット
新型WR-V専用設計!インテリアとマッチするドリンクホルダー&ダストボックス カーメイト
新型WR-V専用設計!インテリアとマッチするドリンクホルダー&ダストボックス カーメイト
グーネット
バニャイアが、ポール・トゥ・ウインで週末を制す。ドゥカティは5戦連続で決勝レースの表彰台を独占/第8戦オランダGP
バニャイアが、ポール・トゥ・ウインで週末を制す。ドゥカティは5戦連続で決勝レースの表彰台を独占/第8戦オランダGP
AUTOSPORT web
ホンダ 純正ドライブレコーダーに新モデル 専用コネクター対応&スマホ連動可能
ホンダ 純正ドライブレコーダーに新モデル 専用コネクター対応&スマホ連動可能
グーネット
新型ヴェゼル詳細チェック&ライバル比較
新型ヴェゼル詳細チェック&ライバル比較
グーネット
暫定4位のマルティに30秒のタイムペナルティ。VSC中のピットストップ敢行と判定/FIA F2第7戦レース2
暫定4位のマルティに30秒のタイムペナルティ。VSC中のピットストップ敢行と判定/FIA F2第7戦レース2
AUTOSPORT web
ハンドリングは世界レベル!! リッター30km超えの[カローラ]はデザイン重視も意外な弊害って?
ハンドリングは世界レベル!! リッター30km超えの[カローラ]はデザイン重視も意外な弊害って?
ベストカーWeb
【大阪府】自己と向き合い勝運を祈る勝ちダルマの寺 ~男を磨くデイドライブ~
【大阪府】自己と向き合い勝運を祈る勝ちダルマの寺 ~男を磨くデイドライブ~
グーネット
【北海道】 住宅街にたたずむ古民家カフェで至福の一杯を ~男を磨くデイドライブ~
【北海道】 住宅街にたたずむ古民家カフェで至福の一杯を ~男を磨くデイドライブ~
グーネット
【兵庫県】レストランクルーズ船で贅沢なひとときを ~男を磨くデイドライブ~
【兵庫県】レストランクルーズ船で贅沢なひとときを ~男を磨くデイドライブ~
グーネット
【大阪府】豊かな感性とイマジネーション育む図書施設 ~男を磨くデイドライブ~
【大阪府】豊かな感性とイマジネーション育む図書施設 ~男を磨くデイドライブ~
グーネット
【大阪府】全国のバーテンダーが惚れ込む、プロ御用達の洋酒専門店 ~男を磨くデイドライブ~
【大阪府】全国のバーテンダーが惚れ込む、プロ御用達の洋酒専門店 ~男を磨くデイドライブ~
グーネット
[空飛ぶクルマ]6輪車で登場か!? 実用化なれば結構アリかも!! でも意外な欠点とは?
[空飛ぶクルマ]6輪車で登場か!? 実用化なれば結構アリかも!! でも意外な欠点とは?
ベストカーWeb
自動車界の生きた化石、モーガン「4/4」に中学時代から憧れて…念願かなって16年前に購入!「オリジナルのまま乗り続けるのが目標です」
自動車界の生きた化石、モーガン「4/4」に中学時代から憧れて…念願かなって16年前に購入!「オリジナルのまま乗り続けるのが目標です」
Auto Messe Web
定年間近のクルマ好きの方から「定年後にポルシェ911を買いたい」と聞かれてマジレスした話
定年間近のクルマ好きの方から「定年後にポルシェ911を買いたい」と聞かれてマジレスした話
旧車王
家の中で愛車を楽しむ!クルマを飾れるギャラリー付きマンション誕生 東京・千歳船橋
家の中で愛車を楽しむ!クルマを飾れるギャラリー付きマンション誕生 東京・千歳船橋
グーネット

みんなのコメント

69件
  • 1700kgなら今のNSXより100kgも軽いし、
    ホンダeより200kg重いだけだよ。
  • ミツビシGTO。
    リトラクタブルタイプは、カッチョ良かった!
    しかし、試乗したら笑うくらいの重ったるさに愕然とした。加えてダクトのほとんどがフェイク。
    以来、コレを超える偽物のスポーツクーペを、私は知らない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

299.8432.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

77.0418.0万円

中古車を検索
GTOの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

299.8432.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

77.0418.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村