細部まで拘りを感じるパッケージング
執筆:Steve Cropley(スティーブ・クロップリー)
<span>【画像】新ブランドの新モデル ウェルズ・ヴェルティージ 競合のMRスポーツと比較 全75枚</span>
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
ロビン・ウェルズ氏とロビン・ホール氏という2人が開発中の小さなスポーツカー、ウェルズ・ヴェルティージ。フロントピラーは、量産モデルのように太い。フロントガラスが、頑丈なロールバーで支えられているためだ。
前方視界はとても良く、ジャガーDタイプの運転席からの眺めにも似ている。ボンネットからフェンダーの両端へカーブが伸びる。リアウインドウは小さいが、エンジンカバー後端のリップスポイラー越しに、不満ない視界を得られる。ボディ感覚も掴みやすい。
小柄なボディでも、エンジンの後ろ側に206Lという、それなりの荷室がある。燃料タンクの容量は50Lで、給油口は左右に付いている。見た目も良いし、便利だからだという。一度の給油で640kmほどは走れる計算らしい。
驚くことに、フルサイズのスペアタイヤも積んでいる。ウェルズが重視した要件の1つだった。遠出先で交換したタイヤを、クルマに積んで持ち帰ることができるためだ。
車内のスイッチ類の作りも、シンプルながら良い。シフトレバーは、アフリカ産だというマホガニー材。空気がこもりがちな小さなクルマにはありがたい、フロントガラスのヒーターも付いている。
ダッシュボードの上部にはアルカンターラが張られ、映り込みを防いでいる。中央には、ナビとオーディオ用の、7.0インチ・タッチモニターが据えられている。
ロータス・エリーゼのように軽い
4気筒エンジンはすぐに始動した。このサイズのミドシップとしては、エンジン音が遠くから聞こえるが、ダブルスキンのバルクヘッドが備わっているためだ。
ホールのチームが手作業で仕上げるステンレス・エグゾーストは、アイドリング状態でもサウンドがスポーティ。だが、共鳴するような不要な音は発しない。中回転域で低音域が強く出るようだが、これは解消に向けて改良を続けているという。
クラッチはボディの大きさからすると重たいが、ストロークは丁度良い。ギアをつないで発進させると、バーティジの軽さがすぐにわかる。ロータス・エリーゼのようだ。
シフトレバーは、センターコンソールの高い位置から伸びている。シンプルなリンケージで、直接トランスミッションと結ばれている。レバーのストロークはショート。軽快に次々と変速を決めたくなる。
ただし、センターコンソールの位置の高さには、少し慣れも必要かもしれない。レーシングカーのような、包まれた感じはあるけれど。
ステアリングホイールと、3枚のペダルとの直線的なレイアウトも、ウェルズが拘ったことの1つ。ドライビングポジションは筆者にもフィットし、洗練された量産車と同じくらい運転しやすい。
現代のターボチャージド・エンジンのように、低回転域からパワーがみなぎることはないが、自然吸気の2.0Lエンジンは充分パワフル。素直に回転し、粘り強い。6速でのギア比は、1000rpm当たり41km/hほど。2000rpm以下からでも加速していける。
アシストのないステアリングが生む喜び
スポーツカーらしい加速を楽しみたいなら、高回転域まで引っ張りたい。試作車とはいえ、極めて軽快で速く、機敏に走る。ウェルズによれば、スロットル・マッピングは未完成だという。パワー感を高めたいと話していたが、彼なら難しくないだろう。
ステアリングにもブレーキにも、パワーアシストは付かない。それでも、超軽量ホイールと理想的なペダル配置で、すぐに操作には慣れると思う。
フロント側には、280mmという大きなディスクが組まれている。ペダルの踏み始めに少し力を加える必要があるが、すぐに強力な制動力が引き出せる。そこから踏む力に合わせて減速感が強まっていく。その一致は素晴らしい。
アシストのないステアリングも、喜びを与えてくれる。ダイレクトにつながった手応えがある。ただし、ウェルズは少しダイレクト感が強すぎると考えており、レシオは少し落とされるようだ。それでも、パワーアシストの必要性は感じなかった。
小さな少量生産のスポーツカーだから、乗り心地には期待できないとお思いかもしれないが、バーティジは違う。エンジニアとしての技術力が、ここにも表れている。
コーナーではほとんどボディロールを示さないにも関わらず、路面の隆起部分などをしなやかにいなしてくれる。速度域が高まっても変わらない。
ブリティッシュ・スポーツカーの価値を現在に
グリップ力も素晴らしい。ヴェルティージはS字コーナーをバランスよく滑らかに通過し、ホイールベース内に質量の大部分が収まっていることのメリットを実感させてくれる。見た目の通り、流暢に素早く運転したいという気持ちにさせられる。
試乗した日は路面が濡れていたが、コーナリングは終始安定。路面を問わず軽快に回頭してくれ、ニュートラルな挙動のままだった。
ウェルズ・ヴェルティージの能力や完成度には驚かされる。リー・ノーブル氏が優れたハンドリングマシンを少量生産し、大手メーカーに対抗し始めた時の印象と重なる。オールドスクールなブリティッシュ・スポーツカーの価値を、現在に蘇らせようとしている。
強固なシャシーは無粋な振動を発せず、ダブルバルクヘッドで、過大なメカノイズも遮断できている。しなやかなサスペンションは、現代水準での乗り心地を与えてくれる。しかもハンドリングは素晴らしい。
この小さなスポーツカー、ウェルズ・ヴェルティージのオーナーになれるのは、今のところ1年間に25名づつ。自分もその1人に加わりたいという方は、早めに行動した方が良いだろう。開発者のウェルズとホールも喜ぶはずだ。
ウェルズ・ヴェルティージ(英国仕様)のスペック
英国価格:4万~5万ポンド(620~775万円/予定)
全長:3994mm
全幅:1752mm
全高:1142mm
最高速度:225km/h(予想)
0-100km/h加速:4.8秒(予想)
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:815kg(予想)
パワートレイン:直列4気筒2000cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:210ps
最大トルク:21.4kg-m/6200rpm
ギアボックス:6速マニュアル
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