アルピーヌが2024年用のF1マシンA524を発表した。コンセプトを一新したというこのマシンは、一体どこが変わっているのか? それを検証してみよう。
まずノーズからして変わっている。昨年のA523は、ノーズの先端が細く絞り込まれるような形状だったが、今年のA524ではそれが明らかに幅広になっている。ただ違いはそれだけではない。
【ギャラリー】コンセプトを大きく変更! その効果やいかに? アルピーヌの2024年F1マシン『A524』
昨年はフロントウイングの前端の中央部が持ち上げられ、前から見るとそのレイアウトがハの字のようになっていた。ちょうど1990年のティレル019のアンヘドラルウイングを、緩やかにしたような格好だ。しかしA524ではこれを一新。中央部が最も低く、左右のフロントウイングが少し持ち上げられるような格好となった。
一昨年まではこのアンヘドラル式のチームは複数あったが、昨年もこれを使っていたのは実はアルピーヌのみだった。そういうことを考えると、トレンドに倣ってきたと言うことができよう。
また、フロントウイングとノーズは、マシンの中で最も最初に気流にぶつかる部分であり、マシン全体のコンセプトを考える上では実に重要。そのフロントウイングの考え方が大きく変わったということも、チームが言う「コンセプト大変更」の一旦が垣間見えている部分と言えるかもしれない。
なおフロントサスペンションは、A523と比べて下反角が大きくなっているように見える。これは、上のウイッシュボーンの前後のアームの高さが変えられているからだ。前のアームはモノコックの上端に取り付けられ、後のアームは従来位置に近いところに置かれている。
これも近年のトレンドとなっているもので、レッドブルが2022年に最初に取り入れた形。ブレーキング時などの車体前方の姿勢制御に貢献すると言われている。もちろん、空力的なメリットも存在するだろう。なお、昨年のレッドブルやマクラーレンが使い効果を発揮、今季のステークF1(ザウバー)も取り入れたプルロッドは、採用してこなかった。
サイドポンツーンは上面に大きな窪みがあるのは、昨年型後半バージョンと同じである。しかしインテークは横にさらに広がり、それに伴って側面下部の抉り込み(アンダーカット)もよりきつくなっているようだ。
ロールフープ部のインテークも大きくなり、形状も角ばったより四角いものに変更された。おそらくサイドポンツーンを絞り込んだことで、冷却用の空気を取り入れる役割を、この部分に傾けていると思われる。
リヤサスペンションのレイアウトも大変更された。A523では、上のウイッシュボーンの間にプッシュロッドのアームが通されていたが、このA524では、上のウイッシュボーンのV字角がかなり狭く設定され、その前方にプッシュロッドが通される格好となった。まだ完全な比較はできていないが、サスペンションの内部機構の搭載位置が前方に移動されている可能性も考えられる。
「我々はA523からポテンシャルを絞り出したので、A524は前から後ろまで完全に新しくなっている」
アルピーヌF1のテクニカルディレクターであるマット・ハーマンは、そう発表会で語ったが、ざっと見ただけでもその言葉の通り数多くの変更点が見て取れる。おそらく、フロアにも大きな変更が加えられていることだろう。
昨年はコンストラクターズランキング6位となり、上位5チームには離された感のあるアルピーヌ。躍進なるか?
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