ノリスの不思議なベルギーGP「どうやって7位になったのか分からない」序盤大苦戦も、ソフトタイヤ投入で状況一変

　マクラーレンのランド・ノリスはF1ベルギーGPの決勝レースで7位入賞。ノリスは今回のレースについて、どうやって序盤の落ち込みから挽回できたのか分からないと語る。

　7番グリッドから決勝に挑んだノリスだが、スタート直後は明らかにペース面で苦しんでおり、ライバルたちに先行を許すことになった。そして11番手まで落ちたノリスはわずか5周でスタート時に選んだミディアムタイヤを捨て、ハードタイヤへと交換することになった。

　ただノリスは、ハードタイヤに変えたことでさらに苦戦。当時の状況についてノリス「酷いものだった」と語った。

「正直に言って酷いものだったよ。中盤のセクターで十分にプッシュすることのできない状態にハマってしまっていたんだ。オー・ルージュで前のマシンと後ろのマシンとの間でディフェンスが必要でね」

「DRSゾーンが始まる前に追い抜かれてしまった。それで何か試さなくちゃいけなくて、ハードタイヤを使うことにした。でもこれでもっと悪化してしまった。週末を通じてハードを使う人は誰も居なかった」

「通常、（ハードは）僕らに合っていると思っていたから、トライしてみるのは間違った判断じゃないと思う。ただそれでも酷いものだったよ。このタイヤでも十分にプッシュできなかった」

「ピットから出ていって、最初のラップで抜かれてしまったんだ」

　なおノリスはこうしたタイヤの苦戦は、今季マシンMCL60のダウンフォースレベルとは無関係であり、チームが過去5年にわたって戦ってきた根の深い問題だと語っている。

「サスペンションでタイヤをどう扱うか、という話なんだ。そして僕らが望むようなモノにはなっていない。大事なのはバランスで、マシンにかかる荷重を増やすという話じゃない」

　一方でノリスは、レース折返しでソフトタイヤへと履き替えると、そこからはペースが一気に改善。最終的に7位でフィニッシュし、ポイントを持ち帰ることができた。

　ただノリスとしては、どうやって挽回できたのか分からないと感じているようだ。

「それでソフトタイヤを履いたら、全部復調したんだ」

「どうやって7番手でフィニッシュしたのか分からないよ。正直、ほとんどの部分で最後尾を走っているような感覚だったんだ」

「だから正直、少し驚いた。週末のアプローチを見直す必要がある」

「ウイング（のダウンフォース）レベルなんかは、このサーキットで機能していたかもしれないけど、全てが上手くいった訳では無い。僕らは明らかに間違えていた」

　ノリスはマクラーレンが直近のアップデートから、スパでのマシンセットアップの改善に苦戦していたのだと考えている。

　なおその一方でアンドレア・ステラ代表は、ベルギーGPに向けた低ドラッグのリヤウイング開発を犠牲にして、全体的なパフォーマンスの向上を優先していたと語っている。