現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタ以外もバブル期は熱中していたのに 国産メーカーがモータースポーツから離れていく訳

ここから本文です

トヨタ以外もバブル期は熱中していたのに 国産メーカーがモータースポーツから離れていく訳

掲載 更新 11
トヨタ以外もバブル期は熱中していたのに 国産メーカーがモータースポーツから離れていく訳

■モータースポーツ活動から距離をとる国産メーカーが増加

 日経平均株価が2万9000円を超え、3万円の背中も見え始めた。新型コロナ禍による景気低迷のなか、バブル最盛期だった1990年の平均株価を超えたのだから驚く。

【画像】トヨタが開発した新型ハイパーマシン「GR010」を見る(15枚)

 当時と今の自動車業界を見ると大きな違いがあります。1990年に発行された自動車専門誌を手に取れば一目瞭然。鋭い人はすぐ解ると思うけれど、その違いはモータースポーツです。

 例えばF1。当時ホンダは第2期の全盛期! セナが6勝してシリーズチャンピオンを奪取し、ヤマハとスバルも12気筒のF1エンジンを作って参戦中(ヤマハは1990年だけお休み)。それだけじゃなく、いすゞまでF1エンジンを作ろうとしていた。

 なぜそれほどF1人気かといえば、容易にスポンサーが付いたからに他ならない。当時、エプソンやキヤノン、東芝、日本信販、不動産投資で莫大な利益を上げていたレイトンハウス等々、日本企業はこぞってF1のスポンサーになった。

 当時私(国沢光宏)も海外のF1取材に行ったけれど、日本の大手企業の視察多数。大半のチームに日本企業のステッカーがあったほど。そのままバブル景気が続いていたら、F1を席巻するイキオイだった。

 WRCを見るとF1以上に日本のメーカーが参戦しており賑やかでしたね!

 全盛期を迎える直前のトヨタは「セリカ」で名門ランチアとガチ勝負中! マツダも4WDの「ファミリア」でフル参戦。

 三菱は「ギャランVR-4」。スバルも「レガシィ」で本格的なWRC活動を始めていた。そうそう、日産「パルサーGTI-R」が参戦を目指してテストを繰り返していた年です。

 1990年の自動車雑誌をもっとも賑わせていたのがル・マン。

 当時強かった7リッターのジャガー「XJR-12」とポルシェ「962」に対し日産は3.5リッターV型8気筒ターボの「R90CP」を4台投入。予選で1000馬力以上といわれるパワーを出して見事ポールポジションを取った。

 トヨタも3.2リッターV型8気筒ターボの「90C-V」を3台。マツダが4ローターの「767」をエントリーしている。

 なにより驚くのはTOPカテゴリーのグループC/GTPに、日本のチームが12も出ていること! 自動車メディアだけでなく一般紙までこぞってル・マンを取り上げ、当時私も毎年ル・マンの取材に行ってました。

 パドックは日本人ばっかり。ル・マン市街のレストランに行くと、どこでも日本のレース関係者ばっかりだったことを思い出す。

 長い説明になった。文頭に戻る。1990年以来の平均株価ながら、直近の自動車メーカーを見るとモータースポーツ予算をまったく取らなくなっている。

 なぜか? おそらく経営している人達がモータースポーツに興味を持っていないし、明確な費用対効果を評価出来ないためだと思う。

 確かにモータースポーツと販売台数を結びつけることは難しい。けれどファッションの一流ブランドは華やかなショーでデザインを競い、セレブに愛用してもらうのが唯一のブランド作りの手段であるように、自動車もモータースポーツで性能の高さを披露する以外にないと思う。

 それをよく理解しているのがトヨタ(正確には社長)。実際、日本の自動車メーカーではひとり勝ちという状況になっています。

 確かに新型コロナ禍で財政状況が良くないという側面もあると思うけれど、世界的な景気で考えたら悪くなかった2019年時点で見ても、日本の自動車メーカーはモータースポーツと距離を置いていた。

 明るいニュースが皆無に近い三菱自動車や、良いクルマを作っていても“華”がないマツダあたりは、小額の予算でいいからモータースポーツに戻ってきたらいいと思う。

こんな記事も読まれています

ホンダ新型「“クーペ風“SUV」初公開! 未来的&光り輝く「新生ホンダマーク」採用!? 流麗ボディの「Ye P7」北京に登場
ホンダ新型「“クーペ風“SUV」初公開! 未来的&光り輝く「新生ホンダマーク」採用!? 流麗ボディの「Ye P7」北京に登場
くるまのニュース
不動車のホンダ「ベンリイC92」をエンジンのプロがレストア!いよいよ外装のモディファイを開始します【vol.11】
不動車のホンダ「ベンリイC92」をエンジンのプロがレストア!いよいよ外装のモディファイを開始します【vol.11】
バイクのニュース
【MotoGP】バニャイヤ、スペインGP初日にラップレコード更新も”テスト”な1日「色々試せて、とてもハッピー」
【MotoGP】バニャイヤ、スペインGP初日にラップレコード更新も”テスト”な1日「色々試せて、とてもハッピー」
motorsport.com 日本版
ディフェンダー 最強モデル「OCTA」、V8ツインターボ搭載…7月発表へ
ディフェンダー 最強モデル「OCTA」、V8ツインターボ搭載…7月発表へ
レスポンス
今年のレクサスSUVに注目!!  ランクル250ベースの[レクサスGX]登場!! 今年買えるレクサスSUV7選
今年のレクサスSUVに注目!!  ランクル250ベースの[レクサスGX]登場!! 今年買えるレクサスSUV7選
ベストカーWeb
6速MTあり! 全長5.4m超のトヨタ新型「タフすぎ車」発表! パワフルなハイブリッド搭載した「新型タコマ」約610万円から米で発売
6速MTあり! 全長5.4m超のトヨタ新型「タフすぎ車」発表! パワフルなハイブリッド搭載した「新型タコマ」約610万円から米で発売
くるまのニュース
JR中央本線の上空 一夜にして橋が出現! 名古屋‐中津川の国道19号バイパス「瑞浪恵那道路」
JR中央本線の上空 一夜にして橋が出現! 名古屋‐中津川の国道19号バイパス「瑞浪恵那道路」
乗りものニュース
ニューウェイがレッドブルを離れても、ライバルの獲得は2027年までお預け? 契約に不履行条項が存在か
ニューウェイがレッドブルを離れても、ライバルの獲得は2027年までお預け? 契約に不履行条項が存在か
motorsport.com 日本版
歩行者でも道交法違反になる! マラソンや駅伝の規制中に警察の指示に従わず「コースを横断」は罰則の可能性アリ!!
歩行者でも道交法違反になる! マラソンや駅伝の規制中に警察の指示に従わず「コースを横断」は罰則の可能性アリ!!
WEB CARTOP
電動車ブランドになったヒョンデが、あえて高性能モデル「N」を日本に投入する理由とは?
電動車ブランドになったヒョンデが、あえて高性能モデル「N」を日本に投入する理由とは?
レスポンス
プリウス顔のSUV!!  しかもEVってマジか!!  トヨタ本気のEV攻勢
プリウス顔のSUV!!  しかもEVってマジか!!  トヨタ本気のEV攻勢
ベストカーWeb
日産が新型「エヴォ・コンセプト」世界初公開! めちゃカッコいい「流麗セダン」中国で登場! どんなモデル?
日産が新型「エヴォ・コンセプト」世界初公開! めちゃカッコいい「流麗セダン」中国で登場! どんなモデル?
くるまのニュース
エイドリアン・ニューウェイがレッドブルF1離脱を決断との報道。ホーナー騒動が一因か。チームは2025年末までの契約を強調
エイドリアン・ニューウェイがレッドブルF1離脱を決断との報道。ホーナー騒動が一因か。チームは2025年末までの契約を強調
AUTOSPORT web
ホンダの赤い「新型プレリュード」初公開! “2ドアクーペ”実車展示で反響スゴい!? 25年登場!? 車名復活で米国でも注目
ホンダの赤い「新型プレリュード」初公開! “2ドアクーペ”実車展示で反響スゴい!? 25年登場!? 車名復活で米国でも注目
くるまのニュース
スズキ「GSX-8R」の仕立ては想像超え!! 親しみやすく扱いやすいマルチなポーツバイクだった
スズキ「GSX-8R」の仕立ては想像超え!! 親しみやすく扱いやすいマルチなポーツバイクだった
バイクのニュース
ランドローバー ディスカバリースポーツ、エントリーグレードを追加…2025年モデルの受注開始
ランドローバー ディスカバリースポーツ、エントリーグレードを追加…2025年モデルの受注開始
レスポンス
デカすぎ……レクサスLMは48インチのディスプレイ採用!! もう「高級車=セダン」は時代遅れ? 高額なミニバンやSUVが登場するワケ
デカすぎ……レクサスLMは48インチのディスプレイ採用!! もう「高級車=セダン」は時代遅れ? 高額なミニバンやSUVが登場するワケ
ベストカーWeb
トヨタ「GRヤリス」のマイナーチェンジはフルモデルチェンジに等しい! 初期型ユーザーは買い替えのご準備を
トヨタ「GRヤリス」のマイナーチェンジはフルモデルチェンジに等しい! 初期型ユーザーは買い替えのご準備を
Auto Messe Web

みんなのコメント

11件
  • 筆者の中でのモータースポーツはF1、WRC、WEC位しかないの?
    正直スバル、三菱は今現在モータースポーツに向いた車が無いので仕方ないですが、ホンダはF1以外にもインディにエンジンを供給してる。レクサス、日産、ホンダはGT3マシンも持ってるしスーパーGTがある。
    名前だけかもしれないが日産はフォーミュラEにも出ている。
    マツダはパーティーレースの様な参加型モータースポーツに力を入れてるし、スーパー耐久のスポンサーもしている。
  • モータースポーツという括りで話すなら二輪も国内メーカー頑張ってると思うが。。。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.5276.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.0338.0万円

中古車を検索
レガシィの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.5276.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.0338.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村