この記事をまとめると
■ボルボが新たなEVとなる「EX30」を発表した
ボルボにコルベットZ06のエンジンをぶち込んだ「ボルベット」! 遅刻魔の「ポールニューマン」に贈られた最強ワゴンの中身
■同社初となるコンパクトプレミアムSUV
■もっともパワフルなグレードは0-100km/h加速3.6秒と歴代ボルボ車で最速
ボルボ史上最小のSUVでもっとんも加速が鋭いクルマが登場
少し前のファンにとっては、セダンやステーションワゴンのイメージが強いボルボ。しかし、近年ではSUVのラインアップも拡充しており、3列シートを備えたフルサイズSUVから日本の狭い道でも走りやすいコンパクトなモデルまで幅広いラインアップを展開して、人気を得ている。
そんなボルボから新たなモデル「EX30」が発表された。このクルマは、ボルボ史上最小のSUVとなるEVだ。
まず、エクステリアデザインでの特徴として、ボルボのアイコンでもあるトールハンマーヘッドライトや大径ホイールが目につく。サイドから見ると、ロングホイールベースに前後の揃ったオーバーハングによってバランスが取れて洗練した印象を受ける。
インテリアは、持続可能な素材を積極的に取り入れており、デニム、亜麻、ウールなどのリサイクルできるもので構築されている。
さらなる特徴は、運転席の正面に設置される車速やバッテリー残量を表示するメーターパネルを廃して、インパネ中央にある12.3インチの縦型センタースクリーンに集約したこと。これによりフロントウインドウまわりがスッキリして室内の広さを感じさせるとともにシンプルでモダンな印象を与える。
また、センタースクリーンにGoogleを搭載した最新のインフォテインメントシステムを実装したことで、GoogleマップやGoogle Playなどの連携サービスに気軽にアクセスすることができるようになった上、ボルボ車として初めてApple CarPlayのワイヤレス機能を備えた。OTA(無線アップデート)も可能になったことで、常に最新のソフトウェアを利用することができる。
そして、フロントウインドウの下には5つのスピーカーを内蔵したハーマンカードンのサウンドバーが設置されており、車内に複数のスピーカーを配置しなくてもハイエンドな音質で音楽を聴くことができる。
そのおかげで、本来スピーカーが収まる左右のドアポケット部を収納スペースにあてることができ、使いやすさが追求された。
2種のバッテリーと3種のパワートレインを用意
EX30は3種類のパワートレインと2種類のバッテリーを用意しており、LFPスタンダードバッテリーを搭載したシングルモーター車は、比較的走行距離の少ない人向けのモデル。走行距離の長い人向けにはNMCバッテリーを搭載したシングルモーター・エクステンデッドレンジを用意し、最大航続距離480kmを実現している。そしてハイエンドモデルは、NMCバッテリーに2モーターを組み合わせた4輪駆動車で、最高出力428馬力、0-100km/h加速3.6秒というボルボ車で史上最速の加速を実現した。
速いのは加速だけではない。充電速度も同じように速くなっている。エクステンデッドレンジは最大153kW、スタンダードレンジは最大134kWの充電能力を実現したことで、10%から80%までの充電時間は25分強で完了する性能を持ち合わせる。
安全性能に関して先進的な知見を持つボルボは、降車する際の自転車との接触事故を減らすために、ドアの開閉時に自車の周囲に自転車や歩行者を検知すると、音や表示で警告を示す機能を搭載。さらに、駐車の際にクルマが駐車スペースを認識したのち、新しい3Dユーザーインターフェースで駐車したい場所をタップすることで、アクセルやブレーキ、ステアリングを自動で操作してくれる「パークパイロットアシスト」など、数々の先進的な安全運転支援機能が装備されている。
ボルボEX30は、一部地域で販売が始まっており、スタート価格は約3万6000ユーロ(日本円で約540万円)とガソリンモデルとあまり変わらない価格で購入できる。さらに、「Care by Volvo」という同社のサブスクリプションサービスだと月額599ユーロ(日本円で約9万円)を支払うことで所有することも可能だ。
さらに、サプライズ発表として、よりSUV色の強いEX30クロスカントリーを2024年に追加するとのアナウンスがなされた。このモデルは、EX30より高い地上高で19インチのブラックホイールなど特別な装備が付いたモデルに仕上がっている。
すでにボルボは、2030年に販売するすべての車種をEVにすることを発表した。そのためEX30は、より多くの人にEVを提供するための足がかりとして、ブランドの魅力を内外装で色濃く表現したエントリーモデルとも言える。まだ日本市場への正式導入は発表されていないが、もしも海外市場と同じような値段での発売となれば、EV市場に新たな風穴を開ける存在になり得るだろう。
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みんなのコメント
日本に入ってきたら早速試乗に行ってみたい。
インテリアも同様で洗練されていて新しい価値観を与える空間設計となっている。
テスラにも共通するが、簡素なプラスチックのデザインこそ未来の車であり従来のSDGsを無視した本革仕様やらゴテゴテスイッチなどは消え去る時が来ている。