7月13、14日に静岡県富士スピートウェイで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦で、アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)が雨の決勝レースで一度もトップを明け渡すことなくポール・トゥ・ウィンを達成した。
雨を制したパロウが初ポール
レッドブル・ジュニア育成を担うチーム無限の15号車には、これまでのダニエル・ティクトゥムに替わり第4戦よりパトリシア・オワード(メキシコ)が乗ることになった。今シーズンF1テスト走行も経験しているティクトゥムだが、レッドブル育成メンバーからも外れるとの発表に関係者が驚かされた。
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雨となった予選ではTCSナカジマ・レーシングとセルモ・インギングが2台ともQ3へ進出。ポールを奪ったのは今年より参戦の64号車アレックス・パロウ(左)。2番手タイムは39号車の坪井翔(中)がマークし、翌日の決勝はルーキーがフロントロウを占めることとなる。
急転するコンディション
朝から雨が降り続いた決勝日だが、スタート進行直前から雨は止み路面はやや乾き始める。ウォームアップ走行でスリックタイヤを履くチームもあり、天候は回復傾向に思えた。
しかしながら全車がグリッドに着いた途端、再び雨がパラつき始め各チームはスタートタイヤの選択に頭を悩ませる。やがて雨脚は強まりウェットレースの様相が強くなると、グリッド上で急いでセッティングの変更を行うチームもありメカニックは大忙しとなった。
SCによるスタート
スタート時刻には本格的な雨模様となりさらには霧も出る始末。本日最悪のコンディションでメインレースのスタートを迎える事に。悪条件となったことでレースはセーフティーカースタートとなり2周にわたる隊列走行。決勝レースの周回数は55周だが、最大95分というレギュレーションにより周回数は短縮される可能性が高い。
3周目SC解除となりレースがスタート。ポールの64号車パロウ、2番手39号車坪井、さらには19号車関口雄飛が続く。1コーナーの進入、4番手スタート16号車野尻智紀のインに5番手の37号車ニック・キャシディが飛び込み、ここで2台の順位が入れ替わる。
パロウ、坪井、関口、キャシディ、野尻と視界確保のため間隔を空けながら走行。レースはこう着状態で進行して行くが、その中でもパロウのスピードが2番手以下を大きく引き離しはじめる。
レース終盤にかけ、燃費をセーブする2位坪井と3位関口の差が急速につまり始め、それにキャシディも加わり2位争いは三つ巴になるかと思われた。しかし43周終了時に関口は給油のためピットに向かい、代わったキャシディが坪井を追いたてる展開に。
トップ4台がこう着した状態でスタンドを湧かせたのが18号車の小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)。予選から大きくセッティングを変更し19番手スタートからオーバーテークの連発。最終的には6位入賞の13ポジションアップ、スーパーフォーミュラの立役者ぶりを発揮して見せる。
「脅速」ポール・トゥ・ウィン
55周を走りきる目前の53周、規定の95分間が経過しレースは終了となった。結局一度もトップの座を脅かされることなく、2番手に13秒もの大差をつけてアレックス・パロウ(TSC NAKAJIMA RACING)がトップチェッカー。2位には坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)が、ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)の猛攻を振り切りポジションを文字通り「死守」した。
9年ぶりにフォーミュラの表彰台に登ったと言う中嶋悟監督、前回の勝利は2010年の開幕戦というから驚きだ。かつて「常勝」と呼ばれていたナカジマレーシングが今シーズン復活となるのか、今後のレースも注目していきたい。(PHOTO:井上雅行)
スーパーフォーミュラ第4戦 決勝結果(ポイント獲得者)
1位 64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RCING)
2位 39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
3位 37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)
4位 16 野尻智紀(TEAM MUGEN)
5位 36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)
6位 18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)
7位 38 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
8位 19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
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