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新型「カウンタック」の兄弟車種ぜんぶ教えます! ランボルギーニが作った「アヴェンタドール」の派生モデルとは

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新型「カウンタック」の兄弟車種ぜんぶ教えます! ランボルギーニが作った「アヴェンタドール」の派生モデルとは

■「アヴェンタドール」発表の翌年にはワンオフモデル誕生

 2011年のジュネーブ・ショーでオフィシャル・デビューを飾った、ランボルギーニ「アヴェンタドール」。それは前身となった「ムルシエラゴ」と比較しても明らかに先進的な設計と、魅力的なスタイルを持つモデルだった。

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 そのアヴェンタドールにも、まもなく終焉の時が迫っているが、これまでさまざまな特別仕様車、フューオフ・モデル、そしてワンオフ・モデルが誕生した事実を、我々は忘れてはならない。それはアヴェンタドールに、さらなる進化の余裕があったことを物語る事実にほかならないのだから。

 そこでヴァーグでは、アヴェンタドールをベースとしたフューオフ・モデルとワンオフ・モデルのなかから、その代表的なものを紹介していくことにしよう。

●「アヴェンタドールJ」

 まずは、アヴェンタドールがデビューした翌年、2012年のジュネーブ・ショーで発表された「アヴェンタドールJ」からだ。

「J(イオタ)」がかつてワンオフ・モデルとして作られ、短い生涯の後にクラッシュによって全損、廃車となってしまったことは、ランボルギーニのファンにはお馴染みのストーリーだが、このアヴェンタドールJに添えられるJもまた、この時と同様にワンオフで生産され、車名のJはイオタを意味する。

 プレスカンファレンスの檀上で、ランボルギーニCEO、ステファン・ヴォンケルマン氏は、その価格が210万ユーロであり、すでにそのカスタマーは決定し、このショーに持ち込まれたモデル以外にプロトタイプなどは存在しないことを強調した。

 Jのエクステリアには、独自のディテールが数多くあった。フロントウインドスクリーンすら持たないそのスタイルは、イタリアの伝統的なバルケッタのスタイルにほかならないし、F1マシンのノーズコーンすら想像させる狭いフロントセクションに加え、フロントに20インチ、リアに21インチを組み合わせた専用のセンターロック式ホイールもまた、非常に魅力的なデザインだった。

 ちなみにアヴェンタドールJの基本構造体は、CFRP製のモノコックであるが、そのデザインもJ専用のものだ。一方、搭載エンジンなどメカニズムは、もっとも初期の700ps仕様であるオリジナルのアヴェンタドールと変わらない。

●「ヴェネーノ」

 翌2013年は、ランボルギーニにとってとても重要な年だった。なぜなら、1963年の創業以来50年という記念すべき節目を迎えた年であったからだ。そして当然世界中のファンの興味は、それを記念するフューオフ、あるいはワンオフ・モデルの登場に集まった。

 5月には創立50周年を記念するオフィシャル・イベントが本社のあるイタリアのサンタアガタ・ボロネーゼでおこなわれることが決定していたが、ランボルギーニがその特別なモデルを発表したのは、同年のジュネーブ・ショーだった。

 その車名は「ヴェネーノ」。生産台数はわずかに3台で、価格は300万ユーロの設定であった。

 ヴェネーノのエクステリア・デザインは、きわめて斬新なラインで構成されたものだった。それはかつてランボルギーニが開発したV型10気筒エンジンを搭載し、軽量化の限界に挑戦した「セストエレメント」からも大きな影響を受けたデザインともいえるが、前後のフェンダーをボディーから独立させたかのように見せるテクニックや、ルーフ後端にあるエアインテークに始まるダイナミックなリアセクションの造形は、理想的なエアロダイナミクスが実現されていることを伺わせるものであった。

 Y字型のデイタイムランプを備えるヘッドランプ、そしてテールランプなどは、現代のランボルギーニのアイコンだ。

 リアミッドに搭載されたエンジンは、アヴェンタドールと共通の6.5リッターV型12気筒自然吸気だ。吸排気システムや高回転化によって最高出力は760psにまで高められ、それに組み合わされる7速セミAT(ISR)や電子制御多板クラッチによる4WDシステム、プッシュロッド方式のサスペンション等々は、すべてヴェネーノのためにセッティングが見直されていた。

 0-100km/h加速2.8秒、最高速度335km/hは、もちろん現代においても魅力的な世界の頂点に君臨する運動性能といえる。

 ヴェネーノの人気は当然のことながら高く、ランボルギーニは3台のクーペを生産した後、9台のロードスターを生産。こちらももちろん一瞬でソールドアウトとなった。

■「カウンタック」復活までのスペシャルモデルとは

 2016年のジュネーブ・ショーでは、ランボルギーニの創始者であるフェルッチオ・ランボルギーニの生誕100周年を記念して、「チェンテナリオ」が発表されている。

●「チェンテナリオ」

 20台のクーペと、同じく20台のロードスターが生産される計画だったチェンテナリオも、もちろん発表時にはすでにソールドアウト。そのプライスは175万ユーロ(当時のレートで約2億2000万円)というものだったが、ランボルギーニの熱狂的なカスタマーにとっては、前後のセクションで強いインパクトを持つ独特なデザインのこのフューオフ・モデルは、見逃すことのできない存在だったのだろう。

 チェンテナリオのきわめて革新的で高性能なボディやモノコックは、もちろんランボルギーニが現在もコア技術のひとつとするカーボンファイバーで成型されている。

 参考までにチェンテナリオの車重は1520kg。捻じり剛性も3万5000Nm/度と素晴らしい数字だ。搭載される6.5リッターV型12気筒エンジンは770psにまで強化され、後輪操舵もこのチェンテナリオから採用された技術である。

●「シアンFKP37」

 2019年のIAA(フランクフルト・ショー)で発表された、ランボルギーニ初のプロダクション・ハイブリッドモデル「シアンFKP37」もアヴェンタドールをベースにしている。

 車名の“シアン”とはランボルギーニが本社を置くイタリア、ボロネーゼ地方の方言で“雷”や“稲妻”を意味するもの。続く“FKP37”は、シアン発表の直前に他界したVWグループの元会長であるフェルディナンド・カール・ピエヒ氏のイニシャルと、生年の1937年を表す。

 シアンFKP37に搭載されるパワーユニットは、吸排気システムなどのチューニングによって、最高出力を785psにまで高めたアヴェンタドール用のV型12気筒自然吸気エンジンに、34psを発生する48Vのエレクトリック・モーターと、量産車としては初となるスーパー・キャパシタを組み合わせたもの。

 これによってパワーウェイトレシオで「1」を実現したことは大きな意義のあるところだ。さらにランボルギーニは、カスタマーからの強いリクエストを受けて、シアン・ロードスターを19台のフューオフ・モデルとして2020年に生産した。

●「SC18アルストン」「SC20」

 ランボルギーニのモータースポーツ部門、スクアドラ・コルセからも、アヴェンタドールのメカニズムを流用したワンオフ、フューオフ・モデルが誕生している。

 まず2018年に発表されたのが、サーキット走行専用車である「SC18アルストン」だ。これはヴェネーノのエクステリア・デザインにも似た過激なデザインを持つモデルで、スクアドラ・コルセが、これまでGT3や「ウラカン」によるスーパートロフェオで培った技術との関連性を積極的にデザインに反映したものだ。

 搭載される6.5リッターV型12気筒エンジンの最高出力は770ps。これに7速のISRを組み合わせることなど、そのメカニズムのほとんどはアヴェンタドールのそれを基本とする。

 またスクアドラ・コルセからは、カスタマーのリクエストによって、2020年にオープントップで公道走行が可能な、「SC20」もワンオフで製作されている。

●「カウンタックLPI800-4」

 最新のアヴェンタドールから多くを継承したフューオフ・モデルといえるのが、2021年8月に112台の限定生産が発表された、「カウンタックLPI800-4」だ。

 1970年代に誕生したカウンタックのスタイルを、実に見事に再現した現代版カウンタックのパワーソースは、アヴェンタドール譲りの6.5リッターV型12気筒DOHC 4バルブエンジンで、その最高出力&最大トルクは、780ps&720Nm。これにさらに48Vエレクトリックモーターからなる、マイルドハイブリッド機構もカウンタックLPI800-4には搭載されている。

 カウンタックLPI800-4が発表された時、それをアヴェンタドールの次期フラッグシップだと勘違いしてしまった人も多いようだが、カウンタックLPI800-4は、あくまでもアヴェンタドールをベースとしたフュー・オフモデルである。

* * *

 現行12気筒モデルのアヴェンタドールが生産を終了することが発表された今、カスタマーやファンの興味はその後継車の姿にある。そしてもちろん次世代においても、ランボルギーニはさまざまなフューオフや、ワンオフで、我々の目を楽しませてくれるはずだ。

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みんなのコメント

3件
  • ディアブロ以降アヴェンタドールに至るまでカウンタックのリメイクでしか無い。
    50年間焼き直しを続けているだけで新しい提案が無い。
    それで売れているから良いと捉えるのは勝手だが、他にもっと良い方向性が有ったかもと思えば、他のチャレンジをしても良かったのでは無いかと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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